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2016年10月23日日曜日

日本臨床内科医学会 教育講演1「頭痛大学~頭痛の総括的理解~」温知会間中病院院長 間中信也先生 2016.10.9

日本臨床内科医学会 教育講演1「頭痛大学~頭痛の総括的理解~」
温知会間中病院院長 間中信也先生

 頭痛の多くは慢性頭痛で心配ないものだが、危険な頭痛を見逃さないために一次性(慢性)と二次性(症候性)の鑑別のためのABCDE診断を行うことである。Acute初めての頭痛は症候性を疑う。Bind普段から頭痛があるが今回はいつもと違う頭痛は症候性の可能性あり。Chronicいつもの頭痛は慢性頭痛。Daily慢性連日性の頭痛は心療内科的要素が大きい。Excess鎮痛剤を連日服用の場合は薬剤の使用過多による頭痛(MOH: Medication Overuse Headache)を考える。
 慢性頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛がある。片頭痛の診断は(a)発作5回以上(b)4~72時間(c)片側性・拍動性・重度・動作増悪のうち2項目(d)悪心嘔吐・光音過敏のいずれか(e)他の疾患なしを満たせば診断できる。治療はトリプタン。重症の場合は予防治療を行う。緊張型頭痛は頭重に相当する頭痛である。群発頭痛は一側眼窩部の短時間だが極めて激しい頭痛発作が1~2ヶ月連日出現する特徴的な頭痛で、酸素吸入が有効である。
 普段と異なる頭痛は症候性を疑う。くも膜下出血の軽症例は一般外来に歩いて受診することがある。最近、爆発的な雷鳴頭痛の原因として可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS: Reversible Cerebral Vasoconstriction Syndrome)が注目されている。
 詳細は頭痛診療トータルマネジメントブックhttps://www.dropbox.com/s/qsj6f2nifobmpe4/Headache.pdfを参照されたい。

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