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2012年11月18日日曜日

第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演2 痛み・しびれ・脱力のみかた

第26回日本臨床内科医学会(徳島県)教育講演2 痛み・しびれ・脱力のみかた

しびれ痛み同時は注意が必要である。手根管症候群は頚椎症と間違われやすい。
しびれ痛みは知覚神経の異常発火によって起こる(神経因性疼痛、神経障害性疼痛)ことが多いため、異常発火を抑える抗痙攣薬効果あるがNSAIDなどの痛み止めは無効である。テグレトール、ランドセンは眠くなるので少量から始めること。皮疹にも注意すること。精神的な原因によるものは抗うつ薬SSNRI(トレドミン、サインバルタ)などが効果的である。
肩こり、腰痛は複雑だ。
軽度な頭痛でも軽いクモ膜下出血の場合もある。
高齢者では熱発のない髄膜炎もあるので項部硬直を見逃さないこと。
太っている人が急にやせたとき、突然発症の大腿外側の痛みと知覚低下の場合、外側大腿皮神経炎を考える。
手根管症候群の関連痛として肩の痛みを訴えることがあり、頚椎症との鑑別が難しいが、薬指の両脇の知覚に左右差があれば手根管症候群、頚椎症なら差がないことにより鑑別できる。
手根管症候群は実は多いが見逃されているか、頚椎症と診断されていることが多い。手根管症候群の痛みは虚血性であり、透析シャントの合併症としてよく見られる。夜間のしびれ痛みが強いのが、頚椎症では見られない特徴である。手根管開放術直後より改善する。
しびれの原因として糖尿病は重要である。糖尿病性神経障害は手根管症候群を伴い、頚椎症も多い。振動覚が早期に低下し、アキレス腱反射も低下消失する。急激な血糖補正は慢性疼痛を誘発するので注意する。ポリニューロパチーは糖尿病で多いが、最も長い足先の知覚神経の神経伝導検査を行うことにより診断できる。
手と口が同時にしびれる手口症候群は小さな脳梗塞の診断に有用である。
腰痛でラセーグ兆候があれば坐骨神経痛。
肩こりは日本人に特有か?痙性斜頚はボツリヌス毒素(神経筋接合部でのアセチルコリンを遮断)が効果的である。脳卒中の後遺症や偏頭痛にも効果ある。
全身が痛く、こめかみが痛く目がかすんできた。血沈を測ると亢進していれば、リウマチ性多発筋痛症を考える。すぐにステロイド治療をしなければ失明の危険あり。
脱力では徒手筋力テストを行う。近位筋なら筋疾患、遠位筋なら末梢神経疾患、左右の半身なら中枢性、つかれやすいときは重症筋無力症などを考える。脱力を診るのにMRCスケールは役立つ。C7は頚椎症で障害されやすい。C7支配の円回内筋が大丈夫であれば、頚椎症ではないといえる。
見逃されやすい新しい難病CIDP(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)は慢性ギランバレーと考えてよい疾患で、ステロイドやガンマグロブリンが奏効する。
ALSと頚椎症との鑑別も大事である。伝導ブロックを呈する治るALSもあるので伝導検査を行うことは重要である。
脳卒中は増えており、その3分の2は社会復帰できない。ワーファリンINR1.5-2でコントロールすること。プラザキサはCKDのある人には注意すること。
脳卒中ごの痙縮で動けない人に対してボツリヌス毒素で劇的改善がみられたことがNHK「ためしてがってん」で紹介された。視床痛に対してもボツリヌス毒素による治療が効果見られている。

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