ページ

2011年11月27日日曜日

肝機能異常(ALTまたはGPT高値)を放置していませんか?

肝機能異常(ALTまたはGPT高値)を放置していませんか?
定期健康診断や医療機関での血液検査で、肝機能異常(ALTまたはGPT高値)を指摘されていませんか?
「たぶんお酒の飲みすぎではないか」と勝手に思い込んで、何年も放置していませんか?
 上のグラフに示すように、わが国では肝臓病の原因としてアルコールの占める割合は低く、80%は肝炎ウイルスによるものです。
 肝炎ウイルスによる慢性肝炎をそのまま何年も放置すると、肝臓の破壊がすすんで硬くなり、肝硬変になります。
 肝硬変になると、年間8%の高い率で肝がんが発生したり、生命維持に必要な働きがだめになってしまう肝不全になったりして死亡することもあります。
 肝がんによる死亡者数は増え続けており、年間3万人を超える人が命を失っています。
 ALTまたはGPTの数値がいつも30を超えている人は、何らかの肝臓病が潜んでいる可能性が高いので、必ず肝炎ウイルスに感染していないかを調べる検査(HBs抗原やHCV抗体)を受けてください。
 その結果感染が疑われる場合は、一刻もはやく肝臓専門医を受診するようにしてください。

ALT(GPT)とは
 肝細胞に多く含まれる酵素で、肝細胞の壊れ具合の目安となります。肝炎ウイルスなどが原因で肝臓に炎症がおこると、肝細胞が壊されて、この酵素が血液中に流れ出してきます。基準値(正常値)は医療機関によって多少異なりますが、33-40以下に設定されています。しかし本当に正常の人は30以下です。
(岡内科クリニック院長 岡 正直)

0 件のコメント: