2012年11月28日水曜日

第10回 情報システム事業部会


10回 情報システム事業部会

日 時:平成241127日(火) 午後730分 会 場:横浜市医師会会議室



 議 題


1) 平成25年度 情報システム事業部会事業計画(案)について (資料1


) ORCA説明会について  (資料2


3) 平成24年度 日本医師会医療情報システム協議会の開催について (資料3


    日時:平成25年2月9日(土)14時~・10日(日)9時~ ・ 会場:日本医師会館 大講堂


4) 医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページ
ガイドライン)について (資料4


5) その他


 次回部会の日程について
 ・第11回情報システム事業部会
   日時:平成25年1月22日(火) 午後7時30分~ 会場:横浜市医師会会議室


 ・平成24年度  横浜市医師会各部会・委員会合同懇談会
   日時:平成24年12月4日(火)、午後7時~ 会場:ホテルキャメロットジャパン 5F   講演:神経難病克服へ向けたトランスレーショナルリサーチ
       -運動ニューロン疾患の治療法開発(実験室からベッドサイドへ)- 
   公立大学法人横浜市立大学大学院医学研究科神経内科学・脳卒中医学教授 田中章景先生


資料No.1《情報システム事業部》

平成25 年度(案)
平成24 年度
1 会員へのインターネット普及・啓発並びに文書等の電子配信の推進
2 横浜市医師会ネットワーク事業の検討
3 ホームページの運用・管理の充実
4 会員向けの情報提供・共有・交換等のサービスの充実
ORCA(日医標準レセプトソフト)への対応と普及
6 医師会業務のシステム化の推進
7 日医・県医・他都市医師会並びに区医師会との連携の推進
8 災害時における対応の検討
9 レセプト請求システムへの対応
1 会員へのインターネット普及・啓発並びに文書等の電子配信の推進
2 横浜市医師会ネットワーク事業の検討
3 ホームページの運用・管理の充実
4 会員向けの情報提供・共有・交換等のサービスの充実
ORCA(日医標準レセプトソフト)への対応と普及
6 医師会業務のシステム化の推進
7 日医・県医・他都市医師会並びに区医師会との連携の推進
8 災害時における対応の検討
9 レセプト請求システムへの対応


資料No.2

横浜市医師会日医標準レセプトソフト(ORCA)説明会() (日レセ連動電子カルテ展示説明会)

プログラム

日時:平成25年3月26日(火)午後7時30分から(展示会は、午後6時30分から午後9時00分)

会場:横浜市健康福祉総合センター6F(展示会場:6F 横浜市医師会フロア)

司会:横浜市医師会常任理事 根上 茂治

1830 受付開始

1930 開始予定

講演Ⅰ:「ORCAの現状~レセプト作成のトピックス~(仮)」

日医総研 主任研究員 秋元 宏 氏(25分)

講演Ⅱ:「ORCA 連動電子カルテのメリットと今後の展望(仮)」(25分)

演者案

案1:日医総研 主任研究員 秋元 宏 氏

案2:メディキャスト株式会社 メディプラザ

案3:認定サポート業者3社位(ORCA 連動電子カルテ取扱業者) (25分)

質疑応答(10分)

展示説明会(午後6時30分~午後9時00分)場所:6F 横浜市医師会フロア

出展事業所(昨年出展会社) [サンシステム 三栄メディシス IDK システムロード シィ・エム・エス]


資料No.3

平成24年度 日本医師会医療情報システム協議会

メインテーマITで紡ぐ医療連携

29() 総合司会:石川 広己(日本医師会常任理事)

14:0014:15  開会挨拶  横倉 義武(日本医師会長)

大講堂          嘉数 研二(運営委員会委員長/宮城県医師会長)

14:1516:00大講堂
1-1シンポジウムI
1-2 パネルディスカッション
医師会事務局セッション「医師会データの保存管理の在り方について」
1-2パネルディスカッション
座長(運営委員):足立委員、登米委員
16:0018:00大講堂
1-3 シンポジウムII
1-4質疑応答
ORCAと認証局」
座長(運営委員):川出委員、飛岡委員
18:0019:30小講堂
懇親会(3F小講堂・ホール)



210() 総合司会:石川 広己(日本医師会常任理事)

09:0011:00大講堂
2-1シンポジウムIII
2-2パネルディスカッション
「レセプトデータの行方」
座長(運営委員):牛尾委員、遠藤委員
11:0012:00大講堂
2-3シンポジウムIV 特別講演
2-4質疑応答
「医療連携について」
座長(運営委員)大橋委員、佐伯委員、藤田委員
12:0013:001F喫茶
昼食(1F喫茶)

13:0016:00大講堂
2-5シンポジウムIV事例報告
2-6フリーディスカッション
「医療連携について(続き)
16:00 大講堂
次期担当県挨拶
閉会挨拶
川島 龍一(兵庫県県医師会長)

212日・13日1階ロビー 日医認証局及びその関連ORCA連携機器の展示(予定)


資料No.4

医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドラインについて

 本件は、インターネット上の医療機関のホームページについては、医療広告ガイドラインにより、原則として広告とはみなさないこととなっておりまが、他方で、美容医療サービス等の自由診療を行う医療機関について、例えば、ホームページに掲載されている治療内容や費用と受診時における医療機関からの説明・対応とが異なるなど、ホームページに掲載されている情報を契機として発生するトラブルに対して、適切な対応が求められる事態が生じています。この度、ホームページの内容の適切なあり方に関して、別添のとおり指針が定められました。

2012年11月25日日曜日

学会の動き(神奈川県内科医学会の動向)神内医ニュース69号


学会の動き(神奈川県内科医学会の動向)神内医ニュース69号 学術1部会部会長 岡 正直

 神奈川県内科医学会学術1部会が企画担当している講演会は、定時総会時学術講演会、臨床医学研修講座、秋季学術大会、新年学術大会そして集談会の5つです。

【第37回臨床医学研修講座報告】
  第37回臨床医学研修講座が2012年10月20日(土)14:10-18:10に横浜市立大学医学部市民総合医療センター(横浜市営地下鉄坂東橋駅最寄)本館6階会議室にて横浜市立大学と横浜内科学会の主管で開催されました。講演に先立って13:30より高度救命センターと心臓血管センターの院内見学が数名の希望者に対して行われました。横浜内科学会会長でもある宮川政昭副会長による開会の辞、中佳一会長による開会の挨拶のあと、2部に分かれた講演会が横浜市立大学医学部市民総合医療センター総合診療科の長谷川修先生の総合司会の下に開始されました。「市民医療向上への取り組み」のテーマに沿って行われた6つの講演について簡単に内容を紹介します。
 講演1「横浜市、神奈川県における広域の視点からみた小児医療の展開」横浜市立大学 医学部長 横田俊平先生(座長 横浜内科学会幹事 松浦秀光先生)
 約10年前、横浜の小児医療は崩壊の淵にあり、小児科医は疲弊していた。そこで横浜地域全体で小児医療を推進することとし、7つの小児拠点病院体制と15名の小児科医で救急医療をまかない、周産期医療を受け入れるまでに成長した。小児医療の集約化とネットワーク化は、2009年の新型インフルエンザ流行時にも威力を発揮し、災害医療においても効果的であることがわかった。社会の超高齢化が進む現在、小児科だけでなく、高齢者の介護・医療についても地域医療と拠点病院の連携を進め、推進役となる総合診療医の研修制度を整えることが課題である。
 講演2「胸痛の心電図診断 コツと落とし穴」横浜市立大学付属市民総合医療センター心臓血管センター 小菅雅美先生(座長 横浜内科学会幹事 悦田浩邦先生)
 ST上昇型急性心筋梗塞は発症早期に心事故を起こしうるため、早期に診断し、治療開始が必要である。再灌流療法のよい適応である急性期には心筋障害の生化学的マーカーが上昇していないことも多く、採血結果を待たず、症状と心電図所見から診断することが重要である。初回心電図で明らかでない場合でも、以前の心電図と見比べたり、時間が少し経ってから心電図を取り直して比較したりすることは有効である。具体的な症例とともに、心電図の読み方のコツと陥りやすい落とし穴について言及した。
 講演3「糖尿病の基礎知識と診療の実際」横浜市立大学内分泌・糖尿病内科 寺内康夫先生(座長 横浜内科学会幹事 織田美雪先生)
 近年わが国で2型糖尿病が急増しているのは、遺伝的にインスリン分泌能が低い日本人が高脂肪食や身体活動低下により、軽度の肥満であっても耐糖能異常をきたしやすいからであり、内臓肥満や脂肪肝にもなりやすいことがわかってきた。その病態としてインスリン抵抗性とインスリン分泌低下の両者が重要である。抵抗性は発症前から徐々に増悪し、発症後は横ばいであるのに対し、分泌低下は境界型の段階から進行し、発症後も経時的に低下するという病態に応じた経口血糖降下薬治療を行うことである。また糖尿病合併症として、様々な癌の発生が増加することも分かってきている。
 講演4「肺の生活習慣病、COPDの早期診断に向けて」横浜市立大学付属市民総合医療センター呼吸器病センター 金子猛先生(座長 横浜内科学会幹事 岩間博士先生)
 COPDはタバコの長期吸入による肺の炎症性疾患つまり肺の生活習慣病である。日本でも40歳以上の8.6%(約530万人)が罹患している可能性があるが、診断されているのは約1割に過ぎない。発症していても病識が乏しく、かなり進行しないと医療機関を受診しない。高血圧や脂質異常症や糖尿病などで通院中の患者の中にも未診断のCOPDが潜んでいるかもしれない。またCOPDは肺に限局した疾患でなく、炎症の波及により体重・筋力低下、心血管疾患、骨粗しょう症、抑うつなどもおこす全身性疾患であるため「40歳以上喫煙歴20年以上」を目安に呼吸機能検査を広く実施し、早く診断し禁煙・薬物治療を行うことが重要である。
 講演5「クリニックにおける急変対応と救急蘇生」横浜市立大学付属市民総合医療センター高度救命救急センター 中村京太先生(座長 横浜内科学会幹事 松丸克彦先生)
 クリニックでの急変は多くはないが、発生すると時に致死的であり、組織的リスク管理が必要である。起こりうる事故を「予測」し、緊急時対応を人(スタッフィング、指揮体制)物(防護と処置の資材)場所(処置スペース)通信(院内スタッフ、119、病院)処置(手順)につき予め策定しておく。さまざまな背景の市民があらゆる傷病者に対応できる1次救命処置(BLS)でアプローチをする。無反応無呼吸の傷病者には、まず胸骨圧迫から心肺蘇生(CPR)を開始し、2次救命処置(ALS)においても質の高い胸骨圧迫が重要である。また除細動の遅れも生存率が低下するので、早期にAEDを行い、AEDとCPRを並行すること。横浜市消防局のデータにより、クリニックからの転院搬送の現状と課題についても言及した。
 講演6「増える、腸の現代病!炎症性腸疾患の基礎知識から最新治療まで」横浜市立大学付属市民総合医療センターIBDセンター 国崎玲子先生(座長 横浜内科学会幹事 笹沼俊文先生)
 潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が近年若年者を中心に世界的に急増している。神奈川県はとくに患者数が多く、2007年に内科・外科が協力して専門診療に当たる炎症性腸疾患(IBD)センターが設立された。原因不明だが発症には何らかの免疫異常が関与するものと推測される。下痢、腹痛、血便などの症状を繰り返し生涯にわたり治療を要する。皮膚や関節症状など腸管外症状で複数科を受診することもある。治療は抗炎症剤、免疫調整薬、食事療法、血球成分除去療法、内視鏡的治療から手術まであり、患者の病状などに合わせ、適切に判断し組み合わせて行う必要がある。
 82名の参加者が熱心に聴講し、活発な質疑応答がなされました。会の終わりに横浜市立大学医学部市民総合医療センター地域連携担当の山岡富美香係長の挨拶、宮川政昭副会長の閉会の辞をいただきました。講演終了後、病院向かいの浦舟複合施設12階アーク横浜にて意見交換会を行い、盛会のうちに終了しました。

【平成24年度秋季学術大会報告】
  平成24年度神奈川県内科医学会秋季学術大会が、平成24年11月17日(土)14時30分より川崎日航ホテル8階にて、第2地区川崎内科医会の主管(大会長 鶴谷孝先生)で開催されました。
  神奈川県内科医学会社会公益部会事業委員会より、「神奈川禁煙分煙推進委員会」長谷 章委員長、「ジェネリック問題対策委員会」北田 守委員長、「在宅医療委員会」久保田 毅委員長の活動報告のあと、第75回集談会優秀演題の表彰と講演が行われました。今回は、林医院の林正博先生「脂質異常症におけるイコサペント酸/アラキドン酸(EPA/AA)の検討-頚動脈エコーへの影響-」と、内科クリニックこばやしの小林一雄先生「SU薬高用量でコントロール不良な糖尿病患者における、DPPⅣ阻害薬併用前後のグルカゴン・インスリン値についての検討」が選出されました。簡単に講演内容をご紹介します。
 「脂質異常症におけるイコサペント酸/アラキドン酸(EPA/AA)の検討-頚動脈エコーへの影響-」
 血管内プラークは一度発生するとスタチンを投与しても容易に退縮せず、むしろ年々増加することが多いとされる。今回EPA1800mg1年間の内服による血管内膜肥厚の変化について検討した。MaxIMTとTotal plaque scoreとも軽度改善例が11例中4例と、ともに悪化例2例より多かったのはEPAの動脈硬化進展抑制を示していると思われる。悪化例ではスタチン投与のためLDLはむしろ低く、動脈硬化高度、腎機能低下の傾向を認めた。
 「SU薬高用量でコントロール不良な糖尿病患者における、DPPⅣ阻害薬併用前後のグルカゴン・インスリン値についての検討」
 SU薬にDPP4阻害薬を併用した場合の過度な血糖降下の原因は明らかでない。今回高用量SU薬(グリメピリド3mg以上)内服症例にて、DPP4阻害薬(ビルダグリプチン)併用前後でのグルカゴン、インスリン、血糖値、SU薬併用量につき比較検討した。カロリーメイト400kcal負荷後のデータをとり、その後SU薬減量とDPP4阻害薬併用して同様の負荷と測定を行った。DPP4阻害薬併用により血糖値低下、インスリン増加、グルカゴン低下傾向と、SU薬投与量減少を認めた。一部の症例でDPP4阻害薬投与にて、食後抑制されなかったグルカゴンが抑制される現象が確認された。
  最後に記念講演として「認知症疾患への対応について、診療および病診連携の立場から」を東海大学医学部付属大磯病院病院長 吉井文均先生にご講演いただきました。ご講演の内容を簡単に紹介します。
 近年急速に認知症が増加している。わが国の65歳以上の人口3000万人に対して認知症患者が300万人を超えたので、65歳以上の高齢者の10人にひとりが認知症という状況である。しかしこの病気のことが一般に十分理解されているとはいえない現実がある。
 厚労省のオレンジプランのなかで4つのポイントが強調されている。(1)早期診断早期対応が重要、(2)この病気に対する良い薬がまだ少ないので、病診連携を進めることが重要、(3)地域の中で医療的介護的サービスを構築することが重要、(4)若年性認知症への対応も重要である。
 東海大学認知症医療センターでは、以前から行っていたこの病気自体の研究に加えて、早期診断早期治療方法の研究や専門医との連携、医療と福祉の連携についても手がけるようになった。認知症の治療連携のためのケアパスをつくるため、今年4月に医師、看護師、薬剤師、行政などが参画し神奈川県認知症対策推進協議会ができた。そこでの議論の中から様々な人が書き込めるスタイルのノート形式のケアパスを開発した。今後多くの場所で活用していきたいと考えている。また地域で認知症患者を支える初期集中支援チームを5年かけてつくっていく予定である。
 若年性認知症患者数は増加しており、45歳を超えてから急速に増え10万人あたり100人いると考えられるが、見逃されていることが多いと思われる。若年性認知症の方が進行が早く重症者も多い。子供がまだ小さかったり、住宅ローンなどを支払い中であったりと重大な社会的な問題を引き起こすが、その支援のシステムはまだ整備されていない。これについては協議会でもとりあげ、まず疫学的調査から始めていくことになった。
 認知症の中ではアルツハイマー病が多く、血管性認知症やパーキンソン病に類似するレビー小体型認知症もある。アルツハイマー病の初期では、妄想、記憶の低下、意欲の低下が特徴的である。病理学的には、アミロイド老人斑と神経原線維変化が特徴である。これらの異常な蛋白の蓄積は認知症の症状が出はじめる20-30年前から起こっていることがわかってきた。したがって早期診断が重要であるが、初期のうちは記憶の障害(ものわすれ)のみなので、軽度認知障害(MCI)と診断される。MCIからアルツハイマー病への移行は年間30%に達するとみられ、この段階から治療を開始することが望ましい。認知症の診断のツールとして改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)があるが、MCIの診断のためにはHDS-Rにあるような3つの言葉の想起では不十分であり、7語の想起で評価する必要がある。MCIの場合、ヒントを与えてから想起を繰り返しても想起できる言葉の数が増えないのが特徴である。また頭頂葉の障害では立体認識が悪くなるので、自分の手で狐の形をつくり前後に並べることができないことがある。
 最近ではアミロイドなどの異常な蛋白の脳内への蓄積を画像として見つける技術も開発され、バイオマーカーの研究も進み日常診療の中で認知症の早期診断への方向性もみえてきた。
 認知症の中核症状を進行させない治療とともに、周辺症状(BPSD)を出さないための治療も大事である。脳内アセチルコリンの低下を防ぐ、あるいは働きをよくするアセチルコリンエステラーゼ阻害薬としてドネペジル、ガランタミン、リバスチクミンが初期から使用される。一方、初期の適応はないが症状が進んだ段階で使うNMDA受容体拮抗薬メマンチンは、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬と併用することが多く、併用によってよい効果が期待できる。NMDA受容体は神経毒性に関係する受容体であり、NMDA受容体拮抗薬は神経細胞の変性を抑制する働きがあるので、もっと初期から使ってもよいかもしれない。メマンチンはBPSDとしての行動障害や攻撃性を抑えるため、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の最大用量に達する前から併用するのもよいが、用量設定は症例ごとに考える必要がある。高齢者ではめまいふらつきが出やすいので注意すること。将来アミロイドβそのものを取り除く薬も開発され、先制医療の方向に変化してきていると言える。
 非薬物療法としては運動療法や家族との関係性が重要である。糖尿病、高血圧、脂質異常症は認知症を発症増悪させるため、きちんと治療しなければならない。禁煙も大事である。適量のアルコールと運動療法は認知症治療に有用である。運動の神経細胞に対する効果もわかってきた。日光にあたることで産生されるメラトニンにより生活のリズムが整うことが脳の活性化に役立つため、運動は外に出て太陽にあたりながら行うことである。音楽療法においても集団で行い、体を積極的に動かすことが重要である。
 認知症は周りの人のケアの仕方でよくもなるし悪くもなる。ビデオ供覧により、NHKの放送で取り上げられた若年性認知症患者クリスティーン・ブライデンさんの例を示し、彼女がADLを維持できているのは、周囲の人々の患者への理解ある接し方によるところが大きいことを強調したい。認知症の治療を考える上で、患者自身への治療だけでなく患者の家族に対しての治療も必要ではないか。認知症患者が「何ができないか」より「まだ何ができるか」に目を向けて、残っている機能を生かし社会に還元するようにしていくことが重要である。

【平成25年新年学術大会予告】
  平成25新年学術大会が平成25年1月17日木曜日に横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて開催の予定です。今回は肝炎対策委員会の宮本京委員長の企画により、「B型肝炎の今を知る」のテーマのもと2つの講演を予定しています。de novo B型肝炎やgenotype A急性B型肝炎などの話題で「わが国のB型肝炎:最近の動向と特徴」を慶応義塾大学薬学部教授 齋藤英胤先生に、また、核酸アナログ製剤の功罪などの話題で「B型肝炎ウイルスと炎症と発癌~治療戦略は如何に~」を東海大学医学部教授 峯徹哉先生にご講演いただく予定です。新年学術大会は2つの講演が互いに関係する分野の話となるよう企画され、テーマの内容について深く掘り下げた理解が得られるまたとない絶好のチャンスです。

【第76回集談会予告】
 第76回集談会が平成25年2月9日土曜日15:30より横浜崎陽軒(横浜駅東口)6階会議場にて開催されます。発表形式はすべてポスター形式とし、各演題発表は座長のもと進行する形となる予定です。17:00より同じ横浜崎陽軒4階ダイナスティーにて骨粗しょう症についての特別講演を虎ノ門病院内分泌代謝科部長竹内靖博先生にお話いただいたあと、18:00より同じ横浜崎陽軒5階マンダリンにて意見交換会が行われます。ジャズバンド演奏も予定されています。多くの先生方のご参加を期待しています。

【平成25年度定時総会時学術講演会予告】
  平成25年度定時総会および定時総会時学術講演会が、平成25年5月25日(土)午後に神奈川県総合医療会館にて開催される予定です。
  従来、定時総会で各事業委員会の活動報告や集談会の優秀演題発表を行い、学術講演会で最新の医療に関する特別講演を行っていました。その内容が多く、長時間の拘束時間が参加者の負担となっていたため、平成24年度の定時総会および定時総会時学術講演会からは、2つの変更が行われました。
  第1点は、平成24年度より学術Ⅱ部会の事業委員会から「禁煙分煙推進委員会」と「ジェネリック問題対策委員会」を社会公益部会に移し、社会公益部会の活動報告と集談会の優秀演題発表を秋季学術大会に移行し、全体の時間を短縮しました。
  第2点は、総会および総会時講演会の企画運営に共催メーカーの関与によるテーマの偏りをなくし、原則的に神奈川県内科医学会単独による開催としたことです。これにより、会員が本当に聞きたい講演テーマを自由に企画できるメリットが生まれました。平成24年度は「医事紛争に立ち向かう」をテーマに行われました。来年度も、今まで以上に多くの先生方の声をお聴きして、魅力的な講演会を企画していきたいと思います。ご提案をいただければ幸いです。

【おわりに】
  学術Ⅰ委員会は平成22年度まで部会長をされた伊藤正吾先生の後を引き継ぎ、平成23年度より新たな体制で活動を開始いたしました。平成24年度も中佳一会長のご指導のもと、今までの長い歴史のある講演会に新たな変更や発展を加えながら、5つの基本講演会を開催することができたと思います。今後とも、神奈川県内科医学会本体事業である学術1部会の講演会開催にご協力とご参加をお願い申し上げます。

神奈川県内科医学会秋季学術大会 認知症疾患への対応について 診療および病診連携の立場から 吉井文均先生

神奈川県内科医学会秋季学術大会 「認知症疾患への対応について 診療および病診連携の立場から」 吉井文均先生

 近年急速に認知症が増加している。わが国の65歳以上の人口3000万人に対して認知症患者が300万人を超えたので、65歳以上の高齢者の10人にひとりが認知症という状況である。しかしこの病気のことが一般に十分理解されているとはいえない現実がある。
 厚労省のオレンジプランのなかで4つのポイントが強調されている。(1)早期診断早期対応が重要、(2)この病気に対する良い薬がまだ少ないので、病診連携を進めることが重要、(3)地域の中で医療的介護的サービスを構築することが重要、(4)若年性認知症への対応も重要である。
 東海大学認知症医療センターでは、以前から行っていたこの病気自体の研究に加えて、早期診断早期治療方法の研究や専門医との連携、医療と福祉の連携についても手がけるようになった。認知症の治療連携のためのケアパスをつくるため、今年4月に医師、看護師、薬剤師、行政などが参画し神奈川県認知症対策推進協議会ができた。そこでの議論の中から様々な人が書き込めるスタイルのノート形式のケアパスを開発した。今後多くの場所で活用していきたいと考えている。また地域で認知症患者を支える初期集中支援チームを5年かけてつくっていく予定である。
 若年性認知症患者数は増加しており、45歳を超えてから急速に増え10万人あたり100人いると考えられるが、見逃されていることが多いと思われる。若年性認知症の方が進行が早く重症者も多い。子供がまだ小さかったり、住宅ローンなどを支払い中であったりと重大な社会的な問題を引き起こすが、その支援のシステムはまだ整備されていない。これについては協議会でもとりあげ、まず疫学的調査から始めていくことになった。
 認知症の中ではアルツハイマー病が多く、血管性認知症やパーキンソン病に類似するレビー小体型認知症もある。アルツハイマー病の初期では、妄想、記憶の低下、意欲の低下が特徴的である。病理学的には、アミロイド老人斑と神経原線維変化が特徴である。これらの異常な蛋白の蓄積は認知症の症状が出はじめる20-30年前から起こっていることがわかってきた。したがって早期診断が重要であるが、初期のうちは記憶の障害(ものわすれ)のみなので、軽度認知障害(MCI)と診断される。MCIからアルツハイマー病への移行は年間30%に達するとみられ、この段階から治療を開始することが望ましい。認知症の診断のツールとして改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)があるが、MCIの診断のためにはHDS-Rにあるような3つの言葉の想起では不十分であり、7語の想起で評価する必要がある。MCIの場合、ヒントを与えてから想起を繰り返しても想起できる言葉の数が増えないのが特徴である。また頭頂葉の障害では立体認識が悪くなるので、自分の手で狐の形をつくり前後に並べることができないことがある。
 最近ではアミロイドなどの異常な蛋白の脳内への蓄積を画像として見つける技術も開発され、バイオマーカーの研究も進み日常診療の中で認知症の早期診断への方向性もみえてきた。
 認知症の中核症状を進行させない治療とともに、周辺症状(BPSD)を出さないための治療も大事である。脳内アセチルコリンの低下を防ぐ、あるいは働きをよくするアセチルコリンエステラーゼ阻害薬としてドネペジル、ガランタミン、リバスチクミンが初期から使用される。一方、初期の適応はないが症状が進んだ段階で使うNMDA受容体拮抗薬メマンチンは、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬と併用することが多く、併用によってよい効果が期待できる。NMDA受容体は神経毒性に関係する受容体であり、NMDA受容体拮抗薬は神経細胞の変性を抑制する働きがあるので、もっと初期から使ってもよいかもしれない。メマンチンはBPSDとしての行動障害や攻撃性を抑えるため、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の最大用量に達する前から併用するのもよいが、用量設定は症例ごとに考える必要がある。高齢者ではめまいふらつきが出やすいので注意すること。将来アミロイドβそのものを取り除く薬も開発され、先制医療の方向に変化してきていると言える。
 非薬物療法としては運動療法や家族との関係性が重要である。糖尿病、高血圧、脂質異常症は認知症を発症増悪させるため、きちんと治療しなければならない。禁煙も大事である。適量のアルコールと運動療法は認知症治療に有用である。運動の神経細胞に対する効果もわかってきた。日光にあたることで産生されるメラトニンにより生活のリズムが整うことが脳の活性化に役立つため、運動は外に出て太陽にあたりながら行うことである。音楽療法においても集団で行い、体を積極的に動かすことが重要である。
 認知症は周りの人のケアの仕方でよくもなるし悪くもなる。ビデオ供覧により、NHKの放送で取り上げられた若年性認知症患者クリスティーン・ブライデンさんの例を示し、彼女がADLを維持できているのは、周囲の人々の患者への理解ある接し方によるところが大きいことを強調したい。認知症の治療を考える上で、患者自身への治療だけでなく患者の家族に対しての治療も必要ではないか。認知症患者が「何ができないか」より「まだ何ができるか」に目を向けて、残っている機能を生かし社会に還元するようにしていくことが重要である。

2012年11月23日金曜日

神奈川県内科医学会秋季学術大会 認知症疾患への対応について 診療および病診連携の立場から 吉井文均先生

患者の声、家族の声
患者の家族が病気のことを誤解している
65歳以上3000万人 4分の1が65歳以上
認知症300万人超えた。10に一人が認知
最近急速に認知増えた
日本だけでなく世界的傾向である
厚労省 オレンジプラン
1早期診断早期対応が大事
2いい薬がまだ少ないので病診連携が大事 ケアパスをつくる
3地域で医療的介護的サービスをすすめる
4若年性認知への対応
東海大学認知症医療センター 北里 久里浜 3つ
以前の病気の研究から
早期診断早期治療 専門医との連携 医療と福祉の連携
東海大学 ものわすれ外来
電話など医療相談 多い
認知 連携を ケアパスをつくろう
今年4月
神奈川県認知症対策推進協議会できた
医師 看護し 薬剤師 行政など参画
ノート形式のケアパス 書き込みノート いろんな人が書き込めるスタイル 患者自身が持ち運んでいろんなところで見せる
地域でささえる
初期集中支援チーム 5年かけてつくっていく
若年性認知 増えている 45歳超えてから急速に増える
10万あたり100人いる 見逃されている
若年性 進行早く 重傷者多い
支援のシステムまだ整備されていない
子供小さい 住宅ローン支払い中
協議会でもとりあげ 疫学的調査からはじめていく
認知への家族の対応 しかりつけはよくない
アルツ多い 血管性20-30パー DLBはパーキンソンにている
アルツで大事
51歳 嫉妬妄想 記憶の低下 意欲低下 3兆候
病理 2つ特徴 アミロイド老人反 神経原線維変化
異常な蛋白の蓄積
症状が始まる20-30年前から起こっている
早期診断が大事
初期症状 ものわすれ
MCI 軽度認知障害
記憶の障害のみ
正常の加齢か病気なのか
この段階から治療を開始したい
ものわすれヵらアルツ 年間30パー線と
記憶の検査
長谷川式 3つの言葉 想起
3つじゃ足りない7つの言葉の想起
ヒントを与えて繰り返しても想起が増えない
頭頂葉の障害では立体認識が悪くなるので
狐の手を前後に並べることができない
異常な蛋白を画像として見つける技術もできるようになった
アミロイド
バイオマーカーの研究 タウ蛋白 Aβ の測定
日常診療の中で
早期診断の方向へ
治療
中核症状 周辺症状
BPSDを出さないための治療がだいじ
中核症状を悪くしない治療
脳内アセチルコリンの低下を防ぐ働きをよくする
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
ドネペジル ガランタミン リバスチクミン
メマンチン 初期の適応はないが、症状が進んだ段階で使う
NMDA受容体拮抗 神経毒性に関係する受容体
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬と併用することが多い
併用によってよい効果が期待できる
神経細胞の変性を抑制する働きがあるので、初期から使ってもよいかもしれない 将来位置づけが変わるかもしれない
認知機能の評価をすること
ADASJcog 点数が高いほど悪い
メマンチンは周辺症状 としての 行動障害 攻撃性 を抑える
アセチルコリンエステラーゼの最大用量に達する前から併用するのもよい 用量設定は症例ごとに考える 高齢者ではめまいふらつきが出やすいので注意すること
今後アミロイドベータを取り除く薬もできてきている
先制医療の方向に医療が変化してきている
非薬物療法
運動療法 家族との関係性 
糖尿 高血圧 コレステロール きちんと治療
禁煙 適量のアルコール 運動療法は有用である
運動の細胞に対する効果もわかってきた
運動は外に出て太陽にあたることが大事
メラトニンの産生により生活のリズムが整うことで脳の活性化に役立つ
音楽療法でも集団で体を積極的に動かすことが重要
ケアの仕方でよくもなるし、悪くもなる
若年性認知症クリスチーンブライデンさんの例を
ADLを維持できているのは
ビデオで示し周囲の人々の接し方の大事さを強調した
患者さんへの治療だけでなく患者さんの家族に対しての治療も重要である
何ができないか、よりまだ何ができるかに目を向けて
残っている機能を生かし社会に還元することが大事である。

神奈川県内科医学会 第10回常任幹事会議事録


神奈川県内科医学会 10回常任幹事会議事録

日時 平成241115日(木)午後700分~

場所 ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル 3F「アトランティック」

【司会】小林 【書記】 

  1. 開 会
  2. 会長挨拶 →10月に5地区をめぐり地区会長・幹事会を行った
  3. 議 題
    1. 確認事項(資料1
      1. 9回常任幹事会(9/13)議事録 →承認
    2. 協議事項(資料2

  1. 会則について                   〔 中 〕
    来年総会までに共催・後援規定の見直し。総務部会内に設けた小委員会で検討。
  2. 日臨内地域医療功労者表彰の推薦について      〔 中 〕
    地域医療に貢献した人を来年の総会で表彰。鎌倉の正山先生を推挙。
  3. 日本臨床内科医会総会(東京)の神奈川受託について 〔 中 〕
    平成26年の総会を神奈川県で受託する方向で動くことの承認を得た。

    1. 承認事項(資料3)                  〔山 本〕
      1. 共催・後援について

【後援】

ア 第66回神奈川循環器講演会(12/22→後援

イ 第6JSDEIセミナー(2/3→後援

ウ 第2回 横浜市・南関東在宅医療推進フォーラム(12/8)→後援

エ 松沢成文氏の都知事選挙立候補「フォーラム松沢」総決起集会のビラ配布を承認。

    1. 報告事項(資料4
      1. 禁煙指導マニュアル作成委員会(9/1810/30)    〔長 谷〕
        学校での禁煙をすすめるシステムづくり、禁煙指導マニュアルの作成。
      2. 学術Ⅰ部会(9/1911/14)             〔 岡 〕
        75回集談会優秀演題決定、臨床医学研修講座報告、秋季学術大会予告、平成25年新年学術大会の企画「B型肝炎の今を知る」、第76回集談会の企画と演題募集、平成25年定時総会時講演会のテーマについて
      3. 高血圧・腎疾患対策委員会(9/24)         〔佐 藤〕
        高血圧臨床実態断面調査を年内にまとめ、来春に発表予定。非糖尿病患者におけるCKD実態調査に目標1万例めざし協力を。2型糖尿病に対するシタグリプチンの有効性と安全性に対する調査研究が倫理委員会を通過、各地区での協力者を探している。
      4. 呼吸器疾患対策委員会(9/25)           〔西 川〕
      5. 在宅医療委員会(9/26)               〔久保田〕
        1013日の市民公開講座および秋季学術大会での演題「認知症介護者サロンの立ち上げと運用の状況について」。
      6. 総務部会(10/111/5)              〔山 本〕
        各地区での会費徴収実態アンケート。9月末時点でのみなし徴収に協力して欲しい。共催・後援規定の見直しをすすめる。
      7. 認知症対策委員会(10/3)              〔渡 部〕
        東海大学吉井先生が委員に。第16回認知症を考える神奈川の会の報告。クリニカルカンファレンスの拘束時間が長すぎないか。認知症連携パスを進めていくため認知症対策推進ワーキンググループができた。
      8. 肝炎対策委員会(10/5)              〔宮 本〕
        105日肝炎対策特別講演会「NAFLD」、1122日肝炎対策特別講演会「C型肝炎最新治療」、128日肝臓病を考える病診連携の会(溝ノ口ホテルKSP)「B型肝炎」、117日新年学術大会「B型肝炎の今を知る」
      9. 保険・制度部会(10/12)              〔小林明〕
        保険・制度部会アンケート調査について。127日川崎中原にて保険・制度部会講演会。医療・保険Q&A作成中。
      10. シニア委員会(10/22)               〔中 山〕
        活力ある高齢社会を実現するための活動の方向性を模索。手始めに70歳以上の医師に対して「朝から晩まで何をしているのか」高齢医師の実態把握のためのアンケートを企画。
      11. 平成24年度地区会長・幹事会           〔各地区〕→次の常任幹事会まわし
      12. 神奈川県医師会医事紛争特別委員会報告       〔正 山〕
      13. 学術功労者表彰について              〔 中 〕
        1123日神奈川医学会総会にて、竹村克二先生、多羅尾和郎先生、伊藤正吾先生。
  1. 周知事項(資料5
    1. 平成24年度秋季学術大会(11/17)         〔羽 鳥〕
    2. 54回神奈川医学会総会・学術大会(11/23)    〔 中 〕
    3. 平成25年度新年学術大会(1/17)          〔宮 本〕
    4. 76回集談会(2/9)               〔伊 藤〕
      演題提出期限は11月末までにメール利用で800字で。
  • 名誉会長、監事コメント →一生懸命がんばっていると感じた(中山名誉会長)
  • その他 →神内医ニュース69号の入稿がわるい。封筒に同封したい書類があれば連絡ください(宮島情報広報部会長)
    シニア委員会の活動におどろきました(沼田副会長)
    シニア委員会に期待します。横浜内科学会は支援します(宮川副会長)
  • 閉会挨拶 →東海大学も神奈川内科医学会に貢献したい(高木副会長)
    1. 行事予定(資料6
  • まとめ
    1. 決定事項
    2. 継続事項

  • 次回開催日について

    4回幹事会 日 時 平成24121日(土)

        17時~ 幹事会、 18時~ 講演会、 19時~ 忘年会

               場 所 ホテルプラム 2F 「GIRAFFE

               共 催 第一三共

    第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演2 痛み・しびれ・脱力のみかた

    第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演2 痛み・しびれ・脱力のみかた
    知覚神経の異常発火によるしびれ痛み(神経障害性疼痛)にはNSAIDなどは無効で抗痙攣薬が有効である。精神的な原因によるものは抗うつ薬SSNRIが効果的。軽度な頭痛でも軽いクモ膜下出血の場合もある。高齢者では熱発のない髄膜炎もあるので項部硬直を見逃さないこと。肥満者が急にやせ、突然発症の大腿外側の痛みと知覚低下の場合、外側大腿皮神経炎を考える。手根管症候群(CTS)は頚椎症と間違われやすい。CTSの関連痛として肩痛があり頚椎症との鑑別が難しいが、CTSなら薬指の両脇の知覚に左右差があることで鑑別できる。CTSの痛みは虚血性で、夜間のしびれ痛みが強いのが特徴である。手根管開放術直後より改善する。糖尿病性神経障害はCTSを伴い頚椎症も多い。振動覚が早期に低下しアキレス腱反射も低下消失する。急激な血糖補正は慢性疼痛を誘発するので注意。神経伝導検査は診断に有用である。手と口が同時にしびれる手口症候群は小さな脳梗塞診断の手がかりである。ボツリヌス毒素は痙性斜頚や脳卒中の後遺症や偏頭痛にも効果がある。リウマチ性多発筋痛症では失明の危険あり、すぐにステロイド治療を。脱力を診るのにMRCスケールは役立つ。見逃されやすい新しい難病CIDPは、ステロイドやガンマグロブリンが奏効する。(記 岡 正直)

    第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演5 骨粗鬆症診療の進歩

    第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演5 骨粗鬆症診療の進歩
    高齢者で急速に骨粗鬆症が増加している。要介護原因の1位脳卒中2位認知症3位は骨折であり、健康寿命をさまたげ、様々な疾患の合併により死亡リスクも高めている。骨粗鬆症とは骨密度と骨質(構造特性と材質特性)できまる骨強度が低下した状態である。頭の高さ以下から落ちて骨折するのは弱い骨といえる。転倒しやすさも骨折の大きなリスクである。骨密度により骨粗鬆症と診断できない人で骨折リスク高い人は多い。そこで骨密度だけによらない骨折リスクを拾い上げるFRAXが開発された。しかし2型糖尿病患者ではFRAXによる評価を超えて骨折しやすい。これはAGE架橋の増加により骨がもろいためである。ステロイド服用者や不動性骨粗鬆症にもビスフォスフォネート投与が望ましい。副作用として顎骨壊死や大腿骨転子下非定型骨折などがあるが副甲状腺ホルモン製剤テリパラチドで改善する。ビスフォスフォネート終了後ラロキシフェン投与でいったん上がった骨密度を維持できる。骨粗鬆症の軽症者はラロキシフェンのよい適応である。高齢者ではビタミンD不足と活性低下、腸管からのカルシウム吸収低下があり、新しい活性型ビタミンD製剤エルデカルシトールが効果的である。新しい有望な薬も次々に登場し、骨粗鬆症治療の将来は明るい。(記 岡 正直)

    2012年11月22日木曜日

    第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演5 骨粗鬆症診療の進歩

    第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演5 骨粗鬆症診療の進歩

    高齢者で急速に骨粗しょう症増加が続いており、70歳以上の女性の半分、80歳代の男性の4分の1を占めるようになった。
    要介護原因の1位脳卒中、2位認知症、3位は骨折であり、健康寿命をさまたげ、さまざまな疾患の合併により死亡リスクも高めている。
    骨粗しょう症とは骨密度と骨質できまる骨強度が低下した状態のことである。
    骨質とは構造特性と材質特性できまる。構造特性の劣化とは、板状が柱状に変化、筋交いの減少、皮質骨の海綿化などであり、材質特性の劣化とは、コラーゲンの生理的架橋であるピリジノリン架橋が糖尿病ではAGE架橋のような非生理的で強度をもたない架橋に変化、骨回転の低下により骨全体の石灰化度が進み均質化することなどである。このような骨質の劣化と骨密度の低下により骨粗しょう症を発症する。
    頭の高さ以下から落ちて(転倒などで)骨折してしまうのは弱い骨といえる。転倒しやすさも骨折の大きなリスクである。神経・筋疾患による姿勢の制御能力の低下、皮下組織の減少による緩衝作用の低下も影響する。
    骨密度によって骨粗しょう症と診断できない人で骨折リスク高い人は多い。そこで骨密度だけによらない骨折リスクを拾い上げるFRAX(Fracture assessment tool)が開発された。しかしFRAXによる評価を超えて2型糖尿病患者では一般人より骨密度高いが1.7倍骨折を起こしやすい。これはAGE(Advanced glicated endproduct)架橋の増加により骨がもろくなっているためである。血中のesRAGE(endogenous secretory receptor for AGE) to pentosidine ratioを測定することにより、骨折リスクを評価することができる。
    ステロイドによる骨折は骨形成の低下による。ステロイド5mg以上を3ヶ月以上飲んでいる人すべてにビスフォスフォネートを投与することが望ましい。テリパラチドによる骨密度上昇効果はアレンドロネートより高い。
    不動性骨粗しょう症(ねたきり、無動、無重力による)では骨吸収の亢進と骨形成の低下、高カルシウム血症をみる。ビスフォスフォネートは効果的である。
    ビスフォスフォネートの骨吸収抑制はミノドロン酸(月1回内服)がアレンドロネートやリセドロネートより強い。さらに強力なゾレドロン酸は年1回注射でよい。
    歯槽骨は感染による骨のリモデリングが活発におきているが、これを抑制することによってビスフォスフォネートによる顎骨壊死がおこる。ビスフォスフォネートによって骨が硬くなりすぎ、大腿骨転子下非定型骨折をおこすこともある。これら骨回転低下による副作用は副甲状腺ホルモン製剤テリパラチドで改善する。
    ビスフォスフォネートの長期投与による弊害をさけるための目安として、5年間治療してT-score>-2.5まで骨密度が改善すれば中止してもよい。ビスフォスフォネートの種類により5-10年の間で継続を考える。ビスフォスフォネートを終了したあとラロキシフェン(RLX)投与でいったん上がった骨密度を維持できる。ラロキシフェン投与で骨密度は増えないが、生理的架橋を増やしAGE架橋を減らすため骨折は減る。骨粗しょう症の軽症者ではラロキシフェンの方がアレンドロネートより骨折予防効果がみられる。またラロキシフェンは高齢女性でのエストロジェン感受性乳がんを減らす効果もある。
    高齢者ではビタミンD不足と活性低下があり、腸管からのカルシウム吸収が低下している。新しい活性型ビタミンD製剤エルデカルシトールは転倒防止効果もあり、効果的である。腎機能悪い人は高カルシウム血症に注意すること。
    新しい有望な薬も次々に登場してきており、骨粗しょう症治療の将来の展望は明るい。

    2012年11月18日日曜日

    第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演2 痛み・しびれ・脱力のみかた

    第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演2 痛み・しびれ・脱力のみかた

    しびれ痛み同時は注意が必要である。手根管症候群は頚椎症と間違われやすい。
    しびれ痛みは知覚神経の異常発火によって起こる(神経因性疼痛、神経障害性疼痛)ことが多いため、異常発火を抑える抗痙攣薬効果あるがNSAIDなどの痛み止めは無効である。テグレトール、ランドセンは眠くなるので少量から始めること。皮疹にも注意すること。精神的な原因によるものは抗うつ薬SSNRI(トレドミン、サインバルタ)などが効果的である。
    肩こり、腰痛は複雑だ。
    軽度な頭痛でも軽いクモ膜下出血の場合もある。
    高齢者では熱発のない髄膜炎もあるので項部硬直を見逃さないこと。
    太っている人が急にやせたとき、突然発症の大腿外側の痛みと知覚低下の場合、外側大腿皮神経炎を考える。
    手根管症候群の関連痛として肩の痛みを訴えることがあり、頚椎症との鑑別が難しいが、薬指の両脇の知覚に左右差があれば手根管症候群、頚椎症なら差がないことにより鑑別できる。
    手根管症候群は実は多いが見逃されているか、頚椎症と診断されていることが多い。手根管症候群の痛みは虚血性であり、透析シャントの合併症としてよく見られる。夜間のしびれ痛みが強いのが、頚椎症では見られない特徴である。手根管開放術直後より改善する。
    しびれの原因として糖尿病は重要である。糖尿病性神経障害は手根管症候群を伴い、頚椎症も多い。振動覚が早期に低下し、アキレス腱反射も低下消失する。急激な血糖補正は慢性疼痛を誘発するので注意する。ポリニューロパチーは糖尿病で多いが、最も長い足先の知覚神経の神経伝導検査を行うことにより診断できる。
    手と口が同時にしびれる手口症候群は小さな脳梗塞の診断に有用である。
    腰痛でラセーグ兆候があれば坐骨神経痛。
    肩こりは日本人に特有か?痙性斜頚はボツリヌス毒素(神経筋接合部でのアセチルコリンを遮断)が効果的である。脳卒中の後遺症や偏頭痛にも効果ある。
    全身が痛く、こめかみが痛く目がかすんできた。血沈を測ると亢進していれば、リウマチ性多発筋痛症を考える。すぐにステロイド治療をしなければ失明の危険あり。
    脱力では徒手筋力テストを行う。近位筋なら筋疾患、遠位筋なら末梢神経疾患、左右の半身なら中枢性、つかれやすいときは重症筋無力症などを考える。脱力を診るのにMRCスケールは役立つ。C7は頚椎症で障害されやすい。C7支配の円回内筋が大丈夫であれば、頚椎症ではないといえる。
    見逃されやすい新しい難病CIDP(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)は慢性ギランバレーと考えてよい疾患で、ステロイドやガンマグロブリンが奏効する。
    ALSと頚椎症との鑑別も大事である。伝導ブロックを呈する治るALSもあるので伝導検査を行うことは重要である。
    脳卒中は増えており、その3分の2は社会復帰できない。ワーファリンINR1.5-2でコントロールすること。プラザキサはCKDのある人には注意すること。
    脳卒中ごの痙縮で動けない人に対してボツリヌス毒素で劇的改善がみられたことがNHK「ためしてがってん」で紹介された。視床痛に対してもボツリヌス毒素による治療が効果見られている。

    第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演5 骨粗鬆症診療の進歩


    日本では骨粗しょう症増加続く
    要介護原因1卒中2認知症3骨折
    健康寿命をさまたげる 死亡リスクも高まる
    骨強度は骨密度と骨質できまる
    骨質とは1構造特性 板状が柱状に 筋交い減 皮質骨の海綿化
    2材質特性 コラーゲンの架橋 ピノジノリン 生理的架橋
    糖尿病ではAGEs架橋 非生理的強度をもたない架橋 石灰化度 微小損傷
    頭の高さ以下で骨折が弱い骨 転倒
    骨粗しょう症と診断できない人で骨折リスク高い人は多い
    FRAX FractureAssessmentTool
    FRAXは骨密度(YAM)だけによらない骨折リスクを拾い上げる
     YAM《 young adult mean 》20歳から44歳までの骨密度の平均値。原則として腰椎の骨密度で表す。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などの判断指標に利用される。若年成人平均値。
    2型DM一般人より骨密度高いが骨折を起こしやすい
    DMあるとFRAXの評価を超えて骨折しやすい
    AGE(AdvancedGlicatedEndproduct)架橋の増加
    骨がもろい
    esRAGE endogenous secretory receptor for AGE
    esRAGE to pentosidine ratio
    ステロイドによる骨折 骨形成の低下
    ステロイド3ヶ月以上飲んでいる人すべてビスフォスフォネートを
    テリパラチド 骨密度上昇 アレンドロネートより効く
    不動性骨粗しょう症(ねたきり、無動)
    骨吸収抑制はミノドロン酸がアレンドロネートやリセドロネートより強い
    ゾレドロン酸は年1回注射
    顎骨は感染による骨のリモデリングが活発におきているが、これを抑制することによって顎骨壊死がおこる
    大腿骨転子下非定型骨折
    ビスフォスフォネートによって骨が硬くなりすぎ、low turn over
    副甲状腺ホルモン製剤テリパラチドで改善
    5年治療してT-score>-2.5まで改善すれば中止してもよい
    ビスフォスフォネートの種類により5-10年の間で継続を考える
    ラロキシフェン(RLX)でいったん上がった骨密度を維持できる
    骨密度は増えないが骨折は減る。生理的架橋増、AGE架橋減
    軽症者ではラロキシフェンの方が効果あり
    ラロキシフェンでエストロジェン感受性乳がんを減らす
    高齢女性にとっておもしろい薬
    新活性型ビタミンDエルデカルシトール
    VDは転倒防止効果
    腎機能悪い人は高カルシウム血症に注意すること

    2012年11月14日水曜日

    第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演2 痛み・しびれ・脱力のみかた

    第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演2 痛み・しびれ・脱力のみかた

    CTS手根管は間違われやすい
    しびれ痛みは異常発火多い
    抗痙攣薬効果あり、痛み止めは無効
    神経因性疼痛、神経障害性疼痛
    テグレトール、ランドセン 眠くなるので少量から
    精神的なもの抗うつ薬SSNRI
    クモ膜下出血軽度なもの
    髄膜炎
    外側大腿皮神経炎
    手管 肩痛い
    薬指の左右差 頚椎症なら差なし
    手根管症候群は虚血性 透析シャント 夜間のしびれ痛み
    糖尿病重要
    しびれの王様糖尿病
    糖尿病性神経障害は手根管症候群を伴い、頚椎症も多い
    急激な血糖補正は痛みを誘発する
    ポリニューロパチー糖尿病多い
    手口症候群 小さな脳梗塞 視床のラクナ梗塞
    ボツリヌス 神経筋接合部でのアセチルコリンを遮断
    リウマチ性多発筋痛症
    脱力 MRCスケール
    C7円回内筋
    慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー 
    Chronic Inflammatory Demyelinating Polyradiculoneuropathy
    CITP chronic inflammatory t polyneuropathy 慢性ギランバレー
    治るALS
    伝導検査だいじ
    3分の2は完全復帰できない
    T2*
    ワーファリンINR1.5-2
    プラザキサ CKD
    ためしてがってんリハビリ 痙縮 ボツリヌスで劇的改善
    目線の高さ

    学会の動き(神奈川県内科医学会の動向)神内医ニュース69号


    学会の動き(神奈川県内科医学会の動向)神内医ニュース69号 学術1部会部会長 岡 正直

     神奈川県内科医学会学術1部会が企画担当している講演会は、定時総会時学術講演会、臨床医学研修講座、秋季学術大会、新年学術大会そして集談会の5つです。

    【第37回臨床医学研修講座報告】
      第37回臨床医学研修講座が2012年10月20日(土)14:10-18:10に横浜市立大学医学部市民総合医療センター(横浜市営地下鉄坂東橋駅最寄)本館6階会議室にて横浜市立大学と横浜内科学会の主管で開催されました。講演に先立って13:30より高度救命センターと心臓血管センターの院内見学が数名の希望者に対して行われました。横浜内科学会会長でもある宮川政昭副会長による開会の辞、中佳一会長による開会の挨拶のあと、2部に分かれた講演会が横浜市立大学医学部市民総合医療センター総合診療科の長谷川修先生の総合司会の下に開始されました。「市民医療向上への取り組み」のテーマに沿って行われた6つの講演について簡単に内容を紹介します。
     講演1「横浜市、神奈川県における広域の視点からみた小児医療の展開」横浜市立大学 医学部長 横田俊平先生(座長 横浜内科学会幹事 松浦秀光先生)
     約10年前、横浜の小児医療は崩壊の淵にあり、小児科医は疲弊していた。そこで横浜地域全体で小児医療を推進することとし、7つの小児拠点病院体制と15名の小児科医で救急医療をまかない、周産期医療を受け入れるまでに成長した。小児医療の集約化とネットワーク化は、2009年の新型インフルエンザ流行時にも威力を発揮し、災害医療においても効果的であることがわかった。社会の超高齢化が進む現在、小児科だけでなく、高齢者の介護・医療についても地域医療と拠点病院の連携を進め、推進役となる総合診療医の研修制度を整えることが課題である。
     講演2「胸痛の心電図診断 コツと落とし穴」横浜市立大学付属市民総合医療センター心臓血管センター 小菅雅美先生(座長 横浜内科学会幹事 悦田浩邦先生)
     ST上昇型急性心筋梗塞は発症早期に心事故を起こしうるため、早期に診断し、治療開始が必要である。再灌流療法のよい適応である急性期には心筋障害の生化学的マーカーが上昇していないことも多く、採血結果を待たず、症状と心電図所見から診断することが重要である。初回心電図で明らかでない場合でも、以前の心電図と見比べたり、時間が少し経ってから心電図を取り直して比較したりすることは有効である。具体的な症例とともに、心電図の読み方のコツと陥りやすい落とし穴について言及した。
     講演3「糖尿病の基礎知識と診療の実際」横浜市立大学内分泌・糖尿病内科 寺内康夫先生(座長 横浜内科学会幹事 織田美雪先生)
     近年わが国で2型糖尿病が急増しているのは、遺伝的にインスリン分泌能が低い日本人が高脂肪食や身体活動低下により、軽度の肥満であっても耐糖能異常をきたしやすいからであり、内臓肥満や脂肪肝にもなりやすいことがわかってきた。その病態としてインスリン抵抗性とインスリン分泌低下の両者が重要である。抵抗性は発症前から徐々に増悪し、発症後は横ばいであるのに対し、分泌低下は境界型の段階から進行し、発症後も経時的に低下するという病態に応じた経口血糖降下薬治療を行うことである。また糖尿病合併症として、様々な癌の発生が増加することも分かってきている。
     講演4「肺の生活習慣病、COPDの早期診断に向けて」横浜市立大学付属市民総合医療センター呼吸器病センター 金子猛先生(座長 横浜内科学会幹事 岩間博士先生)
     COPDはタバコの長期吸入による肺の炎症性疾患つまり肺の生活習慣病である。日本でも40歳以上の8.6%(約530万人)が罹患している可能性があるが、診断されているのは約1割に過ぎない。発症していても病識が乏しく、かなり進行しないと医療機関を受診しない。高血圧や脂質異常症や糖尿病などで通院中の患者の中にも未診断のCOPDが潜んでいるかもしれない。またCOPDは肺に限局した疾患でなく、炎症の波及により体重・筋力低下、心血管疾患、骨粗しょう症、抑うつなどもおこす全身性疾患であるため「40歳以上喫煙歴20年以上」を目安に呼吸機能検査を広く実施し、早く診断し禁煙・薬物治療を行うことが重要である。
     講演5「クリニックにおける急変対応と救急蘇生」横浜市立大学付属市民総合医療センター高度救命救急センター 中村京太先生(座長 横浜内科学会幹事 松丸克彦先生)
     クリニックでの急変は多くはないが、発生すると時に致死的であり、組織的リスク管理が必要である。起こりうる事故を「予測」し、緊急時対応を人(スタッフィング、指揮体制)物(防護と処置の資材)場所(処置スペース)通信(院内スタッフ、119、病院)処置(手順)につき予め策定しておく。さまざまな背景の市民があらゆる傷病者に対応できる1次救命処置(BLS)でアプローチをする。無反応無呼吸の傷病者には、まず胸骨圧迫から心肺蘇生(CPR)を開始し、2次救命処置(ALS)においても質の高い胸骨圧迫が重要である。また除細動の遅れも生存率が低下するので、早期にAEDを行い、AEDとCPRを並行すること。横浜市消防局のデータにより、クリニックからの転院搬送の現状と課題についても言及した。
     講演6「増える、腸の現代病!炎症性腸疾患の基礎知識から最新治療まで」横浜市立大学付属市民総合医療センターIBDセンター 国崎玲子先生(座長 横浜内科学会幹事 笹沼俊文先生)
     潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が近年若年者を中心に世界的に急増している。神奈川県はとくに患者数が多く、2007年に内科・外科が協力して専門診療に当たる炎症性腸疾患(IBD)センターが設立された。原因不明だが発症には何らかの免疫異常が関与するものと推測される。下痢、腹痛、血便などの症状を繰り返し生涯にわたり治療を要する。皮膚や関節症状など腸管外症状で複数科を受診することもある。治療は抗炎症剤、免疫調整薬、食事療法、血球成分除去療法、内視鏡的治療から手術まであり、患者の病状などに合わせ、適切に判断し組み合わせて行う必要がある。
     82名の参加者が熱心に聴講し、活発な質疑応答がなされました。会の終わりに横浜市立大学医学部市民総合医療センター地域連携担当の山岡富美香係長の挨拶、宮川政昭副会長の閉会の辞をいただきました。講演終了後、病院向かいの浦舟複合施設12階アーク横浜にて意見交換会を行い、盛会のうちに終了しました。

    【平成24年度秋季学術大会報告】
      平成24年度神奈川県内科医学会秋季学術大会が、平成24年11月17日(土)14時30分より川崎日航ホテル8階にて、第2地区川崎内科医会の主管(大会長 鶴谷孝先生)で開催されました。
      神奈川県内科医学会社会公益部会事業委員会より、「神奈川禁煙分煙推進委員会」長谷 章委員長、「ジェネリック問題対策委員会」北田 守委員長、「在宅医療委員会」久保田 毅委員長の活動報告のあと、第75回集談会優秀演題の表彰と講演が行われました。今回は、林医院の林正博先生「脂質異常症におけるイコサペント酸/アラキドン酸(EPA/AA)の検討-頚動脈エコーへの影響-」と、内科クリニックこばやしの小林一雄先生「SU薬高用量でコントロール不良な糖尿病患者における、DPPⅣ阻害薬併用前後のグルカゴン・インスリン値についての検討」が選出されました。簡単に講演内容をご紹介します。
     「脂質異常症におけるイコサペント酸/アラキドン酸(EPA/AA)の検討-頚動脈エコーへの影響-」
     血管内プラークは一度発生するとスタチンを投与しても容易に退縮せず、むしろ年々増加することが多いとされる。今回EPA1800mg1年間の内服による血管内膜肥厚の変化について検討した。MaxIMTとTotal plaque scoreとも軽度改善例が11例中4例と、ともに悪化例2例より多かったのはEPAの動脈硬化進展抑制を示していると思われる。悪化例ではスタチン投与のためLDLはむしろ低く、動脈硬化高度、腎機能低下の傾向を認めた。
     「SU薬高用量でコントロール不良な糖尿病患者における、DPPⅣ阻害薬併用前後のグルカゴン・インスリン値についての検討」
     SU薬にDPP4阻害薬を併用した場合の過度な血糖降下の原因は明らかでない。今回高用量SU薬(グリメピリド3mg以上)内服症例にて、DPP4阻害薬(ビルダグリプチン)併用前後でのグルカゴン、インスリン、血糖値、SU薬併用量につき比較検討した。カロリーメイト400kcal負荷後のデータをとり、その後SU薬減量とDPP4阻害薬併用して同様の負荷と測定を行った。DPP4阻害薬併用により血糖値低下、インスリン増加、グルカゴン低下傾向と、SU薬投与量減少を認めた。一部の症例でDPP4阻害薬投与にて、食後抑制されなかったグルカゴンが抑制される現象が確認された。
      最後に記念講演として「認知症疾患への対応について、診療および病診連携の立場から」を東海大学医学部付属大磯病院病院長 吉井文均先生にご講演いただきました。

    【平成25年新年学術大会予告】
      平成25新年学術大会が平成25年1月17日木曜日に横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて開催の予定です。今回は肝炎対策委員会の宮本京委員長の企画により、「B型肝炎の今を知る」のテーマのもと2つの講演を予定しています。de novo B型肝炎やgenotype A急性B型肝炎などの話題で「わが国のB型肝炎:最近の動向と特徴」を慶応義塾大学薬学部教授 齋藤英胤先生に、また、核酸アナログ製剤の功罪などの話題で「B型肝炎ウイルスと炎症と発癌~治療戦略は如何に~」を東海大学医学部教授 峯徹哉先生にご講演いただく予定です。新年学術大会は2つの講演が互いに関係する分野の話となるよう企画され、テーマの内容について深く掘り下げた理解が得られるまたとない絶好のチャンスです。

    【第76回集談会予告】
     第76回集談会が平成25年2月9日土曜日15:30より横浜崎陽軒(横浜駅東口)6階会議場にて
    開催されます。発表形式はすべてポスター形式とし、各演題発表は座長のもと進行する形となる予定です。17:00より同じ横浜崎陽軒4階ダイナスティーにて骨粗しょう症についての特別講演を虎ノ門病院内分泌代謝科部長竹内靖博先生にお話いただいたあと、18:00より同じ横浜崎陽軒5階マンダリンにて意見交換会が行われます。ジャズバンド演奏も予定されています。多くの先生方のご参加を期待しています。

    【平成25年度定時総会時学術講演会予告】
      平成25年度定時総会および定時総会時学術講演会が、平成25年5月25日(土)午後に神奈川県総合医療会館にて開催される予定です。
      従来、定時総会で各事業委員会の活動報告や集談会の優秀演題発表を行い、学術講演会で最新の医療に関する特別講演を行っていました。その内容が多く、長時間の拘束時間が参加者の負担となっていたため、平成24年度の定時総会および定時総会時学術講演会からは、2つの変更が行われました。
      第1点は、平成24年度より学術Ⅱ部会の事業委員会から「禁煙分煙推進委員会」と「ジェネリック問題対策委員会」を社会公益部会に移し、社会公益部会の活動報告と集談会の優秀演題発表を秋季学術大会に移行し、全体の時間を短縮しました。
      第2点は、総会および総会時講演会の企画運営に共催メーカーの関与によるテーマの偏りをなくし、原則的に神奈川県内科医学会単独による開催としたことです。これにより、会員が本当に聞きたい講演テーマを自由に企画できるメリットが生まれました。平成24年度は「医事紛争に立ち向かう」をテーマに行われました。来年度も、今まで以上に多くの先生方の声をお聴きして、魅力的な講演会を企画していきたいと思います。ご提案をいただければ幸いです。

    【おわりに】
      学術Ⅰ委員会は平成22年度まで部会長をされた伊藤正吾先生の後を引き継ぎ、平成23年度より新たな体制で活動を開始いたしました。平成24年度も中佳一会長のご指導のもと、今までの長い歴史のある講演会に新たな変更や発展を加えながら、5つの基本講演会を開催することができたと思います。今後とも、神奈川県内科医学会本体事業である学術1部会の講演会開催にご協力とご参加をお願い申し上げます。

    2012年11月11日日曜日

    学会の動き(神奈川県内科医学会の動向)神内医ニュース69号

    学会の動き(神奈川県内科医学会の動向)神内医ニュース69号 学術1部会部会長 岡 正直

     神奈川県内科医学会学術1部会が企画担当している講演会は、定時総会時学術講演会、臨床医学研修講座、秋季学術大会、新年学術大会そして集談会の5つです。

    【第37回臨床医学研修講座報告】
      第37回臨床医学研修講座が2012年10月20日(土)14:10-18:10に横浜市立大学医学部市民総合医療センター(横浜市営地下鉄坂東橋駅最寄)本館6階会議室にて横浜市立大学と横浜内科学会の主管で開催されました。講演に先立って高度救命センターと心臓血管センターの院内見学が希望者に対して行われました。6つの講演について簡単に内容を紹介します。
     講演1「横浜市、神奈川県における広域の視点からみた小児医療の展開」横浜市立大学 医学部長 横田俊平先生
     約10年前、横浜の小児医療は崩壊の淵にあり、小児科医は疲弊していた。そこで横浜地域全体で小児医療を推進することとし、7つの小児拠点病院体制と15名の小児科医で救急医療をまかない、周産期医療を受け入れるまでに成長した。小児医療の集約化とネットワーク化は、2009年の新型インフルエンザ流行時にも威力を発揮し、災害医療においても効果的であることがわかった。社会の超高齢化が進む現在、小児科だけでなく、高齢者の介護・医療についても地域医療と拠点病院の連携を進め、推進役となる総合診療医の研修制度を整えることが課題である。
     講演2「胸痛の心電図診断 コツと落とし穴」横浜市立大学付属市民総合医療センター心臓血管センター 小菅雅美先生
     ST上昇型急性心筋梗塞は発症早期に心事故を起こしうるため、早期に診断し、治療開始が必要である。再灌流療法のよい適応である急性期には心筋障害の生化学的マーカーが上昇していないことも多く、採血結果を待たず、症状と心電図所見から診断することが重要である。初回心電図で明らかでない場合でも、以前の心電図と見比べたり、時間が少し経ってから心電図を取り直して比較したりすることは有効である。具体的な症例とともに、心電図の読み方のコツと陥りやすい落とし穴について言及した。
     講演3「糖尿病の基礎知識と診療の実際」横浜市立大学内分泌・糖尿病内科 寺内康夫先生
     近年わが国で2型糖尿病が急増しているのは、遺伝的にインスリン分泌能が低い日本人が高脂肪食や身体活動低下により、軽度の肥満であっても耐糖能異常をきたしやすいからであり、内臓肥満や脂肪肝にもなりやすいことがわかってきた。その病態としてインスリン抵抗性とインスリン分泌低下の両者が重要である。抵抗性は発症前から徐々に増悪し、発症後は横ばいであるのに対し、分泌低下は境界型の段階から進行し、発症後も経時的に低下するという病態に応じた経口血糖降下薬治療を行うことである。また糖尿病合併症として、様々な癌の発生が増加することも分かってきている。
     講演4「肺の生活習慣病、COPDの早期診断に向けて」横浜市立大学付属市民総合医療センター呼吸器病センター 金子猛先生
     COPDはタバコの長期吸入による肺の炎症性疾患つまり肺の生活習慣病である。日本でも40歳以上の8.6%(約530万人)が罹患している可能性があるが、診断されているのは約1割に過ぎない。発症していても病識が乏しく、かなり進行しないと医療機関を受診しない。高血圧や脂質異常症や糖尿病などで通院中の患者の中にも未診断のCOPDが潜んでいるかもしれない。
    またCOPDは肺に限局した疾患でなく、炎症の波及により体重・筋力低下、心血管疾患、骨粗しょう症、抑うつなどもおこす全身性疾患であるため「40歳以上喫煙歴20年以上」を目安に呼吸機能検査を広く実施し、早く診断し禁煙・薬物治療を行うことが重要である。
     講演5「クリニックにおける急変対応と救急蘇生」横浜市立大学付属市民総合医療センター高度救命救急センター 中村京太先生
     クリニックでの急変は多くはないが、発生すると時に致死的であり、組織的リスク管理が必要である。起こりうる事故を「予測」し、緊急時対応を人(スタッフィング、指揮体制)物(防護と処置の資材)場所(処置スペース)通信(院内スタッフ、119、病院)処置(手順)につき予め策定しておく。さまざまな背景の市民があらゆる傷病者に対応できる1次救命処置(BLS)でアプローチをする。無反応無呼吸の傷病者には、まず胸骨圧迫から心肺蘇生(CPR)を開始し、2次救命処置(ALS)においても質の高い胸骨圧迫が重要である。また除細動の遅れも生存率が低下するので、早期にAEDを行い、AEDとCPRを並行すること。横浜市消防局のデータにより、クリニックからの転院搬送の現状と課題についても言及した。
     講演6「増える、腸の現代病!炎症性腸疾患の基礎知識から最新治療まで」横浜市立大学付属市民総合医療センターIBDセンター 国崎玲子先生
     潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が近年若年者を中心に世界的に急増している。神奈川県はとくに患者数が多く、2007年に内科・外科が協力して専門診療に当たる炎症性腸疾患(IBD)センターが設立された。原因不明だが発症には何らかの免疫異常が関与するものと推測される。下痢、腹痛、血便などの症状を繰り返し生涯にわたり治療を要する。皮膚や関節症状など腸管外症状で複数科を受診することもある。治療は抗炎症剤、免疫調整薬、食事療法、血球成分除去療法、内視鏡的治療から手術まであり、患者の病状などに合わせ、適切に判断し組み合わせて行う必要がある。
     82名の参加者が熱心に聴講し、活発な質疑応答がなされました。講演終了後、病院向かいの浦舟複合施設12階アーク横浜にて情報交換会を行いました。

    【平成24年度秋季学術大会報告】
      平成24年度神奈川県内科医学会秋季学術大会が、平成24年11月17日(土)14時30分より川崎日航ホテル8階にて、第2地区川崎内科医会の主管(大会長 鶴谷孝先生)で開催されます。
      神奈川県内科医学会社会公益部会事業委員会より、「神奈川禁煙分煙推進委員会」長谷 章委員長、「ジェネリック問題対策委員会」北田 守委員長、「在宅医療委員会」久保田 毅委員長の活動報告のあと、第75回集談会優秀演題の表彰と講演が予定されています。今回は、林医院の林正博先生「脂質異常症におけるイコサペント酸/アラキドン酸(EPA/AA)の検討-頚動脈エコーへの影響-」と、内科クリニックこばやしの小林一雄先生「SU薬高用量でコントロール不良な糖尿病患者における、DPPⅣ阻害薬併用前後のグルカゴン・インスリン値についての検討」が選出されました。
      最後に記念講演として「認知症疾患への対応について、診療および病診連携の立場から」を東海大学医学部付属大磯病院病院長 吉井文均先生にご講演いただきます。
      多くの先生方のご出席をお待ちしております。

    *【平成25年新年学術大会予告】
      平成25新年学術大会が平成25年1月17日に横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて開催の予定です。今回は肝炎対策委員会の宮本京委員長の企画により、「B型肝炎の今を知る」のテーマのもと2つの講演を予定しています。「わが国のB型肝炎:最近の動向と特徴」を慶応義塾大学薬学部教授 齋藤英胤先生に、「B型肝炎ウイルスと炎症と発癌~治療戦略は如何に~」を東海大学医学部教授 峯徹哉先生にご講演いただく予定です。新年学術大会は2つの講演が互いに関係する分野の話となるよう企画され、テーマの内容について深く掘り下げた理解が得られるまたとない絶好のチャンスです。

    【第76回集談会予告】

    *【平成25年度定時総会時学術講演会予告】
      平成25年度定時総会および定時総会時学術講演会が、平成25年5月25日(土)午後に神奈川県総合医療会館にて開催される予定です。
      従来、定時総会で各事業委員会の活動報告や集談会の優秀演題発表を行い、学術講演会で最新の医療に関する特別講演を行っていました。その内容が多く、長時間の拘束時間が参加者の負担となっていたため、平成24年度の定時総会および定時総会時学術講演会からは、2つの変更が行われました。
      第1点は、平成24年度より学術Ⅱ部会の事業委員会から「禁煙分煙推進委員会」と「ジェネリック問題対策委員会」を社会公益部会に移し、社会公益部会の活動報告と集談会の優秀演題発表を秋季学術大会に移行し、全体の時間を短縮しました。
      第2点は、総会および総会時講演会の企画運営に共催メーカーの関与によるテーマの偏りをなくし、原則的に神奈川県内科医学会単独による開催としたことです。これにより、会員が本当に聞きたい講演テーマを自由に企画できるメリットが生まれました。平成24年度は「医事紛争に立ち向かう」をテーマに行われました。来年度も、今まで以上に多くの先生方の声をお聴きして、魅力的な講演会を企画していきたいと思います。ご提案をいただければ幸いです。

    【おわりに】
      学術Ⅰ委員会は平成22年度まで部会長をされた伊藤正吾先生の後を引き継ぎ、平成23年度より新たな体制で活動を開始いたしました。平成24年度も中佳一会長のご指導のもと、今までの長い歴史のある講演会に新たな変更や発展を加えながら、5つの基本講演会を開催していきたいと思います。今後とも、神奈川県内科医学会本体事業である学術1部会の講演会開催にご協力とご参加をお願い申し上げます。

    *:「お知らせ」にも掲載