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2019年7月30日火曜日

急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)を読み解く

急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)を読み解く
    横浜市立大学付属市民総合医療センター心臓血管センター
                         木村 一雄
冠動脈硬化を基盤とした心筋虚血を生じる疾病群は心筋壊死の有無により心筋梗塞、狭心症と分類されているが、治療を行う上では発症時の病態を念頭に置いた分類の方がより臨床的有用性が高いと考えられる。このような考えのもとに、1992年Valentin Fusterらは冠動脈内膜のプラークの破綻とそれに伴う血栓形成により冠動脈内腔の高度狭窄または閉塞に起因する病態を急性冠症候群と定義し、病歴、心電図、心筋バイオマーカーを基にした診断・治療をより明解にした。この症候群をターゲットとした研究は数多く行われ、その結果はガイドライン作成に寄与し臨床現場での予後改善に反映されている。本講演では本年3月に発表されたJCS急性冠症候群ガイドライン2018について概説する。


木村 一雄 昭和28年12月10日生
昭和54年3月  横浜市立大学医学部卒業
昭和56年5月  横浜市立大学医学部第2内科入局
昭和56年6月  横浜南共済病院第2内科医員
昭和57年5月  国立循環器病センター内科心臓部門レジデント
昭和60年6月  横浜市立大学医学部病院第2内科医員
昭和60年12月 藤沢市民病院循環器科医員
昭和61年6月  国立循環器病センター内科心臓部門研究生
昭和62年6月  横浜市立大学医学部病院第2内科医員
平成元年6月  横浜市立大学医学部附属浦舟病院救命救急センター助手
平成4年6月  横浜市立大学医学部附属浦舟病院救命救急センター講師
平成12年1月  横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター循環器内科教授
平成17年4月  公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター
循環器内科教授
平成31年4月 公立大学法人横浜市立大学客員教授、名誉教授
        横浜市立大学附属病院循環器センター部長(兼任)
          横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター部長(兼任)    
        現在に至る
日本循環器学会社員、循環器専門医、Circulation Journal誌Editorial Board
日本循環器学会関東甲信越地方会評議員  FJCS
日本心血管インターベンション治療学会名誉会員
日本冠疾患学会理事 FJCA  
日本心臓病学会特別正会員、評議員  FJCC
日本内科学会認定内科医
編集委員 心臓、ICUとCCU
日本循環器学会ガイドライン作成
循環器病の診断と治療に関するガイドライン
2006-2007年度合同研究班報告
急性心筋梗塞(ST上昇型)の診療に関するガイドライン 班員
冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン 班員
冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン 班員
循環器医のための心肺蘇生法・心血管救急に関するガイドライン 班員
2008年度合同研究班報告
急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン 班員
2010年度合同研究班報告
   心筋梗塞の2次予防に関するガイドライン 班員
2011年度合同研究班報告
   急性冠症候群の診療に関するガイドライン 班員
2013年度合同研究班報告
急性心筋梗塞(ST上昇型)の診療に関するガイドライン改訂版 班長
  冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン改訂版 班員
2017-2018年度合同研究班報告
  急性冠症候群ガイドライン 班長
冠動脈血行再建ガイドライン 外部評価委員
  冠動脈疾患診断ガイドライン 班員
  
受賞:平成30年度日本心臓病学会  教育貢献賞

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