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2014年5月26日月曜日

神奈川県内科医学会平成26年度定時総会時学術講演会特別講演 「これからは遺伝子医療の時代:知っておきたいこと」

神奈川県内科医学会平成26年度定時総会時学術講演会特別講演
 「これからは遺伝子医療の時代:知っておきたいこと」
東海大学医学部 専門診療学系産婦人科学 教授
東海大学医学部付属病院 遺伝子診療科 科長 和泉 俊一郎

遺伝子検査 保険収載されているものは神経疾患が多い。遺伝専門医は少ない。一般臨床医は最低限の遺伝カウンセリング能力を身に着ける必要がある。
遺伝子検査は保険収載され商業ベースにのっているもの、保険収載されてはいないが商業ベースにのっているもの、商業ベースにのっていない研究室段階のものがある。
2003年にヒトの全ゲノムが解明され、ゲノムマップを手に入れることができるようになった。
病気は遺伝因子と環境因子の複合によって起こる。純粋に遺伝因子によって起こるのは、単一遺伝病であり、一方純粋に環境因子で起こるのは事故や感染症などである。糖尿病や高血圧は多因子遺伝病であり、遺伝因子と環境因子の絡み合いによって発症する。
次世代シークエンサーの登場によりゲノム解析はきわめて簡単になった。
近未来の日本を舞台にしたアニメーション「ゲノムカード」において、近未来の医療では各人の遺伝子の個人差に基づいて診断治療が行われるようになること、健康は遺伝子だけでは決まらないこと、究極の個人情報であるゲノム情報を保護することの重要性などが示された。
ヒトとチンパンジーのゲノムの違いは1.2%、ヒトとヒトの間のゲノムの違いは0.1%に過ぎない。
オーダーメイド医療
ゲノムの修飾(メチル化)エピジェノミック変化
HBOC(Hereditary Breast and Ovarian Cancer:遺伝性乳がん卵巣がん症候群)
家族性卵巣がんBRCA1、BRCA2の病的変異保有率、不明な点も多い。
NIPT(NonInvasive Prenatal genetic Testing:無侵襲的出生前遺伝学検査)は20mlの採血で遺伝子異常を知ることができる。ダウン症は母親の年齢が上がるにつれ発症が多くなる。20-29歳において1000分の1の確率でダウン症発生する。35歳以上で急に増える。羊水穿刺による流産リスクも200人に1人ある。

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