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2011年9月12日月曜日

1)「COPD(慢性閉塞性肺疾患)の現状と今後の対策」呼吸器内科 阿部 直

1)「COPD(慢性閉塞性肺疾患)の現状と今後の対策」呼吸器内科 阿部 直
COPDは可逆性の少ない進行性の気流制限を特徴とし、予防と治療が可能な疾患である。日本のCOPDの死亡率はこの30年間に約3倍に増加し、死因では第10位となった
。米国ではすでに死亡率が第4位となり、全世界では2020年に社会的経済的負担の面でCOPDが第5位の疾患となることが予想されている。日本におけるCOPDの有病率は70歳以上では17.4%と非常に高く、その90%が診断されていない。画像上は、胸部単純X線および胸部CTで気腫性病変が有意に認められる気腫型COPD(肺気腫病変有意型)と気腫性病変がないか微細に留まる非気腫型COPD(末梢気道病変有意型)に分けられる。治療と管理は、重度に応じて、危険因子の除去、複数の気管支拡張薬、ステロイドの吸入、在宅酸素療法が主体となる。COPDの発症、重症化の防止のためには、個人の禁煙のみでなく、社会全体のたばこ消費量を低減することが重要である。

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