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2012年11月23日金曜日

第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演2 痛み・しびれ・脱力のみかた

第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演2 痛み・しびれ・脱力のみかた
知覚神経の異常発火によるしびれ痛み(神経障害性疼痛)にはNSAIDなどは無効で抗痙攣薬が有効である。精神的な原因によるものは抗うつ薬SSNRIが効果的。軽度な頭痛でも軽いクモ膜下出血の場合もある。高齢者では熱発のない髄膜炎もあるので項部硬直を見逃さないこと。肥満者が急にやせ、突然発症の大腿外側の痛みと知覚低下の場合、外側大腿皮神経炎を考える。手根管症候群(CTS)は頚椎症と間違われやすい。CTSの関連痛として肩痛があり頚椎症との鑑別が難しいが、CTSなら薬指の両脇の知覚に左右差があることで鑑別できる。CTSの痛みは虚血性で、夜間のしびれ痛みが強いのが特徴である。手根管開放術直後より改善する。糖尿病性神経障害はCTSを伴い頚椎症も多い。振動覚が早期に低下しアキレス腱反射も低下消失する。急激な血糖補正は慢性疼痛を誘発するので注意。神経伝導検査は診断に有用である。手と口が同時にしびれる手口症候群は小さな脳梗塞診断の手がかりである。ボツリヌス毒素は痙性斜頚や脳卒中の後遺症や偏頭痛にも効果がある。リウマチ性多発筋痛症では失明の危険あり、すぐにステロイド治療を。脱力を診るのにMRCスケールは役立つ。見逃されやすい新しい難病CIDPは、ステロイドやガンマグロブリンが奏効する。(記 岡 正直)

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