ページ

2016年6月15日水曜日

第6回情報システム事業部会 2016.5.24

第6回情報システム事業部会
日時:平成28年5月24日(火)午後7時30分 会場:横浜市医師会大会議室     

〇恵比須常任理事挨拶
議 題
1.「保健医療情報分野の標準規格(厚生労働省標準規格)について」の一部改正について(資料 1)

2.電子処方せん運用ガイドラインの策定について(資料 2)

3.「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律等の施行等について」の一部改正について(資料3)

4.第2回ICTを活用した地域医療連携ネットワーク研究会報告(資料 4)

5.「会員の為の日医ITフェア」についての案内(資料 5)

参考:http://www.med.or.jp/japanese/members/info/sys/2015/ppt/ueno2_ppt.pdf

6.インターネット等の情報通信機器を用いた診療(いわゆる遠隔診療)を提供する事業に関する厚生労働省の見解(資料 6)

【協議事項】

7.情報システム事業部が主催する勉強会の開催について(資料 7)

その他
 次回部会開催予定について  日 時:平成28年 7月26日(火)午後7時30分~ 会 場:本会大会議室 

(資料 2)電子処方箋の運用ガイドラインの策定について(厚生労働省)
 処方箋は医師・歯科医師から薬剤師への処方内容の伝達だけでなく、患者自らが処方内容を知ることができる、患者にとって最も身近な医療情報の一つである。処方箋の電子化は、医療機関と薬局の連携や服薬管理の効率化に資するだけでなく、電子版お薬手帳との連携により、患者自身の服薬情報の履歴の電子的な管理にも資する。
 このため、今般「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法令」の一部を改正し、処方箋の円滑な運用や地域医療連携の取り組みを進め、できるだけ早く国民がそのメリットを享受できるよう「電子処方箋の運用ガイドライン」を策定した。

 【運用の考え方と要件】
●電子処方箋の導入は、単に処方箋の電子化を進めるのではなく、地域医療連携の取り組みと併せて普及させていくことで、医療機関と薬局との情報連携を一層進めていくものである。
●電子処方箋への医師・歯科医師・薬剤師の署名については、HPKI(保健医療福祉分野における公開鍵基盤)を活用することで、処方箋の安全な送信を確保することとしている。
●電子処方箋の運用のためのネットワーク回線等については、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインに従って回線の経路の暗号化等を実施するなど、セキュリティ面での対策を講じることとしている。





(資料 1)「保健医療情報分野の標準規格(厚生労働省標準規格)について」の一部改正について








(資料 3)「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律等の施行等について」の一部改正について
【主な改正点(下線部分)】


(資料 4)第1 回横浜市ICT を活用した地域医療連携ネットワーク研究会議事要点
本資料は、第1 回研究会の議事内容要約です。(第2回での報告事項は下線で記載)
議題1.国内の検討・導入状況について
地域医療連携ネットワークは、地域医療再生基金を契機に、2011 年以降に急激に増加
成功とされる事例でも、継続運用や規模拡大に向けた課題あり
議題2.各委員からの事前ヒアリングについて
(1)個別連係業務の観点から
ICT 活用として、病-病連携、転院時や救急時に受入側の患者事前把握
リビングウィルに反した高度急性期病院への救急搬送は改善必要
在宅医療は、チーム情報共有だけではなく、退院時の病院側からの情報提供も必要
電子お薬手帳は有用だが、費用負担やメーカー間での仕様差など、課題あり
予防的関与という意味で歯科の連携参加推進が必要
災害時の適切な医療提供のためにもICT を活用したい
(2)ICT 活用の技術・運用的な観点から
現場負担も大きいため、小規模連携や限定した情報範囲の共有からまずは始めてみてはどうか
ネットワークを個々に構築して、統合・相互連携していく実現は困難
相互連携を想定していないと、(たとえ同一メーカーシステムでも)コストはかさむ
統合・相互接続に、同一人特定のための情報連携基盤の設計は有効
→第2回研究会での報告あり
(3)その他の観点から
神奈川県は、地域医療介護総合確保基金を財源にC@RNA システム(富士フィルムメディカル㈱)の全県への導入を 企画・推進
・「静的情報」(サマリや検査データ等)は「動的情報」(リアルタイムな診療情報等)共有より負担少なくICT 化が有効
個人情報取り扱いの検討は重要
患者自身が管理するという体制を整備することも有効
ICT 化する上では、業務上、価値・意味がある連携内容を先に特定することが重要
海外事例や都市部など、大規模(横浜市の人口規模)での事例を参考にしてみては
→第2回研究会での報告あり
議題3.多職種連携ヒアリングの実施について
・在宅医療連携拠点、消防局もヒアリング対象に含める
その他.アンケート(医科診療所・歯科診療所・調剤薬局・訪問看護ステーション) 調査の実施について




















(資料 5)「会員の為の日医ITフェア」についての案内












(資料 6)インターネット等の情報通信機器を用いた診療(いわゆる遠隔診療)を提供する事業に関する厚生労働省の見解





(資料 7)情報システム事業部が主催する勉強会の開催について


○ 有識者の紹介(50音順)
内嶋 順一 氏(みなと横浜法律事務所 弁護士)
 後見、遺言、相続その他高齢者・障がい者に関する問題、消費者問題、医療問題等、様々な法律上の問題に造詣が深く、県の介護保険審査会等の委員も務めています。更に、要援護者の個人情報の取扱いに関する、民生委員や県職員向けの研修の経験も豊富です。
 平成27年度の本件事業の講師も担当されています。

岡本 正 氏(銀座パートナーズ法律事務所 弁護士・マンション管理士・医療経営士)
 消費者庁による「個人情報保護法に関する説明会」ほか全国の自治体や企業等へ向けて多数の講演・社員研修等の実績があります。内閣府の行政改革部局や、日本弁護士連合会の災害対策本部室長としての勤務経験を活かして、新たな学問『災害復興法学』を創設し、中央大学大学院客員教授や慶應義塾大学講師等にも就任しています。
 平成27年度の個人情報保護推進会議における講演会の講師も担当されています。

山本 伊都子 氏(株式会社 福祉規格総合研究所 認定プライバシーコンサルタント)
 プライバシーマーク取得事業者向けコンサルタントや、社会福祉協議会及び福祉施設並びに民生委員及び自治会員等を対象とした研修等について豊富な経験があります。また、様々な新聞や専門誌への寄稿や、ホームページ等による等による個人情報保護関連の記事の掲載を行うなど、様々なメディアを駆使して個人情報保護についての啓発を図っています。
 平成27年度の本件事業及び事業者研修会の講師も担当されています。

湯淺 墾道 氏(情報セキュリティ大学院大学 学長補佐・教授)
 情報セキュリティやマイナンバー制度、個人情報保護制度に造詣が深く、本県情報公開・個人情報保護審議会の委員をはじめ、様々な自治体の委員や学会でも御活躍され、慶應義塾大学法学部講師、九州大学法学部講師、九州国際大学法学部総合実践法学科教授・副学長・社会文化研究所所長などを歴任しています。

 平成26年度の個人情報保護推進会議における講演会の講師も担当されています。

2016年5月30日月曜日

「地域の医療提供体制の現状と将来~とくに神奈川県について~」国際医療福祉大学医療福祉学部学部長 高橋 泰 先生

「地域の医療提供体制の現状と将来~とくに神奈川県について~」
国際医療福祉大学医療福祉学部学部長 高橋 泰 先生
 日本全体で、0~64才の人口は年100万人ずつ減少し、65才以上の人口は年50万人ずつ増加していく。その結果、2050年には日本の高齢化率は39.6%に達する見込みである。神奈川県は、過去の地方からの人の流入により、若い人が多かったが、今後一斉に高齢者が増加するであろう。全国的にみると神奈川県は医療密度は低い方だが、高齢者施設はトップクラスの多さである。しかし、今後の高齢者の増加に施設数が追いつかない恐れがある。日本の人口減少のため、今後の医療需要は次第に減って行く。
 今後、日本人の意識の変容がおこり、一人当たりの医療・介護を減らす省エネ型の老い方・死に方を希望する人が増えてくるだろう。現にフランスで寝たきりの高齢者が少ないのは、食事が摂れず動けなくなったら、おむつ替え・食事介助を諦めてしまう結果、寝たきりの状態で生きている期間が短くなるためである。伝統的な日本人の精神風土にあっては、このような考え方に強い抵抗感があることは確かだが、フランスでの変化も比較的最近になってからなので、日本でも思ったより短期間に変わっていくかもしれない。そんな社会を迎える前に、高齢者一人一人が「どこまで生きたいか」という自分の意思をはっきり持つことが必要ではないだろうか。

「高齢者の認知症とうつ病の正しい理解と適切なケア~転倒を起こさない不眠症治療への対応も含めて~」香川大学医学部精神神経医学講座教授 中村 祐 先生

「高齢者の認知症とうつ病の正しい理解と適切なケア~転倒を起こさない不眠症治療への対応も含めて~」
香川大学医学部精神神経医学講座教授 中村 祐 先生
 高齢者のうつ病の診断が難しいのは、一般的なうつの特徴が、加齢や疾病による活動の低下や高齢者特有の生活パターンと重なることが多いためである。高齢者にうつが多い原因として、経済力の低下や再婚率が低い(独居が多い)といった社会的な問題も見逃せない点である。高齢者うつと間違え易いのは、老化現象、不定愁訴、身体疾患(がん、心不全、COPD)、薬物、認知症、脳梗塞、脳腫瘍などである。症状としては不安焦燥、身体症状、不眠、食欲不振、体重減少が表れやすい。高齢者うつと認知症または無関心(apathy)との鑑別も重要である。認知症患者は不安が強いため、少量の抗うつ剤の併用も効果的である。
 高齢者の睡眠は浅く、リズムが乱れやすいため熟眠感が乏しい。原因として昼間の不活発、昼寝、夜間頻尿、身体疾患や内服薬による影響などが考えられる。ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系を問わず、超短時間型の睡眠薬はむしろ転倒を起こしやすい。薬によってふらつくため転倒するのではなく、夜間の中途覚醒が転倒の原因と思われる。最近登場したオレキシン受容体拮抗薬スポレキサントは、夜間の中途覚醒を減らすことにより転倒リスクを回避できる可能性がある。

学会の動き(神内医ニュース第76号)

学会の動き(神内医ニュース第76号) 総務企画部会長 岡 正直

 神奈川県内科医学会総務企画部会が企画担当している講演会は、定時総会時学術講演会、臨床医学研修講座、新春学術講演会そして集談会の4つです。

【平成28年新春学術講演会報告】
 平成28年新春学術講演会が平成28年1月21日(木)午後7時30分~9時に、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて禁煙・分煙推進委員会および呼吸器疾患対策委員会の担当(共催ファイザー株式会社)で開催されました。2つの講演内容を簡単にご紹介します。

 1.「高齢者の命を脅かすCOPDと肺炎~その予防戦略~」横浜市立大学医学部呼吸器内科教授 金子猛先生
 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の認知度は低く、国民の30%しか名前を知らない一方、COPDによる死亡は増加の一途をたどっている。40歳以上の成人のうち530万人以上が罹患していると考えられるが、そのほとんどは診断されていない。煙草の煙などの汚れた空気を吸引し続けることによっておこる肺の慢性炎症性疾患であり、主に末梢気道に病変が存在するため、CT画像では変化を見つけにくく、酸素飽和度もあまり低下しない。スパイロメトリーは早期から異常となり診断に有用である。COPDの治療では日本呼吸器学会のガイドラインにあるとおり、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)の吸入を主体に用い、喘息合併COPD例には吸入ステロイド(ICS)も加えるとよい。
 肺炎は国内死亡原因疾患の第3位であり、その95%以上を高齢者が占める。市中肺炎の40%は肺炎球菌が原因菌であり、国により定期接種化された多糖体ワクチン(PPV23)の接種により、肺炎球菌性肺炎の60%減、すべての肺炎の40%減が期待される。しかしPPV23はブースター効果がかからず、2年ほどで接種前のレベルに抗体価が低下しているため、これだけで肺炎予防は難しい。そこでブースター効果に優れた結合型ワクチン(PCV13)を希望者においては併用することが望ましい。PCV13を接種後6~12ヶ月後にPPV23を接種すると良好な効果が得られるという。

 2.「禁煙の動機づけ面接法」新中川病院内科・神経科 加濃正人先生
 人はつい今までと変わらない行動を選択しがちである。動機づけ面接法(motivational interviewing:MI)とはミラーとロルニックにより開発された対人援助理論である。受容的応答を旨とする「来談者中心的要素」と特定の変化に指向させる「目的志向的要素」を併せ持った面接のスタイルであり、この2つの要素をミックスさせると行動変容が起きやすいと考えられている。MIは禁煙外来のみならず、アルコール・薬物・ギャンブル依存やダイエット・運動・摂食障害やDV・家族関係などにも有効な手法である。MIを実際に行うにあたり「OARS」を繰り返しながら進めていくとよい。すなわち、開かれた質問(Open question):「はい」「いいえ」で答えられない質問。是認(Affirming):相手の強みや努力に言及する。聞き返し(Reflecting):相手の言葉をそのまま、または治療者の理解した内容で返す。要約(Summarizing):相手の言動や考えを、箇条書きのように並べていく。聞き返しには、言葉を明確化するための「単純な聞き返し」と、意味や感情を明確化するための「複雑な聞き返し」がある。これら単純と複雑の聞き返しを繰り返しながら状況を明確化していくのだが、相手の考えの正確な理解のためにはあえて「空気を読まない」ことも大事である。要約の段階では、それまでに相手が語った言葉や、聞き返しによって合意に達した言葉を箇条書きのように列挙して聞き返すことによって、複雑な問題を概観して明確化すると同時に堂々巡りや脱線の防止をすることができる。
 講演中に、前の講演者の金子猛教授を模擬患者として迎え、診察室でのMIの実際をリアルにご披露いただき、MIへの理解が深まったと感じました。神奈川県内科医学会の「今日からできるミニマム禁煙医療」の第2巻「禁煙の動機づけ面接法」を勉強して、ぜひ明日からの診療に役立てたいと思いました。

【第79回集談会報告】
 第79回神奈川県内科医学会集談会が平成28年2月13日(土)午後3時からおだわら総合医療福祉会館4階ホールにて第4地区小田原内科医会・足柄上内科医会担当(共催第一三共株式会社)にて開催されました。午後3時からの一般演題16題(発表5分・質疑応答2分)の発表のあと特別講演を2題聴講しました。その講演内容を簡単にご紹介します。

 1.「心房細動、静脈血栓症に対する抗凝固療法の最新の知見」京都大学大学院医学研究科循環器内科学助教 牧山武先生
 心房細動(af)患者にはCHADS2スコアの点数の倍以上の年率%で脳卒中発症リスクがある。1点以上なら抗凝固療法を考慮すべきである。従来使用されてきたワーファリンによるコントロールは不十分なことが多く、かえって脳卒中を起こしやすい状況を作っているともいえる。近年登場したNon-vitamin K antagonist anticoagulant(NOAC)は、血栓塞栓イベントも出血イベントもWより少なく、京大病院ではNOACを第一選択薬としている。85歳までは6割にNOACを、85歳超では減量して投与している。腎機能低下例(Ccr15~30)でもNOACを少々使っているが、Ccr15未満は禁忌である。
 肺血栓塞栓症や深部静脈塞栓症などのVenous thromboembolism(VTE)の診断にあたってはD-dimerの測定が役に立つ。VTEにもNOACは有効でエドキサバンを30%の症例に使用している。
 NOACの使い分けとして、有効性ならダビガトランの高容量、安全性ならエドキサバンやアピキサバン、利便性ならエドキサバンやリバーロキサバンを、そして経済性ならNOACでなくワーファリンを使うことになろう。

 2.「iPS細胞を用いた心筋再生医療実用化への現状」慶應義塾大学医学部循環器内科教授 福田恵一先生
 心機能が大きく損なわれた患者にとって、心筋再生医療は素晴らしい福音となる。演者らのグループは末梢血T細胞より作製したTiPS細胞を心筋細胞に分化させて大量に培養し、それを障害された心臓の心筋に効率よく移植・定着させる技術を開発した。この快挙は次のような各段階での難関を、工夫を凝らしながら根気よくひとつひとつ克服し達成されたものである。
 ①安全性の高いiPS細胞の作製、②大量に培養する方法、③効率のよい心筋細胞の作製、④細胞数増加、⑤純化精製、⑥効率的な移植法、である。
 多くの貴重な研究データを詳細に供覧しながら丁寧に解りやすくお話しいただきました。現在サルやブタなどでの動物実験で非常によい成果を収めており、ヒトでの臨床応用に向けてPMDAに申請中であるとのことでした。

 その後同会館4階ホワイエにて立食にて意見交換会が行われ、和やかな雰囲気の中で参加された先生方の間の交流を深めることができました。

【平成28年度定時総会時学術講演会報告】
 平成28年5月21日(土)横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ4F「清流1」にて、午後4時より評議員会が開催され、引き続き午後4時20分より同じ会場にて定時総会が行われました。山本晴章副会長の開会の挨拶と議事の採決のあと、東海大学・小田原内科医会/足柄上内科医会に感謝状が贈呈され、各地区からの推薦者に表彰状が贈呈されました。第79回集談会の優秀演題「過去6年間に当院で経験したツツガムシ病14例」の発表者の鈴木医院 鈴木哲先生と「拡張期僧房弁逆流をきっかけに早期手術を施行し心機能改善を得た、感染性心内膜炎による急性期大動脈弁逆流の一例」の発表者の小田原市立病院 柿崎良太先生に表彰状が贈呈されました。11の事業委員会の報告は質疑のみの受付とし、最後に沼田祐一副会長の閉会の挨拶にて定時総会を終了しました。
 午後5時20分より、同じ会場で定時総会時学術講演会(共催MSD株式会社)が行われました。松田隆秀副会長の開会の挨拶のあと、小野容明副会長が座長を務め、ひとつめの講演をお聞きしました。その講演内容を簡単にご紹介します。

 1.「高齢者の認知症とうつ病の正しい理解と適切なケア~転倒を起こさない不眠症治療への対応も含めて~」香川大学医学部精神神経医学講座教授 中村 祐 先生
 高齢者のうつ病の診断が難しいのは、一般的なうつの特徴が、加齢や疾病による活動の低下や高齢者特有の生活パターンと重なることが多いためである。高齢者にうつが多い原因として、経済力の低下や再婚率が低い(独居が多い)といった社会的な問題も見逃せない点である。高齢者うつと間違え易いのは、老化現象、不定愁訴、身体疾患(がん、心不全、COPD)、薬物、認知症、脳梗塞、脳腫瘍などである。症状としては不安焦燥、身体症状、不眠、食欲不振、体重減少が表れやすい。高齢者うつと認知症または無関心(apathy)との鑑別も重要である。認知症患者は不安が強いため、少量の抗うつ剤の併用も効果的である。
 高齢者の睡眠は浅く、リズムが乱れやすいため熟眠感が乏しい。原因として昼間の不活発、昼寝、夜間頻尿、身体疾患や内服薬による影響などが考えられる。ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系を問わず、超短時間型の睡眠薬はむしろ転倒を起こしやすい。薬によってふらつくため転倒するのではなく、夜間の中途覚醒が転倒の原因と思われる。最近登場したオレキシン受容体拮抗薬スポレキサントは、夜間の中途覚醒を減らすことにより転倒リスクを回避できる可能性がある。

 引き続き金森晃副会長が座長を務め、ふたつめの講演をお聞きしました。その講演内容を簡単にご紹介します。

 2.「地域の医療提供体制の現状と将来~とくに神奈川県について~」国際医療福祉大学医療福祉学部学部長 高橋 泰 先生
 日本全体で、0~64才の人口は年100万人ずつ減少し、65才以上の人口は年50万人ずつ増加していく。その結果、2050年には日本の高齢化率は39.6%に達する見込みである。神奈川県は、過去の地方からの人の流入により、若い人が多かったが、今後一斉に高齢者が増加するであろう。全国的にみると神奈川県は医療密度は低い方だが、高齢者施設はトップクラスの多さである。しかし、今後の高齢者の増加に施設数が追いつかない恐れがある。日本の人口減少のため、今後の医療需要は次第に減って行く。
 今後、日本人の意識の変容がおこり、一人当たりの医療・介護を減らす省エネ型の老い方・死に方を希望する人が増えてくるだろう。現にフランスで寝たきりの高齢者が少ないのは、食事が摂れず動けなくなったら、おむつ替え・食事介助を諦めてしまう結果、寝たきりの状態で生きている期間が短くなるためである。伝統的な日本人の精神風土にあっては、このような考え方に強い抵抗感があることは確かだが、フランスでの変化も比較的最近になってからなので、日本でも思ったより短期間に変わっていくかもしれない。そんな社会を迎える前に、高齢者一人一人が「どこまで生きたいか」という自分の意思をはっきり持つことが必要ではないだろうか。

 最後に出川寿一副会長の閉会の挨拶により定時総会時講演会を締めくくった後、午後7時30分より4階のすぐ隣の会場「清流2」での情報交換会に多くの先生方が参加され、美味しい料理と和やかな雰囲気の中、盛会のうちに終了いたしました。

【第41回臨床医学研修講座予告】
 第41回臨床医学研修講座が来る平成28年10月15日(土)午後3時より横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター病院6階会議室にて開催される予定です。担当は横浜市立大学と第1地区(横浜内科学会)、共催メーカーは第一三共株式会社で、呼吸器、腎・高血圧、脳・神経、糖尿病、消化器に関連したテーマで各30分ずつ5つのご講演が行われることになっています。ぜひ多くの先生方のご参加をお願い申し上げます。

【おわりに】
 平成27年度からは神奈川県内科医学会は宮川政昭新会長の下に新体制となり、今までの「学術Ⅰ部会」は「総務部会」と合流し「総務企画部会」として再スタートすることになりました。体制が変わっても今までの長い歴史のある講演会に新たな変更や発展を加えながら、4つの基本講演会を開催していきたいと思います。また神奈川県内科医学会が主管する第32回日本臨床内科医学会(平成30年9月)のための開催準備組織委員会を本格的に始動させました。この大きなイベントを成功させるためには、全会員のご支援・ご協力が不可欠です。今後とも、神奈川県内科医学会の講演会開催に、ご協力とご参加をお願い申し上げます。

2016年5月21日土曜日

神奈川県内科医学会 第4回肝炎対策委員会議事録 2016.04.26

神奈川県内科医学会 第4回肝炎対策委員会議事録

日時 平成28年4月26日(火)19:30~ 場所 神奈川県総合医療会館4階第2会議室

1.開会
2.挨拶
当会の中でも歴史ある委員会であり、肝がん撲滅のため活発に活動してきた。
肝炎治療の大きな変化にあたって、一般医師への啓発や市民県民のための活動もお願いしたい。
第32日臨内学会での市民公開講座の企画実行にも協力してほしい。(宮川会長)
3.議題
(1)委員交代の件の確認
旧
新
川崎市立多摩病院 奥瀬千晃先生
聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科准教授
松本伸行先生
北里大学  渋谷明隆先生
中澤貴秀先生

(2)平成28年度事業計画の確認 承認
 
(3)平成29年新春学術講演会の企画
平成29年1月19日(木)横浜ベイシェラトンホテル&タワーズにて
医薬品評価検討委員会(湯浅章平先生)と肝炎対策委員会合同で企画
共催メーカー Abbvie・ギリアド・MSD交渉中、ブリストルマイヤーズ辞退
講演1 未定(肝炎治療の最新の話題)
講演2 未定(医薬品の適正使用のあり方について、薬害肝炎訴訟に学ぶ)
川崎北合同法律事務所 湯山 薫 弁護士(依頼すみ)
清和総合法律事務所  服部功志 弁護士(依頼すみ)
湯山薫弁護士、服部功志弁護士による薬害肝炎についての講演の企画する。
※共催についてはメーカーに強く要望していくこと

(4)肝臓病を考える病診連携の会~肝がん撲滅を目指して~の進捗
(4-1)第24回 平成28年6月11日(土)
 会場 平塚プレジール
      〒254-0811 神奈川県平塚市八重咲町 3-8(JR東海道線平塚駅南口 徒歩1分)
 担当 第4地区 高山医院 高山秀明 先生 共催:EAファーマ
 ▶一般演題1「DAA治療後のフォローアップの重要性」
平塚市民病院消化器内科部長 坂口隆先生
 ▶一般演題2「ソラフェニブにて巨大シャントが消褪しTACEが可能となった症例」
藤沢市民病院消化器内科 露木翔先生
 ▶特別講演「C型慢性肝炎の過去から未来」
東海大学医学部内科学系消化器内科領域主任教授 峯徹哉先生 

(4-2)第25回 平成28年11月19日(土)
 会場 相模原南メディカルセンター大会議室
 担当 第5地区 中野史郎 先生 共催:ブリストルマイヤーズ
 ▶一般演題 2題
 ▶特別講演 北里大学医学部 田中賢明先生 

(4-3)第26回 平成29年6月10日または17日または24日(土曜日)
  会場 TKPガーデンシティ横浜
横浜市神奈川区金港町3-1コンカード横浜 TEL045-450-6317
  担当 第1地区 共催 MSD

※田辺三菱製薬の脱退あり(肝臓領域の薬剤の発売予定なし等の理由により)
共催メーカは3社(MSD、EAファーマ、ブリストルマイヤーズ)となった。新しい共催メーカーの候補はあるか。
中外製薬、大塚製薬などに共催に加わってもらえるように働きかける
※カラー印刷のパンフレットをカラーコピーに変更しコスト圧縮をはかることにする

(5)ウイルス肝炎患者掘り起こし事業
(5-1)横浜内科学会肝疾患管理病診連携ガイド(永井一毅先生主導)データをさらに収集していく
(5-2)市民公開講座 積極的に開催を企画する(新聞社との協賛も考慮する)

(6)肝炎対策委員会編集による肝疾患についての書籍の企画
神奈川県内科医学会50周年記念企画のひとつとして出版予定。
第32回日本臨床内科医学会 平成30年9月15日(土)~17日(月祝)パシフィコ横浜
での配布をめざして内容を検討していく。
※市販が可能な書籍をめざす。
※実臨床でよく遭遇する肝疾患について、最先端の内容を盛り込みつつ、
  非専門の臨床医にわかりやすい記載をこころがける。
※取り上げる内容は
B型肝炎、C型肝炎、NASH、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、
  薬剤性肝障害、肝不全、肝がん
※現在シリーズで刊行中の「これだけは知っておきたいC型・B型肝炎の知識」に
 さらに肉付けして2倍程度に膨らませた分量で計画したい。
※執筆者の選定はこれから考慮していく

(7)その他 

4.次回開催  平成28年 9月 または 10月 の下旬の火曜日 19:30 ~ 

2016年5月11日水曜日

神奈川県内科医学会 第11回総務企画部会議事録 2016.05.09

神奈川県内科医学会 第11回総務企画部会議事録
日時 平成28年5月9日(月)午後7時45分~ 場所 神奈川県総合医療会館1階会議室AB

1開会
2挨拶 今後総務企画部会は隔月開催となるが、会務に支障がないように進行したい(宮川会長)
3議題
(1)平成28年度総務企画部会・幹事会の司会・書記について 
幹事会
司会
書記
6月16日
國島友之
宮島真之
7月21日
林 正博
中川 望
(2)平成28年度評議委員会・定時総会・定時総会時学術講演会(5/21)について
    全体の流れについて、資料を見ながら最終確認を行った。
    当日の参加者に行う定時総会時講演会についてのアンケートの内容についての検討も行った。
(3)神奈川県医師会役員と神奈川医学会分科会長との懇談会(6/16)について
    会長あるいは副会長のどなたかが出席する。神奈川県内科医学会の幹事会と日程が重なって
    いるので、早めに切り上げて幹事会に戻るようにしたい。
    要望1 市民公開講座を開催した場合にも生涯教育の点数を獲得できるようにしてほしい。
    要望2 神奈川県医師会で医療倫理の研修会を開催してほしい。
(4)神奈川県皮膚科医会創立50周年祝賀懇親会(7/3)について
    招待を受けているが、他の医会の振る舞いに合わせたい。多分お花を贈って参加は辞退する方向で。
(5)共催・後援について
   【共催】1 第24回肝臓病を考える病診連携の会(6/11)~承認
   【共催】2 第4回心臓血管病学術集会(7/13)~承認
(6)学術活動について
(6-1)平成28年定時総会時学術講演会(平成28年5月21日土曜日)の最終確認とアンケート(資料)
   会場 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ 共催 MSD
  場所 16:00~19:10「清流Ⅰ」(総会会場)
    19:10~21:00「清流Ⅱ」(懇親会会場)
(6-2)第41回臨床医学研修講座の進捗
  平成28年10月15日(土)15:00~18:05 会場 市民総合医療センター病院 6階会議室
  担当 横浜市立大学(横浜市立大学大学院医学研究科 消化器内科学 前田 愼 先生)
     第1地区(横浜内科学会 小野容明 先生)  共催メーカー 第一三共
  15:00-15:10 情報提供(第一三共)
  15:10-15:15 開会の辞
  15:15-15:20 会長挨拶 神奈川県内科医学会会長 宮川政昭先生
  15:20-15:50 座長 小野容明先生
   「外来で困らないための遷延性咳嗽の診断と治療のポイント」
    横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器病センター 工藤誠先生
  15:50-16:20 座長 高見沢重隆先生
   「慢性腎臓病における血圧管理」
    横浜市立大学 循環器・腎臓内科学 田村功一先生
  16:20-16:30 休憩
  16:30-17:00 座長 長谷川修先生
   「未定」神奈川県立足柄上病院 太田光康先生
  17:00-17:30 座長 皆川冬樹先生
  「未定」横浜市立大学附属市民総合医療センター内分泌・糖尿病内科 山川正先生
  17:30-18:00 座長 永井一毅先生
   「未定」横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター 中馬誠先生
  18:00-18:05 閉会の辞 横浜市立大学消化器内科学 前田愼先生
(6-3)平成29年新春学術講演会の企画
 日時 平成29年1月19日(木) 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ
 医薬品評価検討委員会と肝炎対策委員会合同で企画(候補)
    共催メーカー Abbvie・ギリアド・MSD交渉中、ブリストルマイヤーズ辞退
    講演1 未定(肝炎治療の最新の話題)
    講演2 未定(医薬品の適正使用のあり方について、薬害肝炎訴訟に学ぶ)
      川崎北合同法律事務所 湯山 薫 弁護士(依頼すみ)
      清和総合法律事務所  服部功志 弁護士(依頼すみ)
(6-4)第80回集談会の企画
  平成29年2月18日(土)  会場 オークラフロンティアホテル海老名
  担当 第5地区 海老名内科医会(濱田芳郎 先生)
(7)臨床研究に対する研修会について
 臨床研究を進めるうえで、知っておくべき点について学ぶ研修会を、県下複数の地区で企画する予定。

(8)その他
 製薬メーカーにまっとうな講演会への共催を、強く働きかけるための行動を起こすべき時である。

4次回開催について
 日時 平成28年7月11日(月)午後7時45分~
 場所 神奈川県総合医療会館1階会議室B
 ※次回平成29年度の定時総会時講演会のテーマと講演者さらに共催メーカーの候補について、
 次回の総務企画部会で検討(できれば決定)したいと思いますので、ご準備お願い申し上げます。


【参考】本体事業講演会一覧表 最近11年間+3年先 ( )内は地区


新春学術講演会
集談会開催地
総会時学術講演会
臨床医学研修講座
秋季
2019/H31


(2)


北里(5)
なし
2018/H30


(1)日臨学会に統合?


なし
(4大学合同開催で日臨学会に統合)
日本臨床内科医学会
2017/H29
医薬品評価検討
肝炎対策1/19
海老名(5)2/18


聖マリ(2)
なし
2016/H28
禁煙・分煙推進
呼吸器疾患対策
小田原(4)
高齢認知症とうつ病・中村祐
地域の医療提供体制・高橋泰
 ベイシェラトンH&T5/21
横市(1)10/15
市大センター病院
なし
2015/H27
糖尿病対策
横須賀(3)
医学史・酒井シヅ
東海(4)10/31
なし
2014/H26
高血圧・腎疾患
川崎(2)
遺伝子・和泉俊一郎
北里(5) 11/1
なし
2013/H25
肝炎対策
横浜(1)
iPS細胞・中畑龍俊
聖マリ(2) 9/21
なし
2012/H24
呼吸器疾患対策
厚木(5)
医事紛争・平沼高昭
横市(1)10/20
川崎(2)
2011/H23
糖尿病
厚木(4)
腎不全・木村健二郎
東海(4) 9/10
横須賀(3)
2010/H22
糖尿病
湘南国際村(3)
糖尿病・山田祐一郎
北里(5) 9/18
藤沢(4)
2009/H21
糖尿・腎臓
川崎(2)
医療行政・行天良雄
聖マリ(2) 9/27
横浜(1)
2008/H20
亜鉛
横浜(1)
糖尿脂質・肝炎
横市(1) 9/28
横浜(1)
2007/H19
胃と大腸
大和(5)
医療行政・眼科・メタボ
東海(4) 9/30
横浜(1)
2006/H18




糖尿病・医学教育
北里(5) 10/1
横浜(1)