第4回情報システム事業部会
平成30年3月27日(火)午後7時30分 横浜市医師会大会議室
○会長挨拶
議 題
1.平成29年度日本医師会医療情報システム協議会への参加報告(資料
1)
根上常任理事より、本年2月3日・4日の両日、日本医師会館において開催された日本医師会医療情報システム協議会について詳細な報告があった。
特に医療・介護連携においては、個人情報保護法のガイドライン上に「BYOD(bring
your own device:個人持ち携帯機器による運用)の原則禁止」がうたわれたため、これまで
BYODにより運用されていた医療介護連携をはじめとする医療連携の現場に問題が生じており、国によるこの点の緩和が必要ではないかとの見解が示された。
2.第8回横浜市ICTを活用した地域医療連携ネットワーク研究会報告(資料
2)
根上常任理事より、本年2月27日、資料の通り第8回横浜市ICTを活用した地域医療連携ネットワーク研究会が開催された旨報告された。今回のトピックスは、3月22日付のメディファクスにも掲載された「横浜市ICTを活用した地域医療連携ネットワークガイドライン」が策定されたことである。
3.日医特定健康診査システムの提供中止について(資料
3)
本件は、既に各区医師会に通知済みの案件。
現在ORCAプロジェクトより無償で公開されている「日医特定健康診査システム」の提供を3月末で中止する旨の通知。なお、4月以降は、国立保健医療科学院から、これに代わるフリーソフトが提供されることから問題は生じない。
4.平成30年度日本医師会医療情報システム協議会の日程変更について(資料
4)
日本医師会医療情報システム協議会は年々参加者が増加しており、今年は参加をお断りした先生がいることから、来年は別会場とし平成31年3月2日・3日に開催日を変更する旨の通知。なお、会場は文京シビックホールで調整中とのこと。
5.平成30年度情報システム事業部会事業計画案の修正について(資料5)
今年度より、従来の羅列式ではなく、日本医師会にならった形に変更することとなり、資料の通り変更した旨報告され、部員一同の了承が得られた。
6.医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス(資料6)
根上常任理事より、17ページ下段の③公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難である時の項目の(例)に、次の通り記されていることが報告された。なお、このガイダンスは各区医師会へ郵送済み。
「がん検診の制度管理のための地方公共団体又は地方公共団体から委託を受けた検診機関に対する精密検査結果の情報提供」
7.その他
○平成29年度区医師会IT研修経費補助事業の申請は平成30年4月10日(火)まで
申請のあった区:旭区・港南区・中区・金沢区・神奈川区・都筑区・瀬谷区
申請しない区:西区・磯子区・栄区・鶴見区
次回開催予定
平成30年
5月29日(火)午後7時30分~ 会場:横浜市医師会大会議室
注)第4火曜日に医学研修の日が開催されるため、第5火曜日開催
(資料1)
Ⅰ.改正個人情報保護法の医療現場への影響について-特に医療・介護連携において
指定発言 目々澤
肇 東京都医師会理事
今回の個人情報保護法改正はガイドライン上に「BYOD(個人持ち携帯機器による運用)の原則禁止」がうたわれたことにより、これまでBYOD
により運用されていた医療介護連携をはじめとする医師間連携の現場には深刻な影響が発生している。これらの連携において、BYOD
の利用率がかなり高いことは、昨年の東京都医師会の調査や2016
年の日医総研ワーキングペーパーでも明らかにされている。
確かに、スマホで入力された記録や写真からは個人の特定が可能となり、もしもの場合には患者個人情報の漏洩という危険度がある。とはいえ、最近のスマートフォンでは「Sandbox」という仕組みでアプリケーション間のメモリリークの可能性は減弱しており、さらに医療に特化した非公開型SNS
であれば十分な防御がなされている。また、メールを介したウイルスによる被害はBYOD
であろうと仮にMDM(企業などで社員に支給する携帯情報端末の設定を管理するシステム)で管理された業務用端末であろうと全く変わりない。
BYOD
原則禁止の方針は2025
年問題に対しICT
を用いて少しでも現場の負担を軽くしよう、という当初の本質・趣旨に反するものではないか。この制限により、せっかく普及しかけている非公開型SNS
による安全な連携が崩れ、決して安全とは言えないLINE
やFacebook
などの公開型SNS
の利用へと逆行してしまうという現象を引き起こすことを懸念する。
(資料2)
(資料3)
(資料4)
(資料5)
平成30
年度
情報システム事業部事業計画(案)
日々進歩する情報システムを幅広く調査・研究し、会員や各区医師会事務局の業務の効率化に役立つ情報システムの導入が適正に行なえるようにし、それに伴う必要な勉強会を企画立案する。今後使用用途が増えることが期待される日本医師会電子認証センター発行の「医師資格証」の普及に努める。横浜市
ICTを活用した地域医療連携ネットワーク研究会では、医療、介護などの多職種連携のツールとしてのICT
活用、病診連携のツールとしてのICT
活用、医療等IDを用いた個人健康情報管理体制の整備などについて研究しており、その成果について本会においても検証し、会員のニーズに合うよう意見具申する。個人情報保護法改正に関する研究を行い、要点を会員に周知して行く。
(資料6)
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