2017年10月24日火曜日

神奈川県医師会報 分科会だより 神奈川県内科医学会

神奈川県医師会報 分科会だより 神奈川県内科医学会
 神奈川県内科医学会(http://kanagawamed.org)の創設は1967年2月19日で、神奈川医学会の最大の分科会です。宮川政昭会長のもとで活発に活動しています。(以下敬称略)
1.総務部会(部会長 岡 正直)
 当医学会の活動方針決定や多岐にわたる管理運営を行う中枢の部会であり、4つの基本集会のマネジメントも行なっています。
1-1.定時総会および定時総会時学術講演会(5月)
 定時総会では、年度ごとの当医学会活動の総括と新年度の活動方針決定、会員の表彰、事業委員会報告などを行ないます。その後の学術講演会では最新の興味深い話題について医学・医療にとどまらず幅広くテーマを取り上げて講演を企画しています。
1-2.臨床医学研修講座(9月)
 当会員と大学との連携による生涯教育の機会の充実を目指し、県下4大学(横浜市立大学、北里大学、聖マリアンナ医科大学、東海大学)回り持ちで開催します。
1-3.新年学術大会(1月)
 この講演会では関連する2題の講演により、テーマについて深い理解が得られます。
1-4.集談会(2月)
 日常診療を中心に地域内科医会相互の理解・連携に通じる発表の場として、県下5地区を回って開催します。
2.企画部会(部会長 國島友之)
 当会が時代の変化に対応し発展していくためには、今まで続いてきた事業に絶えず新しい試みを加え、また今までなかった新しい事業を創出していく必要があります。そのために、このたび企画部会が新しく発足しました。
3.学術部会(部会長 松葉育郎)
 12の事業委員会を紹介します。
3-1.糖尿病対策委員会(委員長 松葉育郎)
3-2.肝炎対策委員会(委員長 岡 正直)
3-3.認知症対策委員会(委員長 渡部廣行)
3-4.高血圧・腎疾患対策委員会(委員長 佐藤和義)
3-5.呼吸器疾患対策委員会(委員長 西川正憲)
3-6.禁煙推進委員会(委員長 長谷 章)
3-7.医薬品評価検討委員会(委員長 湯浅章平)
3-8.在宅医療委員会(委員長 久保田 毅)
3-9.健康長寿社会を目指す委員会(委員長 中 佳一)
3-10.心臓血管病対策委員会(委員長 國島友之)
3-11.メディカルコミュニケーション委員会(委員長 松澤陽子)
3-12.リウマチ膠原病対策委員会(委員長 山田秀裕)
4.情報広報部会(部会長 宮島真之)
 神内医ニュースを年2回発行、神奈川県内科医学会会報年1回発行、WEB会議の推進、創立50周年記念誌の編纂
5.保険制度部会(部会長 小林明文)
 次期診療報酬改定に向けての要望、保険診療研究会の開催、小冊子の発行
6.財務部会(部会長 井野元 勤)
 当医学会の活動の基盤となる資金のマネジメントを行う会計の部会
 平成29年(2017年)に当医学会は創立50周年を迎えました。平成30年(2018年)9月16日と17日にパシフィコ横浜を会場として、第32回日本臨床内科医学会を当医学会が主管で行います。テーマは「医識改革」です。学会の成功を目指して総力を結集していきたいと思います。
  (文責 神奈川県内科医学会総務部会長 岡 正直)

2017年10月16日月曜日

お知らせ 平成30年1月18日(木)新春学術講演会

平成30118日(木)午後715分より、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて新春学術講演会が開催されます。今回は高血圧・腎疾患対策委員会の担当で、2つのご講演をいただく予定です。講演1「慢性腎臓病合併2型糖尿病症例におけるSGLT2阻害薬投与の影響」(仮)を神奈川県内科医学会高血圧・腎疾患対策委員会小林一雄先生にご講演いただきました後に、講演2「日本人の高血圧の成因と最適治療法の研究」慶應義塾大学名誉教授・日本臨床内科医会会長 猿田享男先生にご講演いただく予定です。講演会終了後に情報交換会も予定されています。新春学術講演会は、最新のテーマについて深い理解が得られるまたとない貴重なチャンスです。平成309月には神奈川県内科医学会が主管する第32回日本臨床内科医学会も控えております。この機会にぜひ多くの先生方のご参加をお待ちしております。

第2回情報システム事業部会 2017.09.26

2回情報システム事業部会

日 時:平成29926()午後730分  会 場:横浜市医師会会議室

  水 野 恭 一(会長)   武 安 宣 明(副会長) 根 上 茂 治(常任理事) 椋 本 茂 裕(青葉)
  伊 藤 邦 泰(旭)    齊 藤   稔(泉)   岡 澤 ひろみ(磯子)    神 戸 博 紀(神奈川)
  角 田 誠 之(金沢)   岡   正 直(港南)    片 山   敦(港北)    水 口 一 郎(栄)
  伊勢ノ海 一之(瀬谷)  東   浩 平(都筑)   宮 川 具 巳(鶴見) []柴 田 利 満(戸塚)
  室 橋 洋 子(中)     宮 﨑 喜 寛(西) 林  泰 広(保土谷)   谷田部 博 嗣(緑)
   林     毅(南) 根 本 明 宜(大学)

会長あいさつ

議 題
1.第6回横浜市ICTを活用した地域医療連携ネットワーク研究会報告(資料 1
ネットワークツールの3つのカテゴリーについて議論された。
(1)情報共有のための他職種連携ツール
(2)病診連携ツール(紹介状とそれに対する返事を電子化したもの)
(3)Personal health record(患者個人の医療情報をどう管理するか)
(3)については法律の整備による強制力が必要となる。

2.ICTを活用した地域医療連携ネットワーク推進モデル事業の募集について(資料2)
3.情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について(資料3)
  【議案上程の目的】
本通知について部員各位と情報を共有し、係る通知の内容を確認して後、
各区医師会長宛に会員への周知を依頼するため。

●8/10県医師会長より
●8.14県医師会長より(日本医師会の要約)
●8.14横浜市福祉局長より(厚労省医政局長通知は割愛)
  
4.横浜市医師会による区医師会IT研修経費補助事業の見直しについて(資料4
  参考)平成28年度通知
実施実績があれば領収書不要に
飲食、機器、ソフト代金にも充てられるように
現在の規定を緩和する方向に変更

5.その他
メディカル会計力リーダー養成講座(e-learning
日医関係者 3万円、 その他 6万円

無料派遣講師を情報システム部会講演会(12月19日火)にお願いする予定
前回と同じく、内嶋順一氏に講演していただく。

 移動部会の開催について
   日時:平成291128日(火)午後730分~  会場:インターコンチネンタルホテル30F「カールトン」

【資料1】
6回横浜市ICTを活用した地域医療連携ネットワーク研究会

【資料2】


(資料3





(資料4IT研修経費補助について
 《目的》
会員(会員医療機関)へのIT化推進を目的とし、区医師会が所属会員を対象に実施したパソコン研修会、
日レセ講習会、会員相互の情報伝達の電子化、医療情報の電子化などの研修に対して経費補助を行う。
 《補助対象経費》
補助の対象となる経費は区医師会が主催したIT化推進に係る研修会経費(会場費、受講料、テキスト代、講師謝金、
通信運搬費、機器借り上げ料等)とする。
飲食や機器・ソフト購入に係る経費は対象外。
 《補助額》
補助額は、各区補助対象経費について1区当たり100,000円を限度として交付し、研修会経費が100,000円を超えた
場合の差額は切り捨てる。
 《補助金の交付方法》
補助金は、区医師会指定の口座に5月末までに振込むものとする。
 《実施報告》

区医師会は、「IT研修補助に係る報告書」(参加者名簿、領収書コピー添付)を期日までに提出する。

2017年10月12日木曜日

笑いと医学

第31回日本臨床内科医学会 教育講演 12 2017.10.9
笑いと医学
福島県立医科大学医学部 疫学講座 主任教授 大平 哲也

笑いが心や身体によいことは経験的に知られていたが,その疾病・健康との関連についての科学的根拠は希薄だった。近年笑いに関するエビデンスが報告されるようになり,その医学的効果が注目されている。「笑い」とはユーモアに対する身体的な反応であり、身体動作と発声を伴うものとされる。男と女では女の方がややよく笑い、笑う人の平均寿命は少し長い。収入が多いと笑いが多い。若い人の方がよく笑い、年齢を重ねるにつれ笑いが少なくなる。笑うためには高度の認知機能が必要なため、笑いの低下は認知症発症の予測因子になりうる。笑いは痛みを軽減させ、免疫力の向上やアレルギー反応の抑制効果もある。さらに血糖降下作用に、冠動脈疾患を防ぐ働きなど笑いの効能は尽きることがない。笑いを増やすためには、夫婦円満で人と接する機会を多く持つことが有効だが、どうしても笑えない人はどうすればよいのだろうか?ここに「笑いのヨガ」を提案したい。笑いのヨガとは笑いを体操化したものである。おかしいから笑うのは確かだが、笑うからおかしくなるのも真実である。座学はここまでで、会場の聴衆も一緒になり、手を振り大声をあげ、笑いのヨガに興じた。(記 岡 正直)

2017年10月10日火曜日

職場における禁煙の推進方策

第31回日本臨床内科医学会 産業医学研修会 4 2017.10.9
職場における禁煙の推進方策
大阪国際がんセンター がん対策センター 疫学統計部 副部長
田淵 貴大

わが国では喫煙により年間約13万人、受動喫煙により年間約1 万5千人が死亡していると推定される。タバコを吸う人も、その煙を吸わされている人もタバコの被害者であることに変わりはなく、加害者はタバコ産業である。タバコ産業は人類の敵といっても過言ではないという。アメリカではタバコ産業は健康被害に対して42兆円の賠償金の支払いを命じられており、海外でも多くのタバコを販売しているJTもいつ訴えられても不思議ではない。JT株の多くを保有する日本政府も人類の敵とみなされるだろう。日本でのタバコの税収は2兆2400億円だが、タバコによる損害は労働力の損失、医療費の増大や火災など4兆円を超えているとのことである。受動喫煙は喫煙者による「他者危害」である。誰にも他人に危害を加える権利などないにもかかわらず、2010年に神奈川県,2013年に兵庫県で受動喫煙防止条例が施行された現在でも,いまだ多くの労働者が、タバコの煙が充満する屋内で働き、食事し、生活している。例えば,わずか3 人が喫煙する室内はPM2.5濃度が600 mg/立方m になり、緊急事態と考えられる500を超えてしまうのである。職場の全面禁煙を達成するためには、まず自分自身が全面禁煙の重要性を理解し、職場のトップに理解を得、職場のみんなに重要性を理解させ、職場内で対立せず協調しつつ、外部の専門家とも協働して進めることである。全面禁煙が達成できた後も職場の全面禁煙の効果を評価し、全面禁煙に対する妨害や脅威を退ける努力が必要である。タバコ対策の三本柱は優先順に(1)日本の安すぎるタバコ価格を見直し、増税を含むタバコの値上げ(2)意味をなさない分煙ではなく、職場や家庭などを含む全ての空間の禁煙(3)日本では行われていないTVのCMなどによる強力な脱タバコキャンペーンである。人は論理的で正しいというだけでは、なかなか行動の変容を起こさないため、人のこころや感情に訴えかけることも重要である。(記 岡 正直)

認知症の薬物療法,非薬物療法,新たな非薬物療法(里山療法)の効果:治療開始 1年以上の経過例について

第31回日本臨床内科医学会 ポスターP8-1 2017.10.8
認知症の薬物療法,非薬物療法,新たな非薬物療法(里山療法)の効果:治療開始 1年以上の経過例について
医療法人わかば会俵町浜野病院
○浜野 裕,浜野 敦子,望月 重雄, 前川 和也,山田 栞里,西 正昭

認知症治療薬の効果は投与後1年を過ぎると減弱し、その後は悪化していくことが知られているが、薬物療法やそれに通所リハを加えた治療を行うことで自然経過例に比べ悪化が有意に抑えられたという。さらに非薬物療法の中でも次に述べる「里山療法」を行うとMMSEの成績はむしろ改善し、薬物療法だけの場合やそれに通所リハ活動も行った場合に比べ、その改善は明らかだったとの発表は大変興味深いものだった。里山療法とは作物を育て、観察し、収穫する「園芸療法」と、無理なく、楽しく歩く運動療法である「森林療法」をくみ合わせたものである。有料老人ホームに併設された、美しい里山を想起する1000坪の庭に畑や棚田を点在させ、そこで園芸活動を行うのだが、畑は庭の各所に分散しているため、必然的に日々庭を回遊散策することになる。里山のような庭を眺めながら、楽しく苦にならないように一周約500mから700mを歩くことになるという。また作物の生育を観察し計測し、観察日記に記録し、作物の数の計算を日々行うことにも意義がある。里山療法は、薬物療法の効果を高める、より効果的な非薬物療法であり、作物を収穫する喜び、それを調理して食べる楽しみを仲間と共有できることで、高齢認知症患者の生きがい感の創出に役立つと共感した。発表後、都市部で里山療法が可能かとの質問に対し、屋上庭園などを活用するといった工夫ができるのではないかとの示唆があった。(記 岡 正直)


子宮頸がん予防ワクチン 〜副反応報道と積極的な接種勧奨の差し控えが もたらしたもの〜

第31回日本臨床内科医学会 教育講演5 2017.10.8
子宮頸がん予防ワクチン 〜副反応報道と積極的な接種勧奨の差し控えが もたらしたもの〜
大阪大学大学院医学系研究科 産科学婦人科学 学部内講師
上田 豊

先進国中わが国だけが20~30代女性の子宮頸がんとその前がん病変が急増している。HPVに感染すると前がん病変を経て発癌に至る。原因ウイルスはHPV-16/18が主体で、ワクチンによる予防が可能である。わが国の若年女性の検診受診率は極めて低いため、予防ワクチンへの期待は大きく、2010年度からHPVワクチンの公費助成が始まり接種率は約7 割だったが,副反応とされる症状がマスメディアで繰り返し報道されたため,2013年から定期接種となったにも関わらず同年厚労省の積極的勧奨の一時中止が発表され,現在まで続いている。これは日本だけの特異な状況であり、これにより対象年齢の女子の接種はほぼ停止となり,2000年生まれを境に接種状況が大きく異なることとなった。これまでの調査研究によれば「重篤副反応」は0.007%に過ぎず、その多くは認知行動療法により改善している。ワクチン接種による、発癌リスクの高いHPV-16 /18の感染予防効果も明らかとなってきた。非接種者のリスクは高く、一刻も早い厚労省によるワクチン接種の積極的勧奨の再開が望まれる。アンケート調査によれば、積極的勧奨再開後も接種率の伸び悩みが予想されるため、接種の安心感、利得感、「みんな」感を高める工夫が必要で、臨床内科医の働きかけが重要だと感じた。(記 岡 正直)