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2014年10月15日水曜日

日本臨床内科医学会 盛岡 教育講演8 「食塩と高血圧~日常診療での食塩摂取量評価の重要性について~」 岩手県立中央病院 川村実先生

日本臨床内科医学会 盛岡 教育講演8 
「食塩と高血圧~日常診療での食塩摂取量評価の重要性について~」 岩手県立中央病院 川村実先生

ほぼ全ての医師が減塩指導の必要を感じている一方、食塩摂取量の評価はほとんど出来ていない。摂取量の測定方法が繁雑で日々のばらつきが大きいことが理由である。加齢に伴う高血圧を抑制するには減塩が効果的で、旧石器時代の一日摂取量である1-2g程度になれば高血圧はなくなるとされる。英国は2025年には3gを目指し、日本は2011年に11gを達成し次の目標は6gである。個々の患者の摂取量の簡便な評価方法として起床後第2尿法を提唱する。起床後最初の尿は捨て、朝絶食のまま医院で採取した2回目の尿のNa,Cre,性,年齢,身長,体重から公式を元に算出する。臥位によるNa排泄増加が誤差の原因となるため起床後は臥位にならないこと。この方法を用いた盛岡市での食塩摂取量と血圧の関係についての臨床研究のデータを示す。減塩による降圧への反映は年月を要する傾向があり、Naを減らすとK摂取も同時に減少しがちである。暫定的な目標として、一日塩分摂取を9g以下とし、Kなどのミネラル摂取不足に気をつけよう。

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