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2015年10月13日火曜日

エボラ・MERS・デング熱などの国際感染症は国内で発生・流行するか

第29回日本臨床内科医学会教育講演3要旨
「エボラ・MERS・デング熱などの国際感染症は国内で発生・流行するか」 川崎市健康安全研究所 所長 岡部信彦
毎年、世界中で新興感染症が発生しているが、日本での患者発生はわずかである。わが国への侵入はいつでも起こりうるが、それが流行拡大するかどうかは別問題である。感染症の重症度、うつり易さ、タイミングを考慮しリスク分析を速やかに行うことである。感染防御には、紙マスク、手袋、ガウン、手洗いなどの標準予防策がいつどこでもできるようにすることが重要である。SARS、MERS、デング熱、エボラ出血熱感染事例の詳細な資料を提示し、その顛末と今後の対策の話があった。いずれの事例でも基礎疾患を持つ人の死亡が多い傾向があった。今年日本で行われた、ある国際大会参加者に発生した髄膜炎菌感染事例にもふれ、オリンピック開催を前に海外から多くの人が集まる場での感染症対策を強化すべきである。嬉しいニュースとして今年日本が麻疹排除認定を受けたことが紹介された。これは麻疹ワクチン接種率向上によるところが大きいが、今後輸入感染症として引き続き警戒を緩めないことである。まとめとして、標準予防策、個人の健康管理(マスク、手洗い、うがい、予防接種、慢性疾患管理など)、新興感染症発生時の冷静な対処を強調された。

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