お知らせ(新春学術講演会)
平成29年1月19日(木)午後7時過ぎより、横浜駅西口の横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて新春学術講演会が開催されます。講演会のあと情報交換会があります。今回は医薬品評価検討委員会と肝炎対策委員会が担当します。
講演1「これからのC型肝炎治療」を横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器内科教授 田中克明先生にご講演いただきます。インターフェロンなしの経口治療薬も次々と新しいものが登場し、C型肝炎ウイルス排除率も95~100%を達成するようになった今日、今までと様変わりした治療戦略と残された問題点について最新の知識を身につけるチャンスではないでしょうか。
講演2「医薬品で健康を害うことのない世界をつくるために」を川崎北合同法律事務所 湯山 薫弁護士と清和総合法律事務所 服部功志弁護士にご講演いただきます。医薬品による健康被害のうち、行政や企業の不適切な行為が関与したことにより、社会問題化したものを「薬害」といいます。過去の薬害としては、サリドマイド事件・スモン事件・薬害エイズ事件・MMRワクチン事件やフィブリノゲン製剤によるC型肝炎集団感染事件などがあります。なぜこのような事件が繰り返されるのでしょうか?その背景を分析し、今日次々と新しい治療法が臨床の現場にもたらされる中にあって、意図せずして加害者となる医師や被害者として苦しむ患者を生み出さないためにどうすればよいのか?臨床医が絶対に知っておかなければならない心得について貴重なお話がいただけるものと思います。演者は大学の薬学部への出張講演や中学校での特別授業などを数多く行い、医薬品の安全性に対する認識と共に生命の尊さや人権感覚を訴え続けてきました。
ぜひ多くの先生方のご参加をお願い申し上げます。
2016年11月30日水曜日
神奈川県医師会報12月号 医学会だより 2016.11.30
神奈川県医師会報12月号 医学会だより
神奈川県内科医学会の創設は1967年2月19日で、神奈川医学会の最大の分科会です。宮川政昭会長のもとで活発に活動しています。(以下敬称略)
1.総務企画部会(部会長 岡 正直)
当医学会の活動方針決定や多岐にわたる管理運営を行う中枢の部会であり、4つの基本集会のマネジメントも行なっています。
1-1.定時総会および定時総会時学術講演会(5月)
定時総会では、年度ごとの当医学会活動の総括と新年度の活動方針決定、会員の表彰、事業委員会報告などを行ないます。その後の学術講演会では最新の興味深い話題について医学・医療にとどまらず幅広くテーマを取り上げて講演を企画しています。
1-2.臨床医学研修講座(9月)
当会員と大学との連携による生涯教育の機会の充実を目指し、県下4大学(横浜市立大学、北里大学、聖マリアンナ医科大学、東海大学)回り持ちで開催します。
1-3.新年学術大会(1月)
この講演会では関連する2題の講演により、テーマについて深い理解が得られます。
1-4.集談会(2月)
日常診療を中心に地域内科医会相互の理解・連携に通じる発表の場として、県下5地区を回って開催します。
2.学術部会(部会長 松葉育郎)
11の事業委員会を紹介します。
2-1.糖尿病対策委員会(委員長 松葉育郎)
2-2.神奈川肝炎対策委員会(委員長 岡 正直)
2-3.認知症対策委員会(委員長 渡部廣行)
2-4.神奈川高血圧・腎疾患対策委員会(委員長 佐藤和義)
2-5.呼吸器疾患対策委員会(委員長 西川正憲)
2-6.神奈川禁煙推進委員会(委員長 長谷 章)
2-7.医薬品評価検討委員会(委員長 湯浅章平)
2-8.在宅医療委員会(委員長 久保田 毅)
2-9.健康長寿社会を目指す委員会(委員長 中山脩郎)
2-10.心臓血管病対策委員会(委員長 國島友之)
2-11.メディカルコミュニケーション委員会(委員長 松澤陽子)
3.情報広報部会(部会長 宮島真之)
神内医ニュースを年2回発行、神奈川県内科医学会会報年1回発行、WEB会議の推進、創立50周年記念誌の編纂
4.保険制度部会(部会長 小林明文)
次期診療報酬改定に向けての要望、保険診療研究会の開催、小冊子の発行
5.財務部会(部会長 井野元 勤)
当医学会の活動の基盤となる資金のマネジメントを行う会計の部会
平成29年(2017年)には当医学会は創立50周年を迎え、その翌年の平成30年(2018年)9月16日と17日にパシフィコ横浜を会場として、第32回日本臨床内科医学会を当医学会が主管することになりました。テーマは「医識改革」です。学会の成功を目指して総力を結集していきたいと思います。
(文責 神奈川県内科医学会総務企画部会長 岡 正直)
神奈川県内科医学会の創設は1967年2月19日で、神奈川医学会の最大の分科会です。宮川政昭会長のもとで活発に活動しています。(以下敬称略)
1.総務企画部会(部会長 岡 正直)
当医学会の活動方針決定や多岐にわたる管理運営を行う中枢の部会であり、4つの基本集会のマネジメントも行なっています。
1-1.定時総会および定時総会時学術講演会(5月)
定時総会では、年度ごとの当医学会活動の総括と新年度の活動方針決定、会員の表彰、事業委員会報告などを行ないます。その後の学術講演会では最新の興味深い話題について医学・医療にとどまらず幅広くテーマを取り上げて講演を企画しています。
1-2.臨床医学研修講座(9月)
当会員と大学との連携による生涯教育の機会の充実を目指し、県下4大学(横浜市立大学、北里大学、聖マリアンナ医科大学、東海大学)回り持ちで開催します。
1-3.新年学術大会(1月)
この講演会では関連する2題の講演により、テーマについて深い理解が得られます。
1-4.集談会(2月)
日常診療を中心に地域内科医会相互の理解・連携に通じる発表の場として、県下5地区を回って開催します。
2.学術部会(部会長 松葉育郎)
11の事業委員会を紹介します。
2-1.糖尿病対策委員会(委員長 松葉育郎)
2-2.神奈川肝炎対策委員会(委員長 岡 正直)
2-3.認知症対策委員会(委員長 渡部廣行)
2-4.神奈川高血圧・腎疾患対策委員会(委員長 佐藤和義)
2-5.呼吸器疾患対策委員会(委員長 西川正憲)
2-6.神奈川禁煙推進委員会(委員長 長谷 章)
2-7.医薬品評価検討委員会(委員長 湯浅章平)
2-8.在宅医療委員会(委員長 久保田 毅)
2-9.健康長寿社会を目指す委員会(委員長 中山脩郎)
2-10.心臓血管病対策委員会(委員長 國島友之)
2-11.メディカルコミュニケーション委員会(委員長 松澤陽子)
3.情報広報部会(部会長 宮島真之)
神内医ニュースを年2回発行、神奈川県内科医学会会報年1回発行、WEB会議の推進、創立50周年記念誌の編纂
4.保険制度部会(部会長 小林明文)
次期診療報酬改定に向けての要望、保険診療研究会の開催、小冊子の発行
5.財務部会(部会長 井野元 勤)
当医学会の活動の基盤となる資金のマネジメントを行う会計の部会
平成29年(2017年)には当医学会は創立50周年を迎え、その翌年の平成30年(2018年)9月16日と17日にパシフィコ横浜を会場として、第32回日本臨床内科医学会を当医学会が主管することになりました。テーマは「医識改革」です。学会の成功を目指して総力を結集していきたいと思います。
(文責 神奈川県内科医学会総務企画部会長 岡 正直)
2016年11月27日日曜日
神内医ニュース第77号 学会の動き 2016.11.27
学会の動き(神内医ニュース第77号) 総務企画部会長 岡 正直
神奈川県内科医学会総務企画部会が企画担当している講演会は、定時総会時学術講演会、臨床医学研修講座、新春学術講演会そして集談会の4つです。
【第41回臨床医学研修講座報告】
第41回臨床医学研修講座が平成28年10月15日(土)午後3時より横浜市立大学附属市民総合医療センター6階会議室にて横浜市立大学と第一地区横浜内科学会の担当で開催されました。当会の幹事で横浜市立大学消化器内科学主任教授の前田愼先生の開会の辞に続いて、宮川政昭会長の挨拶があり、講演会が開始されました。5つのご講演の内容を簡単にご紹介します。
講演1「外来で困らないための遷延性咳嗽の診断と治療のポイント」
座長 小野容明副会長
演者 横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器病センター准教授 部長 工藤誠先生
医療機関受診の動機として最も多いのは咳嗽である。咳の受容体は咽頭から気管・気管支さらに食道胃接合部まで広く分布し、延髄の咳中枢には大脳からの信号も入っているため、咳の病態は複雑である。鎮咳薬には中枢性と末梢性(気管支平滑筋を緩める)があるが、中枢性の方が効果が高い。咳の持続期間により、3週以内を急性、8週以上を慢性、その間を遷延性咳嗽と分類する。急性咳嗽の多くは上気道感染で問題になることは少ないが、遷延性や慢性咳嗽には肺癌、間質性肺炎、肺結核、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患など多彩な疾患や診断の遅れが問題になる疾患も含まれている。呼吸器病学会のガイドラインに示されているフローチャートに沿って診断するとよい。また長引く咳により、職場での立場が悪くなる、友人との面会を躊躇するなど社会的な問題も引き起こされる。近年、咳喘息に対する理解が進んだ一方で、他の疾患を咳喘息と誤っている例も見られる。アトピー咳嗽(非喘息性好酸球性気管支炎)の鑑別について、またストレスが原因となる心因性咳嗽についても述べた。
講演2「慢性腎臓病における血圧管理」
座長 健康長寿社会を目指す委員会 高見沢重隆委員
演者 横浜市立大学循環器・腎臓内科学准教授 田村功一先生
高血圧に次いで、慢性腎臓病(CKD:Chronic kidney disease)患者は成人の8人に1人に見られる多さである。腎臓自体の治療薬はないため、CKD治療の目的は末期腎不全(ESRD:End-stage renal disease)への進行抑制と心血管病(CVD:Cardiovascular disease)の合併阻止にある。そのためには、高血圧、糖尿病、脂質異常、腎性貧血、骨ミネラル代謝異常などを包括的に管理する必要があり、特に適正な血圧管理が重要である。生活習慣の改善、食事療法、薬物療法を行いESRD進展やCVD合併を阻止することである。CKDの予後は糖尿病の有無、腎機能低下度合、アルブミン・蛋白尿の有無により異なるため、日本腎臓学会では原因(cause)、腎機能(GFR)、アルブミン・蛋白尿(albumin)によるCGA重症度分類で評価し、病態に応じた個別的な降圧目標設定・降圧薬選択による血圧管理を推奨している。CKDの進行に伴い夜間高血圧の傾向が出現する。朝の血圧は夜間高血圧を反映しているため、家庭血圧の記録にも注意を払いながら血圧管理を行うことである。
講演3「痛みの臨床~症例を中心に」
座長 長谷川修幹事
演者 神奈川県立足柄上病院総合診療科担当部長 太田光泰先生
「痛み」を主訴に受診する患者は多く、その診断に苦慮することもしばしばである。その診断推論の基本は、病態生理学的に分類して解剖学的に絞り込むことである。「痛み」を3つに分類すると、原因疾患からの情報伝達としての「侵害受容性疼痛」、情報伝達器官そのものの神経の障害による「神経痛」、脳の誤った解釈によりあたかも疾患があるように感じられる「心因性疼痛」となる。「侵害受容性疼痛」は、部位の限局の見られない「内臓痛」と部位が特定され易い「体性痛」や「関連痛」に分類される。痛む部位を動かすと痛みが増強するのが「体性痛」、動かしても増強しないのが「関連痛」である。原因器官と離れた場所が痛む「関連痛」は神経解剖学的にデルマトームを理解すれば解釈は容易となる。これらの痛みの特徴に発症機転(突然、急性、慢性、発作性)や病状経過(増悪、横ばい、改善)を組み合わせて診断を絞り込む。また患者の言語化されない病歴(特定の受療行動など)を確認・分析することも診断の助けとなる。多くの具体的な症例の提示があり、実際の「痛み」の診断のプロセスについて理解を深めることができた。
講演4「糖尿病診療の課題 2016」
座長 糖尿病対策委員会 皆川冬樹委員
演者 横浜市立大学附属市民総合医療センター内分泌・糖尿病内科部長 山川正先生
健康寿命を短縮する糖尿病合併症として、細小血管障害(神経障害、網膜症、腎症)、大血管障害(冠動脈疾患、脳卒中、閉塞性動脈硬化症など)、その他(歯周病、足病変、手病変、認知症など)が知られているが、骨折も新たに追加された。コントロール目標値はHbA1c(%)で、血糖正常化を目指す際は6.0未満、合併症予防では7.0未満、治療強化困難な際は8.0未満であるが、高齢者の場合低血糖を回避するため、インスリン・SU薬使用時のHbA1cは65歳以上で6.5以上、75歳以上で7以上、認知症など合併例では7.5以上と下限が設けられた。食事療法では3大栄養素(糖質、脂質、蛋白質)の至適な比率は不明だが、糖質の摂りすぎは避けるべきである。野菜を先に食べ、米より先に肉や魚を食べると食後血糖が上昇しにくい。近年、糖尿病患者の血糖コントロールは改善傾向である一方体重は増加傾向にある。薬物療法にあたり、体重増加や低血糖を起こしにくい薬剤から使用すべきである。禁忌がなければメトホルミン、難しければDPP4阻害薬で開始し、必要ならば体重を増やしにくいGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬を追加することである。Sickdayの対応にも注意すること。
講演5「肝炎治療の最近の進歩」
座長 肝炎対策委員会 永井一毅幹事
演者 横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター准教授 中馬誠先生
C型肝炎の治療成績は直接作用型抗ウイルス薬(DAA:Direct Acting Antivirals)の登場により95~100%のウイルス学的著効を達成できるようになった。DAAの種類も増えており個々の薬剤の特性を見極めた上で適切な使用を心がけることである。DAA治療困難または難治となる点は、ウイルス側因子としてはDAAへの薬剤耐性、前治療無効例であり、ホスト側因子としては非代償性肝硬変(Child B,C)、高齢者、腎機能障害であり、薬剤側因子としては薬剤相互作用である。ウイルス駆除後の肝発癌の減少が期待されるが、DAA治療を受けた患者は高齢かつ肝線維化高度の症例が多く発癌のポテンシャルが高いため注意深いフォローアップが必要である。B型肝炎ではHBe抗原消失HBe抗体陽性化(SC:seroconversion)後の無症候性キャリアが本当に非活動かという問題がある。SCは決して臨床的治癒ではなく、SC後も肝炎の活動が続き線維化の進行や肝発癌をみる場合もある。日本肝臓学会のガイドラインによれば、1年以上の観察期間のうち3回以上の血液検査で(1)HBe抗原が持続陰性、(2)ALT持続正常(30以下)、(3)HBV-DNAが4Log未満を満たす場合に非活動性キャリアとみなす。画像所見や血小板減少により線維化の進展が疑われるときは肝生検による精査を行う。
前田愼先生の閉会の辞のあと同フロアのレストランに移動し、横浜内科学会会長小野容明先生の挨拶に続いて情報交換会が持たれ、美味しい料理を頂きながら終始なごやかな雰囲気のうちに会を終了しました。
【平成29年新春学術講演会予告】
平成29年新春学術講演会が平成29年1月19日(木)に、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて医薬品評価検討委員会および肝炎対策委員会の担当(共催Abbvie合同会社)で開催予定です。講演1は「これからのC型肝炎治療」について横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器内科教授 田中克明先生に、講演2はこれまで繰り返されてきた薬害事件をふまえ、医薬品によって患者の健康を損なわないため医療者として心がけるべきことについて、川崎北合同法律事務所弁護士 湯山 薫先生と清和総合法律事務所弁護士 服部功志先生にご講演いただきます。絶対に聞き逃せない講演になると思いますので、ぜひ多くの先生方のご参加をお願い申し上げます。
【第80回集談会予告】
第80回神奈川県内科医学会集談会が平成29年2月18日(土)午後3時からオークラフロンティアホテル海老名3Fラローズにて第5地区海老名内科医会(濱田芳郎先生)の担当で開催予定です。一般演題(発表6分、質疑2分)の講演のあと、午後5時過ぎより特別講演「腸内細菌と免疫」を慶応義塾大学医学部 微生物学・免疫学教室教授 本田賢也先生にご講演いただく予定となっています。
【平成29年度定時総会時学術講演会報告】
平成29年5月20日(土)午後に横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて、評議員会と定時総会が開催され、引き続き定時総会時学術講演会が行われます。「環境(公害)と医学~医師の観察の重要性~(仮)」について鈴鹿医療科学大学医療科学研究科長 葛原茂樹先生よりご講演をいただく予定です。
【おわりに】
平成27年度からは神奈川県内科医学会は宮川政昭新会長の下に新体制となり、今までの「学術Ⅰ部会」は「総務部会」と合流し「総務企画部会」として再スタートすることになりました。体制が変わっても今までの長い歴史のある講演会に新たな変更や発展を加えながら、4つの基本講演会を開催していきたいと思います。また神奈川県内科医学会が主管する第32回日本臨床内科医学会(平成30年9月)のための開催準備組織委員会も回を重ねるたびに、学会のより具体的な計画が着々と形成されています。この大きなイベントを成功させるためには、全会員のご支援・ご協力が不可欠です。今後とも、神奈川県内科医学会の講演会開催に、ご協力とご参加をお願い申し上げます。
神奈川県内科医学会総務企画部会が企画担当している講演会は、定時総会時学術講演会、臨床医学研修講座、新春学術講演会そして集談会の4つです。
【第41回臨床医学研修講座報告】
第41回臨床医学研修講座が平成28年10月15日(土)午後3時より横浜市立大学附属市民総合医療センター6階会議室にて横浜市立大学と第一地区横浜内科学会の担当で開催されました。当会の幹事で横浜市立大学消化器内科学主任教授の前田愼先生の開会の辞に続いて、宮川政昭会長の挨拶があり、講演会が開始されました。5つのご講演の内容を簡単にご紹介します。
講演1「外来で困らないための遷延性咳嗽の診断と治療のポイント」
座長 小野容明副会長
演者 横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器病センター准教授 部長 工藤誠先生
医療機関受診の動機として最も多いのは咳嗽である。咳の受容体は咽頭から気管・気管支さらに食道胃接合部まで広く分布し、延髄の咳中枢には大脳からの信号も入っているため、咳の病態は複雑である。鎮咳薬には中枢性と末梢性(気管支平滑筋を緩める)があるが、中枢性の方が効果が高い。咳の持続期間により、3週以内を急性、8週以上を慢性、その間を遷延性咳嗽と分類する。急性咳嗽の多くは上気道感染で問題になることは少ないが、遷延性や慢性咳嗽には肺癌、間質性肺炎、肺結核、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患など多彩な疾患や診断の遅れが問題になる疾患も含まれている。呼吸器病学会のガイドラインに示されているフローチャートに沿って診断するとよい。また長引く咳により、職場での立場が悪くなる、友人との面会を躊躇するなど社会的な問題も引き起こされる。近年、咳喘息に対する理解が進んだ一方で、他の疾患を咳喘息と誤っている例も見られる。アトピー咳嗽(非喘息性好酸球性気管支炎)の鑑別について、またストレスが原因となる心因性咳嗽についても述べた。
講演2「慢性腎臓病における血圧管理」
座長 健康長寿社会を目指す委員会 高見沢重隆委員
演者 横浜市立大学循環器・腎臓内科学准教授 田村功一先生
高血圧に次いで、慢性腎臓病(CKD:Chronic kidney disease)患者は成人の8人に1人に見られる多さである。腎臓自体の治療薬はないため、CKD治療の目的は末期腎不全(ESRD:End-stage renal disease)への進行抑制と心血管病(CVD:Cardiovascular disease)の合併阻止にある。そのためには、高血圧、糖尿病、脂質異常、腎性貧血、骨ミネラル代謝異常などを包括的に管理する必要があり、特に適正な血圧管理が重要である。生活習慣の改善、食事療法、薬物療法を行いESRD進展やCVD合併を阻止することである。CKDの予後は糖尿病の有無、腎機能低下度合、アルブミン・蛋白尿の有無により異なるため、日本腎臓学会では原因(cause)、腎機能(GFR)、アルブミン・蛋白尿(albumin)によるCGA重症度分類で評価し、病態に応じた個別的な降圧目標設定・降圧薬選択による血圧管理を推奨している。CKDの進行に伴い夜間高血圧の傾向が出現する。朝の血圧は夜間高血圧を反映しているため、家庭血圧の記録にも注意を払いながら血圧管理を行うことである。
講演3「痛みの臨床~症例を中心に」
座長 長谷川修幹事
演者 神奈川県立足柄上病院総合診療科担当部長 太田光泰先生
「痛み」を主訴に受診する患者は多く、その診断に苦慮することもしばしばである。その診断推論の基本は、病態生理学的に分類して解剖学的に絞り込むことである。「痛み」を3つに分類すると、原因疾患からの情報伝達としての「侵害受容性疼痛」、情報伝達器官そのものの神経の障害による「神経痛」、脳の誤った解釈によりあたかも疾患があるように感じられる「心因性疼痛」となる。「侵害受容性疼痛」は、部位の限局の見られない「内臓痛」と部位が特定され易い「体性痛」や「関連痛」に分類される。痛む部位を動かすと痛みが増強するのが「体性痛」、動かしても増強しないのが「関連痛」である。原因器官と離れた場所が痛む「関連痛」は神経解剖学的にデルマトームを理解すれば解釈は容易となる。これらの痛みの特徴に発症機転(突然、急性、慢性、発作性)や病状経過(増悪、横ばい、改善)を組み合わせて診断を絞り込む。また患者の言語化されない病歴(特定の受療行動など)を確認・分析することも診断の助けとなる。多くの具体的な症例の提示があり、実際の「痛み」の診断のプロセスについて理解を深めることができた。
講演4「糖尿病診療の課題 2016」
座長 糖尿病対策委員会 皆川冬樹委員
演者 横浜市立大学附属市民総合医療センター内分泌・糖尿病内科部長 山川正先生
健康寿命を短縮する糖尿病合併症として、細小血管障害(神経障害、網膜症、腎症)、大血管障害(冠動脈疾患、脳卒中、閉塞性動脈硬化症など)、その他(歯周病、足病変、手病変、認知症など)が知られているが、骨折も新たに追加された。コントロール目標値はHbA1c(%)で、血糖正常化を目指す際は6.0未満、合併症予防では7.0未満、治療強化困難な際は8.0未満であるが、高齢者の場合低血糖を回避するため、インスリン・SU薬使用時のHbA1cは65歳以上で6.5以上、75歳以上で7以上、認知症など合併例では7.5以上と下限が設けられた。食事療法では3大栄養素(糖質、脂質、蛋白質)の至適な比率は不明だが、糖質の摂りすぎは避けるべきである。野菜を先に食べ、米より先に肉や魚を食べると食後血糖が上昇しにくい。近年、糖尿病患者の血糖コントロールは改善傾向である一方体重は増加傾向にある。薬物療法にあたり、体重増加や低血糖を起こしにくい薬剤から使用すべきである。禁忌がなければメトホルミン、難しければDPP4阻害薬で開始し、必要ならば体重を増やしにくいGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬を追加することである。Sickdayの対応にも注意すること。
講演5「肝炎治療の最近の進歩」
座長 肝炎対策委員会 永井一毅幹事
演者 横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター准教授 中馬誠先生
C型肝炎の治療成績は直接作用型抗ウイルス薬(DAA:Direct Acting Antivirals)の登場により95~100%のウイルス学的著効を達成できるようになった。DAAの種類も増えており個々の薬剤の特性を見極めた上で適切な使用を心がけることである。DAA治療困難または難治となる点は、ウイルス側因子としてはDAAへの薬剤耐性、前治療無効例であり、ホスト側因子としては非代償性肝硬変(Child B,C)、高齢者、腎機能障害であり、薬剤側因子としては薬剤相互作用である。ウイルス駆除後の肝発癌の減少が期待されるが、DAA治療を受けた患者は高齢かつ肝線維化高度の症例が多く発癌のポテンシャルが高いため注意深いフォローアップが必要である。B型肝炎ではHBe抗原消失HBe抗体陽性化(SC:seroconversion)後の無症候性キャリアが本当に非活動かという問題がある。SCは決して臨床的治癒ではなく、SC後も肝炎の活動が続き線維化の進行や肝発癌をみる場合もある。日本肝臓学会のガイドラインによれば、1年以上の観察期間のうち3回以上の血液検査で(1)HBe抗原が持続陰性、(2)ALT持続正常(30以下)、(3)HBV-DNAが4Log未満を満たす場合に非活動性キャリアとみなす。画像所見や血小板減少により線維化の進展が疑われるときは肝生検による精査を行う。
前田愼先生の閉会の辞のあと同フロアのレストランに移動し、横浜内科学会会長小野容明先生の挨拶に続いて情報交換会が持たれ、美味しい料理を頂きながら終始なごやかな雰囲気のうちに会を終了しました。
【平成29年新春学術講演会予告】
平成29年新春学術講演会が平成29年1月19日(木)に、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて医薬品評価検討委員会および肝炎対策委員会の担当(共催Abbvie合同会社)で開催予定です。講演1は「これからのC型肝炎治療」について横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器内科教授 田中克明先生に、講演2はこれまで繰り返されてきた薬害事件をふまえ、医薬品によって患者の健康を損なわないため医療者として心がけるべきことについて、川崎北合同法律事務所弁護士 湯山 薫先生と清和総合法律事務所弁護士 服部功志先生にご講演いただきます。絶対に聞き逃せない講演になると思いますので、ぜひ多くの先生方のご参加をお願い申し上げます。
【第80回集談会予告】
第80回神奈川県内科医学会集談会が平成29年2月18日(土)午後3時からオークラフロンティアホテル海老名3Fラローズにて第5地区海老名内科医会(濱田芳郎先生)の担当で開催予定です。一般演題(発表6分、質疑2分)の講演のあと、午後5時過ぎより特別講演「腸内細菌と免疫」を慶応義塾大学医学部 微生物学・免疫学教室教授 本田賢也先生にご講演いただく予定となっています。
【平成29年度定時総会時学術講演会報告】
平成29年5月20日(土)午後に横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて、評議員会と定時総会が開催され、引き続き定時総会時学術講演会が行われます。「環境(公害)と医学~医師の観察の重要性~(仮)」について鈴鹿医療科学大学医療科学研究科長 葛原茂樹先生よりご講演をいただく予定です。
【おわりに】
平成27年度からは神奈川県内科医学会は宮川政昭新会長の下に新体制となり、今までの「学術Ⅰ部会」は「総務部会」と合流し「総務企画部会」として再スタートすることになりました。体制が変わっても今までの長い歴史のある講演会に新たな変更や発展を加えながら、4つの基本講演会を開催していきたいと思います。また神奈川県内科医学会が主管する第32回日本臨床内科医学会(平成30年9月)のための開催準備組織委員会も回を重ねるたびに、学会のより具体的な計画が着々と形成されています。この大きなイベントを成功させるためには、全会員のご支援・ご協力が不可欠です。今後とも、神奈川県内科医学会の講演会開催に、ご協力とご参加をお願い申し上げます。
神内ニュース77号 肝炎対策委員会 2016.11.27
肝炎対策委員会(委員長 岡 正直)
(1)平成29年新春学術講演会
平成29年1月19日(木)横浜ベイシェラトンH&Tにて
医薬品評価検討委員会と肝炎対策委員会合同で企画(共催Abbvie合同会社)
特別発言 中 佳一名誉会長
講演1「これからのC型肝炎治療」横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器内科教授 田中克明先生
講演2「医薬品で健康を害うことのない世界をつくるために」川崎北合同法律事務所 湯山 薫弁護士、清和総合法律事務所 服部功志弁護士
(2)肝臓病を考える病診連携の会~肝がん撲滅を目指して~
第25回 平成28年11月19日(土)17:20~相模原南メディカルセンター大会議室
担当 第5地区中野史郎先生 共催 ブリストルマイヤーズ
一般演題1「粘液産生胆管腫瘍の一例」相模原協同病院診療部 臨床研修医 河本千尋先生
一般演題2「巨大胃静脈瘤に対してNBCAにて逆行性塞栓術を施行した一例」北里大学医学部消化器内科学助教 中谷征己先生
特別講演「HCV根絶へのカウントダウン」北里大学医学部消化器内科学助教 魚嶋晴紀先生
(3)ウイルス肝炎患者掘り起こし事業
横浜内科学会肝疾患管理病診連携ガイド(永井一毅先生主導)により、データをさらに収集していく。
(4)肝疾患についての書籍の企画
神奈川県内科医学会50周年記念企画のひとつとして出版予定。第32回日本臨床内科医学会(平成30年9月15日~17日パシフィコ横浜)での配布をめざして執筆を開始した。
(1)平成29年新春学術講演会
平成29年1月19日(木)横浜ベイシェラトンH&Tにて
医薬品評価検討委員会と肝炎対策委員会合同で企画(共催Abbvie合同会社)
特別発言 中 佳一名誉会長
講演1「これからのC型肝炎治療」横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器内科教授 田中克明先生
講演2「医薬品で健康を害うことのない世界をつくるために」川崎北合同法律事務所 湯山 薫弁護士、清和総合法律事務所 服部功志弁護士
(2)肝臓病を考える病診連携の会~肝がん撲滅を目指して~
第25回 平成28年11月19日(土)17:20~相模原南メディカルセンター大会議室
担当 第5地区中野史郎先生 共催 ブリストルマイヤーズ
一般演題1「粘液産生胆管腫瘍の一例」相模原協同病院診療部 臨床研修医 河本千尋先生
一般演題2「巨大胃静脈瘤に対してNBCAにて逆行性塞栓術を施行した一例」北里大学医学部消化器内科学助教 中谷征己先生
特別講演「HCV根絶へのカウントダウン」北里大学医学部消化器内科学助教 魚嶋晴紀先生
(3)ウイルス肝炎患者掘り起こし事業
横浜内科学会肝疾患管理病診連携ガイド(永井一毅先生主導)により、データをさらに収集していく。
(4)肝疾患についての書籍の企画
神奈川県内科医学会50周年記念企画のひとつとして出版予定。第32回日本臨床内科医学会(平成30年9月15日~17日パシフィコ横浜)での配布をめざして執筆を開始した。
2016年11月25日金曜日
日臨内関東ブロック会議 神奈川県報告 2016.11.26
神奈川県内科医学会の報告 (宮川政昭会長)
神奈川県内科医学会は、11の委員会を有し、学術的な活動を行っています。
(委員長の名前は省略してよいと思います)
①糖尿病対策委員会 松葉 育郎
②肝炎対策委員会 岡 正直
③認知症対策委員会 渡部 廣行
④高血圧・腎疾患対策委員会 佐藤 和義
⑤呼吸器疾患対策委員会 西川 正憲
⑥禁煙・分煙推進委員会 長谷 章
⑦医薬品評価検討委員会 湯浅 章平
⑧在宅医療委員会 久保田 毅
⑨健康長寿社会を目指す委員会 中山 脩郎
⑩心臓血管病対策委員会 國島 友之
⑪メディカルコミュニケーション委員会 松澤 陽子
各委員会とも独自の臨床調査や臨床研究を行い学会に報告すると共に、他科との連携事業、県民向けの企画など、さまざまな活動を行っています。
1 糖尿病対策委員会
DPP-4阻害薬の通常診療下における単独療法及び、従来の糖尿病治療薬からの切替、併用療法における有効性と安全性に関する検討しています。またSGLT2に関しても、同様に通常診療下における有効性と安全性、さらに食事療法との関連についても詳細に検討しています。
2 肝炎対策委員会
「肝臓病を考える病診連携の会―肝癌撲滅を目指して」という講演会を県下で展開し、各地の医師と連携を図っております。
B型肝炎やC型肝炎に関する小冊子を作成し、適切な診療や治療に関する知識の普及を図っています。
3 認知症対策委員会
「認知症を考える神奈川の会」の開催し、毎回200名近い聴講者を得ています。また、認知症用語集作成を作成し、診診連携や病診連携が円滑になるよう支援しています。さらに、認知症クリニカル・カンファレンスを県下5地区で行い、認知症を的確に診断治療できるような人材育成に努めております。
4 高血圧・腎疾患対策委員会
神奈川における高血圧臨床実態断面調査を継時的に行い、そのデータを集積し、発表を続けています。K-CKDIによる非糖尿病患者におけるCKDの実態調査を行い、かかりつけ医に潜んでいる腎臓病の危険性に対し、警鐘を鳴らしております。
5 呼吸器疾患対策委員会
気管支喘息の治療管理に焦点をあてた「ぜんそく症状ゼロ プロジェクト」を県下で行っております。また、災害時の在宅酸素療法、在宅人工呼吸器使用患者への対応についての検討も行っています。さらに、ぜんそくカードと成人気管支喘息急性増悪初期診療の手引きを改定すると共に、神奈川県下喘息マップもHPから利用できるように作成しています。
6 禁煙・分煙推進委員会
禁煙治療の実践のためにさまざまな試みとして、「禁煙外来」の開設に対する具体的な取り組みから始まる「今日からできるミニマム禁煙医療」に続き、「禁煙の動機づけ面接法」を発刊しました。現在、更なる禁煙治療の支援法について、発信しています。
7 医薬品評価検討委員会
ジェネリック医薬品を国が推奨する状況にあって、医学的な見地からその正しい情報を伝えていく必要性が高まっているため、メーカーにヒアリングを行うなど活動しています。
8 在宅医療委員会
社会的役割の大きい在宅医療を、県医師会との連携を図りつつ、その担い手を増やすことと多職種連携を進めることを中心に活動しております。
9 健康長寿社会を目指す委員会
超高齢化社会を迎える中で、社会健康保持をテーマとした市民啓発事業や末期医療の在り方(死の受容)を考える講演等の活動を行っています。
10 心臓血管病対策委員会
県内の循環器診療の向上を目的に、「心房細動における抗凝固療法の有効性安全性実態調査」の実施、心筋梗塞、救急治療、閉塞性動脈硬化症、肺高血圧症などのテーマについて協議検討を行っております。
11メ ディカルコミュニケーション委員会
患者の多様な価値に基づく医療の時代となった現在、医療関係者一体となった医療を提供するため、医師を中心とした医療チームが総力戦で臨むことが肝要になっており、医師-患者関係のみならず、医療者間のより良いコミュニケーションを学んでいく活動をしております。
特に神奈川県内科医学会で重視しているのは、
(1)診診・病診・病病・医患・患患とあらゆる形態の医療連携のネットワークの充実
(2)様々な臨床研究や調査を通して、実地臨床医という一般性の中に専門性を確立する
(3)医療を通して、地域社会への公益を軸とする県民への活動の推進
(4)地区内科医会との双方向性の連携・分担活動の創造
(5)ICTによる会員相互ならびに県民に対する医療情報発信・広報活動機能の活用
となっております。
また、平成30年9月16日~17日に、第32回日本臨床内科医学会を開催することになっており、その準備委員会を2か月に一度開催しております。
今のところ「医識改革」というテーマが決まり、鋭意準備を進めているところです。
神奈川県内科医学会は、11の委員会を有し、学術的な活動を行っています。
(委員長の名前は省略してよいと思います)
①糖尿病対策委員会 松葉 育郎
②肝炎対策委員会 岡 正直
③認知症対策委員会 渡部 廣行
④高血圧・腎疾患対策委員会 佐藤 和義
⑤呼吸器疾患対策委員会 西川 正憲
⑥禁煙・分煙推進委員会 長谷 章
⑦医薬品評価検討委員会 湯浅 章平
⑧在宅医療委員会 久保田 毅
⑨健康長寿社会を目指す委員会 中山 脩郎
⑩心臓血管病対策委員会 國島 友之
⑪メディカルコミュニケーション委員会 松澤 陽子
各委員会とも独自の臨床調査や臨床研究を行い学会に報告すると共に、他科との連携事業、県民向けの企画など、さまざまな活動を行っています。
1 糖尿病対策委員会
DPP-4阻害薬の通常診療下における単独療法及び、従来の糖尿病治療薬からの切替、併用療法における有効性と安全性に関する検討しています。またSGLT2に関しても、同様に通常診療下における有効性と安全性、さらに食事療法との関連についても詳細に検討しています。
2 肝炎対策委員会
「肝臓病を考える病診連携の会―肝癌撲滅を目指して」という講演会を県下で展開し、各地の医師と連携を図っております。
B型肝炎やC型肝炎に関する小冊子を作成し、適切な診療や治療に関する知識の普及を図っています。
3 認知症対策委員会
「認知症を考える神奈川の会」の開催し、毎回200名近い聴講者を得ています。また、認知症用語集作成を作成し、診診連携や病診連携が円滑になるよう支援しています。さらに、認知症クリニカル・カンファレンスを県下5地区で行い、認知症を的確に診断治療できるような人材育成に努めております。
4 高血圧・腎疾患対策委員会
神奈川における高血圧臨床実態断面調査を継時的に行い、そのデータを集積し、発表を続けています。K-CKDIによる非糖尿病患者におけるCKDの実態調査を行い、かかりつけ医に潜んでいる腎臓病の危険性に対し、警鐘を鳴らしております。
5 呼吸器疾患対策委員会
気管支喘息の治療管理に焦点をあてた「ぜんそく症状ゼロ プロジェクト」を県下で行っております。また、災害時の在宅酸素療法、在宅人工呼吸器使用患者への対応についての検討も行っています。さらに、ぜんそくカードと成人気管支喘息急性増悪初期診療の手引きを改定すると共に、神奈川県下喘息マップもHPから利用できるように作成しています。
6 禁煙・分煙推進委員会
禁煙治療の実践のためにさまざまな試みとして、「禁煙外来」の開設に対する具体的な取り組みから始まる「今日からできるミニマム禁煙医療」に続き、「禁煙の動機づけ面接法」を発刊しました。現在、更なる禁煙治療の支援法について、発信しています。
7 医薬品評価検討委員会
ジェネリック医薬品を国が推奨する状況にあって、医学的な見地からその正しい情報を伝えていく必要性が高まっているため、メーカーにヒアリングを行うなど活動しています。
8 在宅医療委員会
社会的役割の大きい在宅医療を、県医師会との連携を図りつつ、その担い手を増やすことと多職種連携を進めることを中心に活動しております。
9 健康長寿社会を目指す委員会
超高齢化社会を迎える中で、社会健康保持をテーマとした市民啓発事業や末期医療の在り方(死の受容)を考える講演等の活動を行っています。
10 心臓血管病対策委員会
県内の循環器診療の向上を目的に、「心房細動における抗凝固療法の有効性安全性実態調査」の実施、心筋梗塞、救急治療、閉塞性動脈硬化症、肺高血圧症などのテーマについて協議検討を行っております。
11メ ディカルコミュニケーション委員会
患者の多様な価値に基づく医療の時代となった現在、医療関係者一体となった医療を提供するため、医師を中心とした医療チームが総力戦で臨むことが肝要になっており、医師-患者関係のみならず、医療者間のより良いコミュニケーションを学んでいく活動をしております。
特に神奈川県内科医学会で重視しているのは、
(1)診診・病診・病病・医患・患患とあらゆる形態の医療連携のネットワークの充実
(2)様々な臨床研究や調査を通して、実地臨床医という一般性の中に専門性を確立する
(3)医療を通して、地域社会への公益を軸とする県民への活動の推進
(4)地区内科医会との双方向性の連携・分担活動の創造
(5)ICTによる会員相互ならびに県民に対する医療情報発信・広報活動機能の活用
となっております。
また、平成30年9月16日~17日に、第32回日本臨床内科医学会を開催することになっており、その準備委員会を2か月に一度開催しております。
今のところ「医識改革」というテーマが決まり、鋭意準備を進めているところです。
2016年11月18日金曜日
神奈川肝炎対策委員会編集による肝疾患についての書籍の企画 2016.11.18
神奈川肝炎対策委員会編集による肝疾患についての書籍の企画
・神奈川県内科医学会50周年記念企画のひとつとして出版予定。
・第32回日本臨床内科医学会 平成30年9月15日(土)~17日(月祝)パシフィコ横浜での配布をめざして内容を検討していく。
・市販が可能な書籍をめざす。
・現在シリーズで刊行中の「これだけは知っておきたいC型・B型肝炎の知識」(平成27年改訂版は48ページ)の2倍程度の分量(約100ページ)で計画したい。
・実臨床でよく遭遇する肝疾患について、最先端の内容を盛り込みつつ、非専門の臨床医にもわかりやすく記載する。
書名「これだけは知っておきたい肝臓病の知識」(仮)
※執筆分担(案、敬称略)
テーマ
|
ページ数
|
執筆者
|
C型肝炎
|
15
|
多羅尾、藤井
|
B型肝炎
|
15
|
宮本、高山
|
NAFLD/NASH
|
10
|
斉藤
|
原発性胆汁性胆管炎(PBC)
|
10
|
永井
|
自己免疫性肝炎(AIH)
|
10
|
池田
|
薬剤性肝障害(DILI)
|
10
|
岡
|
肝不全
|
15
|
松本、小林
|
肝がん
|
15
|
中澤、中野
|
期限 平成29年4月24日(月)
(平成29年4月25日(火)に肝炎対策委員会開催あり)
2016年11月12日土曜日
神奈川県内科医学会 第5回肝炎対策委員会 議事録 2016.10.25
神奈川県内科医学会 第5回肝炎対策委員会
議事録
日時 平成28年10月25日(火)19:30~ 場所 神奈川県総合医療会館1階会議室A
1.開会
2.挨拶
3.議題
(1)平成29年新春学術講演会の企画(資料A)
平成29年1月19日(木)19:30~ 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて
平成29年1月19日(木)19:30~ 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて
医薬品評価検討委員会と肝炎対策委員会合同で企画 共催メーカー Abbvie合同会社
開会 宮川会長
特別発言 中 佳一名誉会長(変更あり、依頼すみ)
講演1 「これからのC型肝炎治療」 座長 岡委員長
講師
横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器内科教授 田中克明先生(依頼すみ)
講演2 未定(薬害肝炎訴訟に学ぶ
医薬品の適正使用のあり方について)座長 湯浅委員長
講師
川崎北合同法律事務所 湯山 薫 弁護士(依頼すみ)
講師
清和総合法律事務所 服部功志 弁護士(依頼すみ)
閉会 出川副会長
情報交換会
※講演2の打ち合わせ会 平成28年11月21日(月)19:45~ 神奈川県総合医療会館にて
湯山弁護士、服部弁護士
、宮川会長、湯浅、岡 出席予定
(2)肝臓病を考える病診連携の会~肝がん撲滅を目指して~の進捗
(2-1)第24回 平成28年6月11日(土)
会場 平塚プレジール 〒254-0811 神奈川県平塚市八重咲町 3-8(JR東海道線平塚駅南口 徒歩1分)
会場 平塚プレジール 〒254-0811 神奈川県平塚市八重咲町 3-8(JR東海道線平塚駅南口 徒歩1分)
担当 第4地区 高山医院 高山秀明 先生 共催:EAファーマ
▶一般演題1「DAA治療後のフォローアップの重要性」
▶一般演題1「DAA治療後のフォローアップの重要性」
平塚市民病院消化器内科部長 坂口隆先生
▶一般演題2「ソラフェニブにて巨大シャントが消褪しTACEが可能となった症例」
藤沢市民病院消化器内科 露木翔先生
▶特別講演「C型慢性肝炎の過去から未来」(演者交代)
東海大学医学部内科学系消化器内科学准教授
肝疾患医療センター長 加川 建弘 先生 (かがわ たてひろ)
(2-2)第25回 平成28年11月19日(土)17:20~ (資料B)
会場 相模原南メディカルセンター大会議室 〒232-0303相模原市南区相模大野4-4-1グリーンホール相模大野内
担当 第5地区 中野史郎 先生 共催:ブリストルマイヤーズ
一般演題座長 相模原医師会 沓掛伸二 先生
▶一般演題1「粘液産生胆管腫瘍の一例」
相模原協同病院診療部 臨床研修医 河本千尋 先生
▶一般演題2「巨大胃静脈瘤に対してNBCAにて逆行性塞栓術を施行した一例」
北里大学医学部 消化器内科学 助教 中谷征己 先生
▶特別講演
座長 北里大学医学部消化器内科学講師 日高 央 先生 (ひだか ひさし)
「HCV根絶へのカウントダウン」
北里大学医学部 消化器内科学助教 魚嶋晴紀 先生
(2-3)第26回 平成29年6月17日または24日(土曜日)
会場 TKPガーデンシティ横浜 横浜市神奈川区金港町3-1コンカード横浜 TEL045-450-6317
担当 第1地区 岡 正直 共催 MSD
▶一般演題
(仮)「横浜内科学会肝疾患管理病診連携ガイドのデータ解析」 永井一毅 先生
(仮)「社員健診での肝機能障害への対応(産業医の立場から)」 今井鉄平 先生
▶特別講演 未定
(2-4)第27回 平成29年秋
会場 未定 担当 第2地区 小林明文先生 共催 大日本住友製薬?
※大日本住友製薬の加入あり(NASH治療薬オベチコール酸製剤の発売予定あり)
共催メーカは4社(MSD、EAファーマ、ブリストルマイヤーズ、大日本住友)となった。
案内に社名を載せないでほしいとの希望あり(MSD)
※カラー印刷のパンフレットをカラーコピーに変更しコスト圧縮をはかった。
※第29回 平成30年秋の開催はどうするか? 第32回日本臨床内科医学会(9月神奈川)に合流するか?
(3)ウイルス肝炎患者掘り起こし事業
(5-1)横浜内科学会肝疾患管理病診連携ガイド(永井一毅先生主導)データをさらに収集していく
(5-2)市民公開講座 積極的に開催を企画する(新聞社との協賛も考慮する)12月、聖マリ医大にて企画あり
(5-1)横浜内科学会肝疾患管理病診連携ガイド(永井一毅先生主導)データをさらに収集していく
(5-2)市民公開講座 積極的に開催を企画する(新聞社との協賛も考慮する)12月、聖マリ医大にて企画あり
(4)肝炎対策委員会編集による肝疾患についての書籍の企画
神奈川県内科医学会50周年記念企画のひとつとして出版予定。
神奈川県内科医学会50周年記念企画のひとつとして出版予定。
第32回日本臨床内科医学会 平成30年9月15日(土)~17日(月祝)パシフィコ横浜
での配布をめざして内容を検討していく。
市販が可能な書籍をめざす。
現在シリーズで刊行中の「これだけは知っておきたいC型・B型肝炎の知識」の2倍程度の分量で計画したい。
実臨床でよく遭遇する肝疾患について、最先端の内容を盛り込みつつ、非専門の臨床医にわかりやすく記載する。
書名「これだけは知っておきたい肝臓病の知識」(仮)
※執筆分担(案、敬称略)
C型肝炎 多羅尾、藤井
B型肝炎 宮本、高山
NAFLD/NASH 斉藤
原発性胆汁性胆管炎(PBC) 永井
自己免疫性肝炎(AIH) 池田
薬剤性肝障害(DILI) 岡
肝不全 松本、小林
肝がん 中澤、中野
(5)その他
4.次回開催 平成29年 4月 25日 ( 火 ) 19:30~
(資料A)
湯山薫弁護士、服部功志弁護士による講演の企画
(平成27年12月1日 火 第3回肝炎対策委員会議事録より)
最初に中山名誉会長より、両弁護士の紹介と講演会の企画についての趣旨について説明あり、つづいて、湯山・服部両弁護士より講演の企画内容についてお話があった。
「薬害C型肝炎(フィブリノゲン製剤の使用による)事件とその被害者の救済活動のかたわら今後、どのようにして薬害の再発を防いでいくかという活動に取り組んでいる。そのために医師に求められていることは何かということを伝える機会が得られればうれしい」
※単に肝炎対策の範囲にとどまらず、幅広く薬害の実態について知り、今後不幸な患者を生み出さないために、われわれ医師が知っておかなければならないことを学ぶよい機会ではないかと感じた。講演の企画内容も豊富で十分な講演時間を取る必要があると思われた。そのためには肝炎対策委員会のみでなく、たとえば医薬品評価検討委員会などと協働して、より神奈川県内科医学会の本体に近い位置で講演会が企画されることが望ましいと思われる。
湯山 薫 弁護士 |
服部功志 弁護士 |
s35 東京生まれ s58 慶応大学法学部卒 s58~h12 株式会社マクニカ勤務 h17 司法研修所入所(第60期司法修習生) h19 弁護士登録 日弁連 両性平等委員会委員 両性平等部会委員 横浜弁護士会刑事弁護センター運営委員会委員 自由法曹団女性部事務局長 薬害肝炎東京弁護団神奈川支部事務局長 日弁連 国内人権機関実現委員会委員 川崎市男女共同参画センター運営委員会委員 横浜弁護士会川崎支部執行部幹事 |
s51 神奈川県生まれ h12 明治大学法学部卒 h18 明治大学大学院法務研究科法務専攻(法科大学院) 専門職学位課程修了 h19 司法研修所入所(第61期司法修習生) h20 弁護士登録(東京弁護士会) すずかけ法律事務所入所 h27 横浜弁護士会へ登録換え 清和総合法律事務所設立 |
(資料B)
第25回「肝臓病を考える病診連携の会」 第101回さがみリバーカンファレンス
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