2015年5月29日金曜日

神奈川県内科医学会 第1回総務企画部会議題 2015.06.08

神奈川県内科医学会 第1総務企画部会議題

日時  平成2768日()午後800分-
場所 神奈川県総合医療会館

1開会
2
挨拶 
3
議題
1)平成27年定時総会時学術講演会(平成27516)の反省(資料)
酒井 シヅ先生(日本医史学会理事長、順天堂大学名誉教授)
テーマ「現代からみた江戸の医学
共催メーカー なし
(資料 アンケート集計結果)
平成28年定時総会時学術講演会のテーマについての案

2)第40回臨床医学研修講座の企画
平成279月から10月に、東海大学と第4地区の担当で開催予定。
原則的にアクセスのよい駅近の会場で土曜午後に開催希望。(平塚プレジール)
髙木副会長と梶原副会長にて企画中
※95日(土)は日医セミナー開催予定があり、避けること。

3)平成28年新春学術講演会の企画
日時 平成28121日(木
会場 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ
担当 禁煙・分煙推進委員会   共催 ファイザー製薬?
ホテル会場にて開催のため、費用負担大きく共催メーカーがつくことが必須の条件となる。
禁煙・分煙についての神奈川県の行政側からの視点や、
禁煙外来を進める上での実際的なノウハウを盛り込んだ内容を希望する。

479回集談会の企画
日時 平成28213日(土) 
場所 おだわら総合医療福祉会館(〒250-0055 小田原市久野115-2
担当 第4地区小田原内科医会・足柄上内科医会担当
   
5)その他

4
次回開催について  日時:平成27年 7月 6日()午後800分~ 場所:県総合医療会館



【参考】学術Ⅰ関連講演会一覧表 最近10年間



新春学術講演会
集談会開催地
総会時学術講演会
臨床研修講座
秋季
2016/H28
禁煙・分煙推進
小田原(4


横市(1
なし
2015/H27
糖尿病対策
横須賀(3
医学史・酒井シヅ
東海(4
なし
2014/H26
高血圧・腎疾患
川崎(2
遺伝子・和泉俊一郎
北里(5) 11/1
なし
2013/H25
肝炎対策
横浜(1
iPS細胞・中畑龍俊
聖マリ(2) 9/21
なし
2012/H24
呼吸器疾患
厚木(5
医事紛争・平沼高昭
横市(110/20
川崎(2
2011/H23
糖尿病
厚木(4
腎不全・木村健二郎
東海(4) 9/10
横須賀(3
2010/H22
糖尿病
湘南国際村(3
糖尿病・山田祐一郎
北里(5) 9/18
藤沢(4
2009/H21
糖尿・腎臓
川崎(2
医療行政・行天良雄
聖マリ(2) 9/27
横浜(1
2008/H20
亜鉛
横浜(1
糖尿脂質・肝炎
横市(1) 9/28
横浜(1
2007/H19
胃と大腸
大和(5
医療行政・眼科・メタボ
東海(4) 9/30
横浜(1
2006/H18




糖尿病・医学教育
北里(5) 10/1
横浜(1



2015年5月28日木曜日

TVK健康最前線「C型肝炎の最新治療」 岡 正直

TVK健康最前線「C型肝炎の最新治療」 岡 正直

1-1}慢性肝炎は肝臓の炎症が長びき、肝臓の細胞が壊れ続ける病気です。日本では慢性肝炎の約70%がC型肝炎ウイルスの感染によるものです。治療をせずにこのウイルスに感染した状態を放置すると肝臓の多くの細胞が壊れて失われ、肝臓の中に線維が増加して硬くなり、10年から30年という長い年月をかけて肝硬変や肝がんになる可能性が高まります。日本では肝がんで年に3万人の方が亡くなっていますが、その70%ほどはC型肝炎ウイルス感染によるものです。日本にはC型肝炎ウイルスに感染している人が200万人ほどいると考えられています。この内検診を受けず自身の感染を知らずにいる人が4割近い78万人もいると推定されます。しかも検査で感染が分かっていても病院にいかず治療をしていない方が全体の3割もいるという報告もあります。検査を受けたことを忘れていた、検査結果をおぼえてない、今は症状がないから、重大な病気と思わなかった、感染症なので自然に治ると思った、などが主な理由ですが肝臓は沈黙の臓器といわれ、ウイルスに感染してもすぐに症状はあらわれません。治療を先延ばしにすると病気が進行して肝不全や肝がんとなり、手遅れになる恐れがありますので早めの受診が必要なのです。なお肝炎ウイルス検査は保健所や自治体が委託する医療機関で、原則無料で受けることができます。一般の健診や人間ドックには含まれていないことがあります。肝炎ウイルスに感染していても肝機能検査に異常がない場合もありますので、自分は大丈夫という思い込みはせずに肝炎ウイルス検査を受けることが大切です。こちらに示した項目に一つでも当てはまるものがあればC型肝炎ウイルスに感染している可能性があります。40歳以上でC型肝炎ウイルス検査を一度も受けたことがない。1992年以前に輸血を受けたことがある。大きな手術を受けたことがある。フィブリノゲン製剤や血液凝固因子製剤を投与されたことがある。長期に血液透析を受けている。臓器移植を受けたことがある。薬物濫用者である。刺青をしている。ボディピアスをしている。過去に健診などで肝機能検査の異常を指摘されているにも関わらず、その後肝炎の検査を受けていない。などです。

1-2} C型慢性肝炎の治療には、C型肝炎ウイルスを体内から排除する抗ウイルス療法と、肝臓の炎症を抑えて肝硬変や肝がんへの進行を遅らせる肝庇護療法などがあります。次々とよい薬が開発され、現在治療の中心は抗ウイルス療法となっています。1992年にウイルス一般の増殖を抑えるインターフェロン注射による治療が始まりましたが、当初は持続的ウイルス排除率は10%に達しないものでした。2003年には効果の持続と副作用の低下を可能にしたペグインターフェロンも使われるようになり、2001年に登場した新しい抗ウイルス薬リバビリンとの併用により、持続的ウイルス排除率は50%に向上しました。そして、2011年にはC型肝炎ウイルスに直接作用するプロテアーゼ阻害薬という抗ウイルス薬が登場し、これと先に述べたペグインターフェロンとリバビリンの3剤を24週間投与する3剤併用療法が主流となりました。第一世代のプロテアーゼ阻害薬は皮膚障害をはじめ副作用が多い傾向がありましたが、2013年以降に登場した第二世代のプロテアーゼ阻害薬は副作用も非常に少なくなりました。持続的ウイルス排除率は90%を超えるまでに改善しています。そして2014年にはついにインターフェロン注射を使わない飲み薬のみによる画期的な治療法が登場したのです。
2-1}我が国の慢性肝炎患者さんは年を経るにしたがって高齢者の占める割合が多くなり、残念なことに、肝臓の線維化が進んで肝硬変になっている人も増えています。高齢化や線維化の進展は肝臓がんになる危険性を高めるため一刻も早く有効な治療を開始することが必要です。その一方で今までのインターフェロン治療は高齢者や肝硬変の人には効果が低かったり副作用が出やすかったりするため使いにくいものでした。またうつ病や貧血の人にもインターフェロンは使いにくく、初期のインターフェロン治療でよく見られた、発熱・インフルエンザ様症状・だるさ・脱毛・食欲不振などのつらい副作用により治療を中断せざるを得なかった患者さんが多くいたことも事実です。2014年に登場したインターフェロンを使わない2種類の飲み薬だけによる画期的な治療法は、インターフェロン特有の副作用もなく、高齢者であっても肝臓の線維化があっても効果が落ちることもなく、以前受けたインターフェロンを含む治療がうまくいかなかった人にも効果が期待でき、また一部の比較的状態のよい肝硬変の患者さんにも使うことができるため、これまで治療の対象とならなかった方にも治療の機会が広がってきています。ただし、この薬が効きにくい耐性変異のあるC型肝炎ウイルスに感染している人もいるので治療前にしっかり調べておくことが大事です。場合によっては、従来のペグインターフェロン3剤併用療法の方がよい場合もあるため、肝臓の専門医の診察を受けていただくのがよいと思います。

2-2}実際の治療を受けるに当たっては、新しい肝炎の治療法に詳しい医師に相談するのがよいでしょう。インターネットで日本肝臓学会肝臓専門医を検索してお住まいの地域の医療機関を受診することをお勧めします。インターネットが使えない場合は、各都道府県の肝炎拠点病院の電話窓口で相談することもできます。神奈川県においては肝疾患医療センターが北里大学東病院、聖マリアンナ医科大学病院、東海大学医学部付属病院、横浜市立大学附属市民総合医療センターに設けられています。新しい肝炎治療薬は値段が高く、決まった期間毎日しっかり服用する必要があるため、高額な医療費負担が生じることが問題でしたが、最近では各都道府県において患者さんの医療費負担を軽減するために、C型肝炎ウイルスを排除するための治療に対して医療費助成制度が設けられています。この医療費助成を受けると肝炎治療について患者さんの負担する医療費の金額が世帯所得に応じて月額1万円もしくは2万円までとなります。お住いの地域の保健所で手続きを行いますので、慢性肝炎の治療を受ける予定の医療機関の医師にご相談の上、医療費助成制度を正しく活用されることをお勧めします。過去にC型慢性肝炎の治療を受けてうまくいかなかった人も、治療をうけるのをためらっていた人も、治療が大きく進歩し、医療費の助成制度も整ってきた今こそ医師に相談する絶好のチャンスです。残念ながら日本にはいまだに非常に多くのC型肝炎ウイルスの感染に気づいていない方がいらっしゃいます。早期発見、早期治療に結びつけるためにも、すべての人が、採血だけでできる無料の肝炎ウイルス検診をうけてC型肝炎ウイルスに感染していないかを是非確かめるようにしてほしいと思います。

2015年5月26日火曜日

健康最前線「C型慢性肝炎の最新治療」

健康最前線「C型慢性肝炎の最新治療」 岡内科クリニック院長 岡 正直

1-1}慢性肝炎は肝臓の炎症が長びき、肝臓の細胞が壊れ続ける病気です。日本では慢性肝炎の約70%がC型肝炎ウイルスの感染によるものです。治療をせずにこのウイルスに感染した状態を放置すると肝臓の多くの細胞が壊れて失われ、肝臓の中に線維が増加して硬くなり、10年から30年という長い年月をかけて肝硬変や肝がんになる可能性が高まります。日本では肝がんで年に3万人の方が亡くなっていますが、その70%ほどはC型肝炎ウイルス感染によるものです。日本にはC型肝炎ウイルスに感染している人が200万人ほどいると考えられています。この内検診を受けず自身の感染を知らずにいる人が4割近い78万人もいると推定されます。しかも検査で感染が分かっていても病院にいかず治療をしていない方が全体の3割もいるという報告もあります。検査を受けたことを忘れていた、検査結果をおぼえてない、今は症状がないから、重大な病気と思わなかった、感染症なので自然に治ると思った、などが主な理由ですが肝臓は沈黙の臓器といわれ、ウイルスに感染してもすぐに症状はあらわれません。治療を先延ばしにすると病気が進行して肝不全や肝がんとなり、手遅れになる恐れがありますので早めの受診が必要なのです。なお肝炎ウイルス検査は保健所や自治体が委託する医療機関で、原則無料で受けることができます。一般の健診や人間ドックには含まれていないことがあります。肝炎ウイルスに感染していても肝機能検査に異常がない場合もありますので、自分は大丈夫という思い込みはせずに肝炎ウイルス検査を受けることが大切です。こちらに示した項目に一つでも当てはまるものがあればC型肝炎ウイルスに感染している可能性があります。40歳以上でC型肝炎ウイルス検査を一度も受けたことがない。1992年以前に輸血を受けたことがある。大きな手術を受けたことがある。フィブリノゲン製剤を投与されたことがある。長期に血液透析を受けている。臓器移植を受けたことがある。薬物濫用者である。刺青をしている。ボディピアスをしている。過去に健診などで肝機能検査の異常を指摘されているにも関わらず、その後肝炎の検査を受けていない。などです。

1-2} C型慢性肝炎の治療には、C型肝炎ウイルスを体内から排除する抗ウイルス療法と、肝臓の炎症を抑えて肝硬変や肝がんへの進行を遅らせる肝庇護療法などがあります。次々とよい薬が開発され、現在治療の中心は抗ウイルス療法となっています。1992年にウイルス一般の増殖を抑えるインターフェロン注射による治療が始まりましたが、当初は治癒率は10%に達しないものでした。2003年には効果の持続と副作用の低下を可能にしたペグインターフェロンも使われるようになり、2001年に登場した新しい抗ウイルス薬リバビリンとの併用により、治癒率は50%に向上しました。そして、2011年にはC型肝炎ウイルスに直接作用するプロテアーゼ阻害薬という抗ウイルス薬が登場し、これと先に述べたペグインターフェロンとリバビリンの3剤を24週間投与する3剤併用療法が主流となりました。治癒率は90%を超えるまでに改善しています。第一世代のプロテアーゼ阻害薬は皮膚障害をはじめ副作用が多い傾向がありましたが、2013年以降に登場した第二世代のプロテアーゼ阻害薬は副作用も非常に少なくなりました。そして2014年にはついにインターフェロン注射を使わない飲み薬のみによる画期的な治療法が登場したのです。

2-1}我が国の慢性肝炎患者さんは年を経るにしたがって高齢者の占める割合が多くなり、残念なことに、肝臓の線維化が進んで肝硬変になっている人も増えています。高齢化や線維化の進展は肝臓がんになる危険性を高めるため一刻も早く有効な治療を開始することが必要です。その一方で今までのインターフェロン治療は高齢者や肝硬変の人には効果が低かったり副作用が出やすかったりするため使いにくいものでした。またうつ病や貧血の人にもインターフェロンは使いにくく、初期のインターフェロン治療でよく見られた、発熱・インフルエンザ様症状・だるさ・脱毛・食欲不振などのつらい副作用により治療を中断せざるを得なかった患者さんが多くいたことも事実です。2014年に登場したインターフェロンを使わない2種類の飲み薬だけによる画期的な治療法は、インターフェロン特有の副作用もなく、高齢者であっても肝臓の線維化があっても効果が落ちることもなく、以前受けたインターフェロンを含む治療がうまくいかなかった人にも効果が期待でき、また一部の比較的状態のよい肝硬変の患者さんにも使うことができるため、これまで治療の対象とならなかった方にも治療の機会が広がってきています。ただし、この薬が効きにくいC型肝炎ウイルスに感染している人もいるので治療前にしっかり調べておくことが大事です。場合によっては、従来のペグインターフェロン3剤併用療法の方がよい場合もあるため、肝臓の専門医の診察を受けていただくのがよいと思います。


2-2}実際の治療を受けるに当たっては、新しい肝炎の治療法に詳しい医師に相談するのがよいでしょう。インターネットで日本肝臓学会肝臓専門医を検索してお住まいの地域の医療機関を受診することをお勧めします。インターネットが使えない場合は、各都道府県の肝炎拠点病院の電話窓口で相談することもできます。神奈川県においては肝疾患医療センターが北里大学東病院、聖マリアンナ医科大学病院、東海大学医学部付属病院、横浜市立大学附属市民総合医療センターに設けられています。新しい肝炎治療薬は値段が高く、決まった期間毎日しっかり服用する必要があるため、高額な医療費負担が生じることが問題でしたが、最近では各都道府県において患者さんの医療費負担を軽減するために、C型肝炎ウイルスを排除するための治療に対して医療費助成制度が設けられています。この医療費助成を受けると肝炎治療について患者さんの負担する医療費の金額が世帯所得に応じて月額1万円もしくは2万円までとなります。お住いの地域の保健所で手続きを行いますので、慢性肝炎の治療を受ける予定の医療機関の医師にご相談の上、医療費助成制度を正しく活用されることをお勧めします。過去にC型慢性肝炎の治療を受けてうまくいかなかった人も、治療をうけるのをためらっていた人も、治療が大きく進歩し、医療費の助成制度も整ってきた今こそ医師に相談する絶好のチャンスです。残念ながら日本にはいまだに非常に多くのC型肝炎ウイルスの感染に気づいていない方がいらっしゃいます。早期発見、早期治療に結びつけるためにも、すべての人が一生に一度は、採血だけでできる無料の肝炎ウイルス検診をうけてC型肝炎ウイルスに感染していないか是非確かめるようにしてほしいと思います。

2015年5月21日木曜日

神奈川県内科医学会 第1回肝炎対策委員会 2015.5.27

神奈川県内科医学会 第1回肝炎対策委員会
  日時 平成27年5月27日(木)19:30~
  場所 神奈川県総合医療会館
  
(1)肝炎対策特別講演会
 平成27年3月18日(火)19:00~20:00
 ホテルモントレ横浜3F「ビクトリア」にて
 「IFNフリーのこれからのC型肝炎治療」虎の門病院分院長 熊田博光先生
  共催 ブリストル・マイヤーズ株式会社
 ※遠隔地からの参加者にとっては開始時間が早い。19時30分開始が望ましい。

 秋にギリアドあるいはアッヴィの経口治療の講演会、B型肝炎の講演会を

(2)肝臓病を考える病診連携の会~肝がん撲滅を目指して~

 ■第22回 平成27年6月27日(土)17:00~ 川崎市中原休日救急診療所会議室
 担当 第2地区 小林内科医院 小林明文 先生 共催:田辺三菱製薬

 一般演題
 1.「最近経験した成因不明の急性肝炎重症型の検討」
  昭和大学藤が丘病院 消化器内科 吉田詠里加 先生
 2.「B型肝炎の最近の話題」
  聖マリアンナ医科大学 消化器・肝臓病内科 池田裕喜 先生

 特別講演
 「C型慢性肝炎の現状~IFN freeの時代の到来~」
  川崎市立多摩病院院長 鈴木通博 先生

 ■第23回 平成27年10月24日(土)横須賀セントラルホテル
 担当 第3地区 横須賀共済病院 池田隆明 先生 共催:MSD
 ※10月24日欧州で学会、11月7日肝がん研究会、11月14日世界糖尿病デーあり

 ■第24回 平成28年 担当 第4地区 味の素

 中山名誉会長より、B型肝炎訴訟の弁護士の講演を企画してほしいとの要望あり
 ※医師サイドの認識を深める意味があり、興味ある企画として前向きに検討する

(3)ウイルス肝炎患者掘り起こし事業
 1.横浜内科学会 肝疾患管理病診連携ガイド
  非肝臓病専門医のもとで、気づかれないまま放置されている肝疾患患者の掘り起こし
  ※簡明なスクリーニング法を記したカードを横浜内科学会会員および産科クリニックを中心に配布予定。

 2.市民公開講座
 ■日時:平成27年3月28日(土)午後2時~4時
  会場:ウイリング横浜(上大岡駅・階上)
  肝炎治療講演会~進歩する肝炎治療とB型肝炎ワクチン~
  司会:岡正直先生(岡内科クリニック院長)
  講演1:14:05~14:45
  「B型肝炎ワクチン定期接種化と肝炎ウイルスの基礎研究に関する話題」
    脇田隆字先生(国立感染症研究所ウイルス第2部・部長)
  講演2:14:45~15:25
  「ウイルス肝炎の最新治療」
   永井一毅先生(永井医院・副院長)
  共催:肝臓の会・神奈川、神奈川県内科医学会、ブリストル・マイヤーズ社
  後援:横浜市港南区役所、横浜市港南区医師会

 ■日時:平成27年5月23日(土)午後2時~4時
  会場:藤沢商工会館ミナパーク
  定員:80
  肝炎治療講演会
  司会:宮本京先生
  講演1「完治を目指してC型肝炎の最新治療」
    岩瀬滋先生(藤沢市民病院 消化器内科部長)
  講演2「B型肝炎の感染の現状とB型ワクチン予防接種について」
    乾あやの先生(済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科部長)
  共催:肝臓の会・神奈川、藤沢市内科医会、藤沢市消化器病医会
  後援:神奈川県、藤沢市役所、藤沢市医師会、NPO小児肝臓研究所

(4)小冊子「これだけは知っておきたいC型肝炎・B型肝炎の知識」
 平成27年改訂版内容 6月27日の「肝臓病を考える病診連携の会」での配布目指す
 【C型肝炎】
  1.HCV抗体陽性時の対処の仕方     多羅尾
  2.HCV感染でALT正常ならば肝がんは発生しないか  多羅尾
  3.C型慢性肝炎とC型肝硬変の簡便な臨床鑑別診断法  多羅尾
  4.最近のC型慢性肝炎のインターフェロン療法   岡
  5.インターフェロン不適格とは    永井
  6.経口薬のみによるC型慢性肝炎治療    永井
  7.C型肝炎診療における保険請求上の注意 小林
 【B型肝炎】
  8.B型肝炎ウイルス感染におけるe抗原・e抗体測定の意義  高山
  9.B型慢性肝炎、肝硬変症の最新の治療法   峯
  10.HBs抗原精密測定の意義   峯
  11.B型肝炎ウイルス再活性化と免疫抑制・化学療法との関係  中野
  12.B型肝炎関連抗原抗体系測定における保険請求上の注意 小林
 【肝がん】
  13.臨床医の肝がん早期発見のために    多羅尾
  14.C型肝炎治療後の肝臓がん発症リスクをどう考えるか  多羅尾
  15.B型肝炎ウイルス感染による肝発癌とHBV-DNAとの関係  藤井
  16.B型・C型慢性肝炎、肝硬変症における肝がん発生率について 宮本
 【その他の話題】
  17.肝炎ウイルスを排除できない慢性肝炎・肝硬変症への対応 多羅尾
  18.神奈川県における肝炎治療の医療費助成制度   岡

(5)次回開催 平成27年  月  日( )  :  ~


「お知らせ」平成28年新春学術講演会 神内ニュース74号

神内ニュース74号「お知らせ」神奈川県内科医学会 平成28年新春学術講演会

神奈川県内科医学会平成28年新春学術講演会は、平成28年1月21日(木)に、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて開催される予定です。禁煙・分煙推進委員会の担当で開催される予定となっております。新春学術講演会はテーマについての深く掘り下げた理解が得られる絶好のチャンスです。多くの先生方のご参加をお願い申し上げます。

事業委員会報告(肝炎対策委員会)神内医ニュース74号

事業委員会報告(肝炎対策委員会)  岡 正直

 肝炎対策委員会の事業および今後の計画を以下に記します。

(1)肝炎対策特別講演会

平成27年3月18日(火) ホテルモントレ横浜3F「ビクトリア」にて
 「IFNフリーのこれからのC型肝炎治療」虎の門病院分院長 熊田博光先生
  共催 ブリストル・マイヤーズ株式会社

 C型肝炎に対する新規治療(特に経口剤のみによる治療)が平成27年には次々と登場する予定です。この機会に多くの先生方に最新の正しい肝炎と肝炎治療の知識をお届けする講演会を企画していきます。

(2)肝臓病を考える病診連携の会~肝がん撲滅を目指して~

■第22回 平成27年6月27日(土)17:00~ 川崎市中原休日救急診療所会議室
 担当 第2地区 小林内科医院 小林明文 先生 共催:田辺三菱製薬

 一般演題
 1.「最近経験した成因不明の急性肝炎重症型の検討」
  昭和大学藤が丘病院 消化器内科 吉田詠里加 先生
 2.「B型肝炎の最近の話題」
  聖マリアンナ医科大学 消化器・肝臓病内科 池田裕喜 先生

 特別講演
 「C型慢性肝炎の現状~IFN freeの時代の到来~」
  川崎市立多摩病院院長 鈴木通博 先生

■第23回 平成27年10月24日(土)横須賀セントラルホテル
 担当 第3地区 横須賀共済病院 池田隆明 先生 共催:MSD

(3)ウイルス肝炎患者掘り起こし事業

1.横浜内科学会 肝疾患管理病診連携ガイド
 横浜内科学会の永井一毅先生の主導により、非肝臓病専門医のもとで、気づかれないまま放置されている肝疾患患者を発見し治療に導くため、できる限り簡便な病診連携ガイドを作成し普及させる試みが進んでいます。

2.市民公開講座
■「肝炎治療講演会~進歩する肝炎治療とB型肝炎ワクチン~」
 平成27年3月28日(土)14時~ ウイリング横浜(上大岡)
 講演1「B型肝炎ワクチン定期接種化と肝炎ウイルスの基礎研究に関する話題」
  脇田隆字先生(国立感染症研究所ウイルス第2部・部長)
 講演2「ウイルス肝炎の最新治療」
  永井一毅先生(永井医院・副院長)
  共催:肝臓の会・神奈川、神奈川県内科医学会、ブリストル・マイヤーズ社
  後援:横浜市港南区役所、横浜市港南区医師会

■「肝炎治療講演会」
 平成27年5月23日(土)14時~ 藤沢商工会館ミナパーク
 講演1「完治を目指してC型肝炎の最新治療」
  岩瀬滋先生(藤沢市民病院 消化器内科部長)
 講演2「B型肝炎の感染の現状とB型ワクチン予防接種について」
  乾あやの先生(済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科部長)
  共催:肝臓の会・神奈川、藤沢市内科医会、藤沢市消化器病医会
  後援:神奈川県、藤沢市役所、藤沢市医師会、NPO小児肝臓研究所

(4)小冊子「これだけは知っておきたいC型肝炎・B型肝炎の知識」平成27年改訂版

 平成25年改訂版のあと、ウイルス肝炎治療の大きな進歩があり、各委員の分担執筆により、平成27年前半をめどに最新の内容に改定を行っています。

2015年5月18日月曜日

学会の動き(神奈川県内科医学会の動向)神内医ニュース74号

学会の動き(神奈川県内科医学会の動向)神内医ニュース74号 学術1部会部会長 岡 正直

 神奈川県内科医学会学術1部会が企画担当している講演会は、定時総会時学術講演会、臨床医学研修講座、新春学術講演会そして集談会の4つです。

【平成27年新春学術講演会報告】
 平成27年新春学術講演会が平成27年1月15日(木)19:30~21:15に、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ「日輪」にて開催されました。今回は糖尿病対策委員会の松葉育郎委員長の企画により、「新規糖尿病治療薬への期待と課題」のテーマのもと、2つの講演が行われました。
 中佳一会長の挨拶に続いて、高井内科クリニック院長高井昌彦先生が座長をされた基調講演「神奈川県内科医学会糖尿病対策委員会におけるSGLT2阻害剤の有効性と安全性の検討」を朝日内科クリニック院長 飯塚 孝先生にご講演いただきました。ご講演の内容を簡単に紹介いたします。
 神奈川県内科医学会糖尿病対策委員会では、日常診療において2型糖尿病に対する新規糖尿病薬であるSGLT2阻害剤イプラグリフロジン投与の有効性と安全性を検討するため、臨床研究を開始した。
 イプラグリフロジン25あるいは50mgを用いて、20歳以上で12週以上治療しても糖尿コントロール不良(HbA1c6.0以上)者を対象とし、イプラグリフロジンを一日50ないしは100㎎を52週間投与し、坐位血圧、CBC、生化学、血中インスリンまたはCPR、尿一般、体組成測定(T-SCAN PLUS使用)、空腹時ケトン体測定などを行った。有効性は治療開始時より52週間のHbA1c変化量で評価するものとし、4,12,24,36,52週における血糖、HbA1c、脂質、体組織、体重、ウエスト径などをチェックする。安全性についてはケトン体の変化や、有害事象・副作用にも留意する。また食事行動問診票の記入、生活習慣アンケートも毎回おこなっていく。
 第1報としての1ヶ月めの中間報告では、HbA1c8.1から7.7、血糖195から164、BMI29から28.8、体重77.8から76.7kg、体水分38.4から37.6kg、細胞外水分15.4から15.1kg、ウエスト101から99cmと改善がみられた。また食事行動問診票で「たくさん食べた後悔」が減っていた。副作用については検討中である。4週間の時点ですでにHbA1c改善、食後高血糖改善がみられた。さらに症例を集め、食事行動の変化や生活習慣への影響についても検討したい。
 朝日内科クリニックにおいて、3か月間、26例について同様の検討を行ったので紹介する。対象の平均は52.5歳、身長162.4㎝、3か月後には体重83.3から78.7㎏、BMI31.4から30.2、ウエスト103.5から101㎝、血圧125.8/79.2から122.7/75、血糖242から167、HbA1c9.25から8.4、他にALT、γGTの改善もみられた。体脂肪・内臓脂肪は低下傾向あるが筋肉量は減っていなかった。HbA1cの高い(8.4以上)症例ほどHbA1cの低下量は大きく、HbA1c低下-0.7以上の著効例では投与前HbA1cが有意に高値であった。[終]
 そして松葉医院院長 松葉育郎先生が座長をされた特別講演「糖尿病治療の近未来~新しい治療薬への期待~」を草津総合病院理事長 柏木厚典先生にご講演いただきました。ご講演の内容を簡単に紹介いたします。
 イプラグリフロジンの開発と臨床試験に最初からかかわってきたので、現状と問題点を中心に話したい。
 人口の高齢化と肥満者の増加のため肥満2型糖尿病が増加している。糖尿病患者の40-50%は肥満であり、平均年齢65歳となっている。糖尿病管理は最近10年間で改善傾向みられるが、一方肥満者は年齢が若くコントロール不良で、高血圧、脂質異常症、血管合併症、がんや認知症を合併する傾向もみられ、BMIが25以上の人は年間医療費も高額となる。
 SGLT2阻害剤は近位尿細管での糖の再吸収をブロックすることにより血糖降下作用を発揮する。イプラグリフロジンの国内第3相試験において、著明なHbA1c低下、空腹時血糖低下、体重・腹囲減少、単独使用では低血糖おこさないこと、他の経口薬との併用でも同程度のHbA1c低下効果みられ、一日一回投与ですみ血糖コントロール不良者で大きな効果みられる。また肝機能改善、中性脂肪低下、HDLコレステロール増加、尿酸減少、インスリン抵抗性改善、アディポネクチン増加、レプチン減少もみられた。
 浸透圧利尿に伴う脱水によりHtは2%増加する。ケトン体上昇は投与初期にみられる。腎機能低下(eGFR60未満)者ではあまり効果が期待できない。eGFRは投与初期少し低下するが、長期的には変化見られない。ただし腎機能低下例においては腎障害に注意すること。
 副作用・留意点について述べる。尿路・性器感染(女性に多い。既往のある例では注意)、頻尿・多尿(高齢、利尿薬、下痢・嘔吐、シックデイに注意)、脱水(口渇を訴えないまま脱水になっていることあり。Ht上昇は2%までに抑えること)、低血糖(インスリン、SU剤、グリニド併用に多い)、皮疹(湿疹・紅斑・掻痒などは投与2週間以内の早期に出現しやすい)、またケトアシドーシスは肝障害者、インスリン欠乏状態、低糖質食で起こりやすい。
 適応例としては肥満者(CPI(空腹時CPR÷血糖値(mg/dl)×100)1.2以上)、インスリ抵抗性症例(HOMA-IR2.5以上)、インスリンがよく分泌されている者(CPR1.0ng/ml以上)、メタボリックシンドローム合併例、腎機能が良い者(eGFR45から60以上)、若年から壮年者、NAFLDあるいはNASH合併例、心血管イベントのない者、体重減少を期待する者などがよい適応である。
 最後にいくつかの症例提示を行い講演を締めくくった。[終]
 最後に宮川政昭副会長の挨拶のあと、別室にて情報交換会が行われ、盛会のうちに終了いたしました。
 新春学術講演会は2つの講演が互いに関係する分野の話となるよう企画され、テーマの内容について深く掘り下げた理解が得られるまたとない絶好のチャンスです。

【第78回集談会報告】
 第78回神奈川県内科医学会集談会が平成27年2月14日(土)に横須賀市医師会館(最寄り駅 京急横須賀中央駅)にて横須賀内科医会の担当にて開催されました。横須賀内科医会顧問南信明先生の司会により午後3時から横須賀内科医会副会長野村良彦先生の開会の辞に続き、中佳一会長、横須賀市医師会会長遠藤千洋先生、横須賀内科医会会長沼田裕一先生の挨拶のあと、一般演題16題がすべて口演により行われました。午後5時過ぎより特別講演「生活習慣病とがんの共通分子病態~健康長寿社会を目指して~」を熊本大学院生命科学研究部分子遺伝学分野 尾池雄一教授にご講演いただきました。講演内容の概略を以下に記します。
 高齢化社会となってがんが増えている。また依然として動脈硬化性病変による死亡も多い。
(1)ゲノム医学の進歩が大きく変えた病態成因の考え方
 ゲノムとしてのDNAが転写されトランスクリプトームとしてのRNAとなり、さらにフェノタイプ(表現型)としてのプロテオーム(蛋白)やメタボローム(代謝物)が生成される。近年、転写の過程でのエピゲノムによる制御が遺伝子発現に係わっていることがわかってきた。DNAについているヒストンのメチル化により遺伝情報の転写が抑制されることである。また蛋白質に翻訳されないmicroRNAも遺伝子発現の制御に関与している。このような後天的な表現型の形成には生活習慣の影響が大きく、また腸内細菌の作り出す蛋白が我々の健康に及ぼす作用も注目されている。肥満になりやすい体質も腸内細菌の状態で左右されうるし、ある種の病気の治療法としての便移植(FMT)の臨床応用も大きな可能性を持っている。
(2)生活習慣病とがんの共通分子病態
 日本人の平均寿命の延びは著しいが健康寿命との差は10年ある。百寿者を対象とした研究により慢性炎症と各種疾患との関連性が明らかとなってきた。アンジオポエチン様因子2(ANGPTL2)は内蔵脂肪細胞に多く発現しており脂肪細胞由来の血中循環蛋白である。これが過剰になると脂肪組織の炎症をおこしインスリン抵抗性になったり、血管内皮機能障害をおこすことがわかってきた。またANGPTL2による慢性炎症がDNA障害によるゲノムの不安定化をおこし発癌の原因となる。ANGPTL2の発現の多いがんは運動性高く転移しやすく、腫瘍血管新生も盛んである。現代は不規則な生活により社会的なリズムが失われる傾向がある。リズムを失うことでANGPTL2の過剰作用がひきおこされる。老化に伴いANGPTL2は上昇傾向みられるが、百寿者においては上昇がみられないことは興味深い。[終]
 髙木敦司副会長の閉会の辞のあと、午後7時過ぎより同会館ホワイエにて意見交換会が行われ、次期開催地区の小田原内科医会代理平塚市医師会内科部会会長佐藤和義先生より挨拶をいただき盛況の内に閉会いたしました。

【平成27年度定時総会時学術講演会報告】
 平成27年度定時総会は、平成26年5月16日(土)神奈川県総合医療会館7階講堂にて開催され、引き続き学術講演会が行われました。宮川政昭新会長の開会の挨拶のあと、順天堂大学名誉教授・特任教授であり日本医史学会前理事長でもある酒井シヅ先生をお招きし、中佳一前会長が座長を務め特別講演「現代からみた江戸の医学」をお話しいただきました。ご講演の内容を簡単に紹介します。
 「医療」と「医学」の違いは何かといえば、「医療」は病を治すための人類のあらゆる分野における知識や経験を集大成したものである一方、「医学」は科学的な研究に基づいた体系的な学問であるといえるのではないだろうか。現代の日本の医学は西洋医学の流れの中にあることは言うまでもない。
 西洋医学の始まりは紀元前の古代ギリシャ医学にあり、病気に伴う現象を注意深く観察し、理論をたて、そこから導き出された治療法を確立した素晴らしいものであった。紀元前3~2世紀アレクサンダー大王の東方遠征に伴い古代ギリシャ医学は大きな発展をする。いつの時代でも大きな戦争を契機として医学が進むのは皮肉なことである。古代ローマ帝国の時代にガレノスがあらわれ、古代ギリシャ医学を理論的に集大成したガレノス医学を確立した。これは理論的に整備されたものであったがゆえに、後世の学者は現象としての事実を見ず、ガレノス理論との整合性ばかり考えるようになったことは残念なことである。
 西暦395年古代ローマ帝国は分裂し、東ローマ帝国では古代ギリシャ医学の流れを汲むアラビア医学が、西ローマ帝国ではガレノス医学の流れを汲む僧院医学が、西ローマ帝国の崩壊後も主流となっていった。中世の修道院には付属病院が設けられ修道尼が看護にあたっていた。僧院医学においては新しい研究や積極的な治療が行われることはなく、看護・療養が主体であった。西暦1453年オスマン帝国により東ローマ帝国が滅亡し、逃れた人々により古代ギリシャ医学の流れを汲むアラビア医学がヨーロッパにもたらされた。ここにルネサンスが始まり、古代ギリシャ医学の再興をみることとなった。
 ルネサンス期にはヨーロッパ各地に大学が設立され、人体への本格的な探求が始まった。中世には行われることのなかった人体解剖も盛んに行われるようになり、万能の天才レオナルドダヴィンチによる精密な人体解剖図は驚くべきものである。そして西暦1543年にはヴェザリウスによる本格的解剖書「人体構造論」が著され、西暦1630年にはこの書が日本にも伝来し、それを目にした一部の日本人を驚嘆させるが、日本の西洋医学への開眼はまだ遠い先のことであった。一方ヨーロッパではパレによる外科治療の進歩もあり、17世紀には医学は神学の領域を離れ、科学的研究の対象となっていた。
 それまでのヨーロッパでは血液循環の概念はなかったが、ハーヴェーが科学的研究により西暦1628年「血液循環説」を発表し、ガレノスの考えを否定した。時を同じくして、江戸幕府が将軍家綱の治療のため西暦1674年にオランダより招いたテン・ライネが、日本にはすでに「気の循環」といったハーヴェーの唱えた循環説に通じる考え方があることを知って驚いていることは興味深い。17世紀の哲学者デカルトは「人間は精神と身体から構成されている」という心身二元論を唱え、人間に宿る精神が精巧な自動機械としての身体を操縦しているとの考え方を示した。これに影響を受けた医学者は精密機械としての人体のメカニズムの探求をさらに進めることとなった。レーウェンフックの発明した顕微鏡によりミクロの世界が開かれ、微生物の存在が明らかとなった。またマルピギーの顕微鏡を用いた研究により西暦1661年に肺の毛細血管が発見され、ハーヴェーの血液循環説はついに完成することとなった。
 18世紀には、モルガーニが様々な疾患で亡くなった多くの人の病理解剖を続け、生前の病状と解剖の所見を詳しく比較検討し、西暦1761年に「解剖によって明らかにされた病気の座と原因」を著し、近代病理学思想を確立した。19世紀になるとラエンネックが西暦1816年に聴診器を発明し、診断方法にも進歩が見られた。西暦1867年には日本で明治維新がおこり、西洋医学の急速な導入が行われることとなった。
 江戸時代と現代の医学のもっとも大きな違いは、細菌感染症に対する化学療法ではないだろうか。パスツールとコッホにより近代細菌学の基礎がつくられ、最先端の医学研究の分野として大いに発展した。北里柴三郎や野口英世らの業績も注目すべきものがある。20世紀になるとエールリッヒによる化学療法の開発や、彼の門下の秦佐八郎や志賀潔の活躍のあと、西暦1928年にフレミングによって世界初の抗生物質ペニシリンが発明され、第2次世界大戦中に多くの人が感染症から救われることとなった。
 江戸時代の医学の特色ともいえる「養生の医学」については、残念ながら時間が足りずお話することができなかった。[終]
 講演終了後、羽鳥裕前副会長の閉会の挨拶のあと、総合医療会館1階にて演者を交えて情報交換会が持たれ、盛況のうちに終了いたしました。

【第40回臨床医学研修講座予告】
 第40回臨床医学研修講座は、平成27年●月●日(土)●時より●にて第4地区●内科医会の協力、東海大学医学部の主管にて開催される予定です。多くの先生方のご参加をお願い申し上げます。

【おわりに】
  学術Ⅰ部会は平成22年度まで部会長をされた伊藤正吾先生の後を引き継ぎ、平成23年度より新たな体制で活動を続けてきましたが、平成26年度の終わりとともに伊藤先生も部会を去られることとなり大変残念です。本当にありがとうございました。平成27年度からは神奈川県内科医学会は宮川政昭新会長の下に新体制となり、今までの学術Ⅰ部会は「総務」と緊密に一体化した「企画」に吸収・移行されることになりました。体制が変わっても今までの長い歴史のある講演会に新たな変更や発展を加えながら、4つの基本講演会を開催していきたいと思います。今後とも、神奈川県内科医学会本体事業の講演会開催にご協力とご参加をお願い申し上げます。

特別講演「現代からみた江戸の医学」順天堂大学名誉教授・特任教授、日本医史学会前理事長酒井シヅ先生 2015年5月16日

特別講演「現代からみた江戸の医学」
順天堂大学名誉教授・特任教授、日本医史学会前理事長酒井シヅ先生

 「医療」と「医学」の違いは何かといえば、「医療」は病を治すための人類のあらゆる分野における知識や経験を集大成したものである一方、「医学」は科学的な研究に基づいた体系的な学問であるといえるのではないだろうか。現代の日本の医学は西洋医学の流れの中にあることは言うまでもない。
 西洋医学の始まりは紀元前の古代ギリシャ医学にあり、病気に伴う現象を注意深く観察し、理論をたて、そこから導き出された治療法を確立した素晴らしいものであった。紀元前3~2世紀アレクサンダー大王の東方遠征に伴い古代ギリシャ医学は大きな発展をする。いつの時代でも大きな戦争を契機として医学が進むのは皮肉なことである。古代ローマ帝国の時代にガレノスがあらわれ、古代ギリシャ医学を理論的に集大成したガレノス医学を確立した。これは理論的に整備されたものであったがゆえに、後世の学者は現象としての事実を見ず、ガレノス理論との整合性ばかり考えるようになったことは残念なことである。
 西暦395年古代ローマ帝国は分裂し、東ローマ帝国では古代ギリシャ医学の流れを汲むアラビア医学が、西ローマ帝国ではガレノス医学の流れを汲む僧院医学が、西ローマ帝国の崩壊後も主流となっていった。中世の修道院には付属病院が設けられ修道尼が看護にあたっていた。僧院医学においては新しい研究や積極的な治療が行われることはなく、看護・療養が主体であった。西暦1453年オスマン帝国により東ローマ帝国が滅亡し、逃れた人々により古代ギリシャ医学の流れを汲むアラビア医学がヨーロッパにもたらされた。ここにルネサンスが始まり、古代ギリシャ医学の再興をみることとなった。
 ルネサンス期にはヨーロッパ各地に大学が設立され、人体への本格的な探求が始まった。中世には行われることのなかった人体解剖も盛んに行われるようになり、万能の天才レオナルドダヴィンチによる精密な人体解剖図は驚くべきものである。そして西暦1543年にはヴェザリウスによる本格的解剖書「人体構造論」が著され、西暦1630年にはこの書が日本にも伝来し、それを目にした一部の日本人を驚嘆させるが、日本の西洋医学への開眼はまだ遠い先のことであった。一方ヨーロッパではパレによる外科治療の進歩もあり、17世紀には医学は神学の領域を離れ、科学的研究の対象となっていた。
 それまでのヨーロッパでは血液循環の概念はなかったが、ハーヴェーが科学的研究により西暦1628年「血液循環説」を発表し、ガレノスの考えを否定した。時を同じくして、江戸幕府が将軍家綱の治療のため西暦1674年にオランダより招いたテン・ライネが、日本にはすでに「気の循環」といったハーヴェーの唱えた循環説に通じる考え方があることを知って驚いていることは興味深い。17世紀の哲学者デカルトは「人間は精神と身体から構成されている」という心身二元論を唱え、人間に宿る精神が精巧な自動機械としての身体を操縦しているとの考え方を示した。これに影響を受けた医学者は精密機械としての人体のメカニズムの探求をさらに進めることとなった。レーウェンフックの発明した顕微鏡によりミクロの世界が開かれ、微生物の存在が明らかとなった。またマルピギーの顕微鏡を用いた研究により西暦1661年に肺の毛細血管が発見され、ハーヴェーの血液循環説はついに完成することとなった。
 18世紀には、モルガーニが様々な疾患で亡くなった多くの人の病理解剖を続け、生前の病状と解剖の所見を詳しく比較検討し、西暦1761年に「解剖によって明らかにされた病気の座と原因」を著し、近代病理学思想を確立した。19世紀になるとラエンネックが西暦1816年に聴診器を発明し、診断方法にも進歩が見られた。西暦1867年には日本で明治維新がおこり、西洋医学の急速な導入が行われることとなった。
 江戸時代と現代の医学のもっとも大きな違いは、細菌感染症に対する化学療法ではないだろうか。パスツールとコッホにより近代細菌学の基礎がつくられ、最先端の医学研究の分野として大いに発展した。北里柴三郎や野口英世らの業績も注目すべきものがある。20世紀になるとエールリッヒによる化学療法の開発や、彼の門下の秦佐八郎や志賀潔の活躍のあと、西暦1928年にフレミングによって世界初の抗生物質ペニシリンが発明され、第2次世界大戦中に多くの人が感染症から救われることとなった。
 江戸時代の医学の特色ともいえる「養生の医学」については、残念ながら時間が足りずお話することができなかった。

2015年5月15日金曜日

平成27年度定時総会時学術講演会 アンケート 2015年5月16日(土) 

神奈川県内科医学会 平成27年度定時総会時学術講演会
アンケート 2015516() 

 本日は神奈川県内科医学会平成27年度定時総会時学術講演会にご参加いただき、誠に
ありがとうございます。今後の講演会の企画・運営に役立てたいと存じますので、なにとぞ以下の
アンケートにお答えいただければ幸いです。今後とも神奈川県内科医学会の活動にご協力のほど
お願い申し上げます。
                                        学術1部会 部会長 岡 正直 

1.
あなたは神奈川県内科医学会の会員ですか?  [はい]  [いいえ]

2.
本日の講演会のことをどうやってお知りになりましたか? (複数回答可)

  [FAX] [ちらし] [製薬会社MR] [神内医ニュース] [会報] [会議で] [ホームページ]
  [ツイッター] [はがき] [知り合いから] [その他                ]

3.
本日の講演会に参加された動機は何でしょうか? (複数回答可)

  [神内医の講演会だから] [テーマに興味があったから] [点数がとれるから]
  〔その他                                                  〕 

4.
本日の講演はあなたにとって役に立ったと思われますか?また、時間配分は適切でしたか?

  「現代からみた江戸の医学」
  順天堂大学名誉教授・特任教授、日本医史学会前理事長 酒井 シヅ 先生
  講演内容  [とても役立った] [役立った] [理解できなかった]
  時間配分  [短い] [やや短い] [適切] [やや長い] [長い]  

5.
今後の講演会で取り上げてほしいテーマや演者があれば教えてください。
(医療関係以外のテーマでも結構です)
  テーマ                                                  ]
  演 者 [                                                                                     ]

6.
あなたの年齢、所属機関や専門分野を問題ない範囲で教えてください。
    
年齢   [30以下] [31-40] [41-50] [51-60] [61-70] [71-80] [81以上]
    
所属機関 [診療所] [病院] [大学] [その他                                    ]
  専門分野  [                                                                                           ] 

                                                                                  ご協力ありがとうございました   

神奈川県内科医学会 平成27年定時総会時学術講演会 2015年5月16日アンケート

神奈川県内科医学会 平成27定時総会時学術講演会
2015
516日アンケート

 本日は神奈川県内科医学会平成27定時総会時学術講演会にご参加いただき誠に
ありがとうございます。今後の講演会の企画・運営に役立てたいと存じますので、なにとぞ以下の
アンケートにお答えいただければ幸いです。今後とも神奈川県内科医学会の活動にご協力のほど
お願い申し上げます。
                                   学術1部会 部会長 岡 正直 
1.
あなたは神奈川県内科医学会の会員ですか?  [はい]  [いいえ]

2.
本日の講演会のことをどうやってお知りになりましたか? (複数回答可)

  [FAX] [ちらし] [製薬会社MR] [神内医ニュース] [会報] [会議で] [ホームページ]
  [ツイッター] [はがき] [知り合いから] [その他                ]
3.
本日の講演会に参加された動機は何でしょうか? (複数回答可)

  [神内医の講演会だから] [テーマに興味があったから] [点数がとれるから]
  〔その他                          〕                         
4.
本日の講演はあなたにとって役に立ったと思われますか?また、時間配分は適切でしたか?

  現代からみた江戸の医療
  日本医史学会理事長、順天堂大学名誉教授 酒井 シヅ先生
  講演内容  [とても役立った] [役立った] [理解できなかった]
  時間配分  [短い] [やや短い] [適切] [やや長い] [長い]  
5.
今後の講演会で取り上げてほしいテーマや演者があれば教えてください。
(医療関係以外のテーマでも結構です)
  テーマ                                    ]
  演 者[                                                                         ]
6.
あなたの年齢、所属機関や専門分野を問題ない範囲で教えてください。
    
年齢   [30以下] [31-40] [41-50] [51-60] [61-70] [71-80] [81以上]
    
所属機関 [診療所] [病院] [大学] [その他              ]
  専門分野  [                                                            ] 


ありがとうございました