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2014年6月20日金曜日

膠質反応  ZTT TTT

膠質反応

■生理的意義

  主に血清アルブミンの減少とγ-グロブリンの増加を反映

沈殿しやすいγ-グロブリンが増加すれば高値に、アルブミンが多くなれば安定化(保護膠質作用)し沈殿が抑制され低値に

血清に種々の蛋白変性試薬を加え、混濁や沈殿の生成を測定するもの

■臨床的意義

各種肝障害時における複数項目の血清蛋白成分の量的、質的異常を迅速簡便かつ安価に知る方法として現在もなお使用されている

TTTおよびZTTは主として肝障害を見るための歴史的かつ代表的な血清膠質反応

■ZTT(硫酸亜鉛混濁試験 別名:Kunkel試験

・測定法
  ベロナール緩衝液でpHを7.6とし、γ-グロブリンの電荷を減らし、Zn2+を結合、沈殿させる
  BaSO4を比濁標準液として比濁定量する(660nm)

・基準値
  2.0~12.0 U(Kunkel 単位)
  (Kunkel単位 = Shank Hoagland単位 = Malagan単位×2 )

・臨床的意義
  IgGおよびIgMとよく相関し、慢性の感染症、炎症、慢性肝炎、肝硬変、多発性骨髄腫などで高値
  肝障害を見るための代表的な血清膠質反応

  [高値を示す病態]
 肝疾患(慢性肝炎、肝硬変)、高脂血症、慢性感染症、膠原病、ネフローゼ症候群、多発性骨髄腫

■TTT(チモール混濁試験
・測定法
  ベロナール緩衝液でpHを7.55±0.03とし、チモールの飽和液を加えて、沈殿させる
  BaSO4を比濁標準液として比濁定量する(660nm)
  蛋白変性試薬としてチモール(thymol)飽和バルビタール緩衝液を用いる
  チモールはフェノールの誘導体で、一つの弱い極性基(-OH)と数個の非極性基(-CH3)を持っており、非極性基の部分がβやγ分画に属
  するグロブリンと結合し混濁を生じさせる

・基準値
  4.0 U 以下

・臨床的意義
  ZTTと並び、代表的な血清膠質反応による肝機能検査
  特にγ-グロブリンのIgMとよく相関し、急性肝炎(とりわけA型肝炎)や慢性活動性肝炎、肝硬変で高値

  [高値を示す病態]
 肝疾患、高脂血症、慢性感染症、膠原病、ネフローゼ症候群、多発性骨髄腫

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