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2016年11月12日土曜日

神奈川県内科医学会 第14回総務企画部会議事録 2016.11.07

神奈川県内科医学会 第14回総務企画部会 議事録

日時 平成28117日(月)午後730分~    
場所 神奈川県総合医療会館  1階会議室AB       

1 開会
2 挨拶
3 議題
1)第15回幹事会(11/17)の司会・書記について
1117日(木) 司会 渡部先生 書記 紀 先生
123日(土) 司会 鈴木先生 書記 岡 先生

2)第15回幹事会(11/17)の議事について
内容・進行について検討した

3学術活動について
3-1)第41回臨床医学研修講座の報告(資料A
平成281015日(土)1500~  会場 市民総合医療センター病院 6階会議室
担当 横浜市立大学(横浜市立大学大学院医学研究科 消化器内科学 前田 愼 先生)
1地区(横浜内科学会 小野容明 先生)  共催メーカー 第一三共

次回第42回(平成29年)は 聖マリアンナ医大 と 第2地区 (本来の9月開催が望ましい)

3-2)平成29年新春学術講演会の企画
日時 平成29119日(木) 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ
1800より幹事会  1930より講演会 (2つ会場を確保のこと)
医薬品評価検討委員会と肝炎対策委員会合同で企画   共催メーカー Abbvie合同会社
開会 宮川会長
特別発言 中 佳一名誉会長(依頼すみ)
講演1 「これからのC型肝炎治療」 座長 岡委員長
       講師 横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器内科教授 田中克明先生(依頼すみ)
講演2 未定(薬害肝炎訴訟に学ぶ 医薬品の適正使用のあり方について)座長 湯浅委員長
       講師 川崎北合同法律事務所 湯山 薫 弁護士(依頼すみ)
       講師 清和総合法律事務所  服部功志 弁護士(依頼すみ)
閉会 出川副会長
情報交換会

講演2の打ち合わせ会 平成281121日(月)1945~ 神奈川県総合医療会館にて
湯山弁護士、服部弁護士 、宮川会長、湯浅、岡 出席予定

3-3)第80回集談会の企画(資料B)
平成29218日(土)1500  会場 オークラフロンティアホテル海老名3F ラローズ
担当 第5地区 海老名内科医会(濱田芳郎 先生)
1510~   一般演題 16題(発表6分 質疑2分)
1710頃~ 特別講演  「腸内細菌と免疫」
  講師 慶応義塾大学医学部 微生物学・免疫学教室 教授 本田賢也(ほんだけんや)先生

演題提出期限 平成281130日(水)

3-4)平成29年定時総会時学術講演会(平成29520日土曜日)の企画
総会で選挙が行われるため、進行はタイトになる見込み
テーマと演者と共催メーカー
ホテル会場にて、学術講演会は2つ行う
共催メーカの候補に共催の打診と演者の候補のスケジュール確認など具体的に行動を開始する。
鈴鹿医療科学大学医療科学研究科長 葛原茂樹 先生 のアポイントとれた
「環境(公害)と医学~医師の観察の重要性~(仮)」 4050分の講演

4)神奈川県内科医学会50周年記念誌の発刊について
宮川会長の「理念」と「会長として」の原稿が入稿された。ぜひご意見を頂戴したい。
各事業委員会からの原稿も早めに入稿をお願いしたい。
費用については、現在見積もりを複数社からとっている。

5)その他
講演会の共催のメーカーに事前に配布する「後援・共催の要項」の内容を再確認して、
メーカー各社に徹底し、会員増強につなげていきたい。
(例) 
案内での神奈川県内科医学会での肩書、「先生」の省略
当日、会員、非会員、パラメディカルに分けて受付し非会員には当会リーフレット手渡し
将来的には非会員から少額の参加費の徴収も考慮


4次回開催について
日時 平成2926日(月)午後745分~
場所 神奈川県総合医療会館1階会議室B



【参考】本体事業講演会一覧表 最近11年間+3年先 ( )内は地区



新春学術講演会
集談会開催地
総会時学術講演会
臨床医学研修講座
秋季
2019/H31


2


北里(5
なし
2018/H30


1)日臨学会に統合?


なし
4大学合同開催で日臨学会に統合)
日本臨床内科医学会
2017/H29
医薬品評価検討
肝炎対策1/19
海老名(52/18
環境(公害)と医学~医師の観察の重要性~・ 葛原茂樹
ベイシェラトンH&T 5/20
聖マリ(2
なし
2016/H28
禁煙・分煙推進
呼吸器疾患対策
小田原(4
高齢認知症とうつ病・中村祐
地域の医療提供体制・高橋泰
 ベイシェラトンH&T 5/21
横市(110/15
市大センター病院
なし
2015/H27
糖尿病対策
横須賀(3
医学史・酒井シヅ
東海(410/31
なし
2014/H26
高血圧・腎疾患
川崎(2
遺伝子・和泉俊一郎
北里(5) 11/1
なし
2013/H25
肝炎対策
横浜(1
iPS細胞・中畑龍俊
聖マリ(2) 9/21
なし
2012/H24
呼吸器疾患対策
厚木(5
医事紛争・平沼高昭
横市(110/20
川崎(2
2011/H23
糖尿病
厚木(4
腎不全・木村健二郎
東海(4) 9/10
横須賀(3
2010/H22
糖尿病
湘南国際村(3
糖尿病・山田祐一郎
北里(5) 9/18
藤沢(4
2009/H21
糖尿・腎臓
川崎(2
医療行政・行天良雄
聖マリ(2) 9/27
横浜(1
2008/H20
亜鉛
横浜(1
糖尿脂質・肝炎
横市(1) 9/28
横浜(1
2007/H19
胃と大腸
大和(5
医療行政・眼科・メタボ
東海(4) 9/30
横浜(1
2006/H18




糖尿病・医学教育
北里(5) 10/1
横浜(1



(資料A
41回臨床医学研修講座

 41回臨床医学研修講座が平成281015日(土)午後3時より横浜市立大学附属市民総合医療センター6階会議室にて横浜市立大学と第一地区横浜内科学会の担当で開催されました。当会の幹事で横浜市立大学消化器内科学主任教授の前田愼先生の開会の辞に続いて、宮川政昭会長の挨拶があり、講演会が開始されました。5つのご講演の内容を簡単にご紹介します。

講演1「外来で困らないための遷延性咳嗽の診断と治療のポイント」
座長 小野容明副会長
演者 横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器病センター准教授 部長 工藤誠先生
医療機関受診の動機として最も多いのは咳嗽である。咳の受容体は咽頭から気管・気管支さらに食道胃接合部まで広く分布し、延髄の咳中枢には大脳からの信号も入っているため、咳の病態は複雑である。鎮咳薬には中枢性と末梢性(気管支平滑筋を緩める)があるが、中枢性の方が効果が高い。咳の持続期間により、3週以内を急性、8週以上を慢性、その間を遷延性咳嗽と分類する。急性咳嗽の多くは上気道感染で問題になることは少ないが、遷延性や慢性咳嗽には肺癌、間質性肺炎、肺結核、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患など多彩な疾患や診断の遅れが問題になる疾患も含まれている。呼吸器病学会のガイドラインに示されているフローチャートに沿って診断するとよい。また長引く咳により、職場での立場が悪くなる、友人との面会を躊躇するなど社会的な問題も引き起こされる。近年、咳喘息に対する理解が進んだ一方で、他の疾患を咳喘息と誤っている例も見られる。アトピー咳嗽(非喘息性好酸球性気管支炎)の鑑別について、またストレスが原因となる心因性咳嗽についても述べた。

講演2「慢性腎臓病における血圧管理」
座長 健康長寿社会を目指す委員会 高見沢重隆委員
演者 横浜市立大学循環器・腎臓内科学准教授 田村功一先生
高血圧に次いで、慢性腎臓病(CKD:Chronic kidney disease)患者は成人の8人に1人に見られる多さである。腎臓自体の治療薬はないため、CKD治療の目的は末期腎不全(ESRD:End-stage renal disease)への進行抑制と心血管病(CVD:Cardiovascular disease)の合併阻止にある。そのためには、高血圧、糖尿病、脂質異常、腎性貧血、骨ミネラル代謝異常などを包括的に管理する必要があり、特に適正な血圧管理が重要である。生活習慣の改善、食事療法、薬物療法を行いESRD進展やCVD合併を阻止することである。CKDの予後は糖尿病の有無、腎機能低下度合、アルブミン・蛋白尿の有無により異なるため、日本腎臓学会では原因(cause)、腎機能(GFR)、アルブミン・蛋白尿(albumin)によるCGA重症度分類で評価し、病態に応じた個別的な降圧目標設定・降圧薬選択による血圧管理を推奨している。CKDの進行に伴い夜間高血圧の傾向が出現する。朝の血圧は夜間高血圧を反映しているため、家庭血圧の記録にも注意を払いながら血圧管理を行うことである。

講演3「痛みの臨床~症例を中心に」
座長 長谷川修幹事
演者 神奈川県立足柄上病院総合診療科担当部長 太田光泰先生
「痛み」を主訴に受診する患者は多く、その診断に苦慮することもしばしばである。その診断推論の基本は、病態生理学的に分類して解剖学的に絞り込むことである。「痛み」を3つに分類すると、原因疾患からの情報伝達としての「侵害受容性疼痛」、情報伝達器官そのものの神経の障害による「神経痛」、脳の誤った解釈によりあたかも疾患があるように感じられる「心因性疼痛」となる。「侵害受容性疼痛」は、部位の限局の見られない「内臓痛」と部位が特定され易い「体性痛」や「関連痛」に分類される。痛む部位を動かすと痛みが増強するのが「体性痛」、動かしても増強しないのが「関連痛」である。原因器官と離れた場所が痛む「関連痛」は神経解剖学的にデルマトームを理解すれば解釈は容易となる。これらの痛みの特徴に発症機転(突然、急性、慢性、発作性)や病状経過(増悪、横ばい、改善)を組み合わせて診断を絞り込む。また患者の言語化されない病歴(特定の受療行動など)を確認・分析することも診断の助けとなる。多くの具体的な症例の提示があり、実際の「痛み」の診断のプロセスについて理解を深めることができた。

講演4「糖尿病診療の課題 2016
座長 糖尿病対策委員会 皆川冬樹委員
演者 横浜市立大学附属市民総合医療センター内分泌・糖尿病内科部長 山川正先生
健康寿命を短縮する糖尿病合併症として、細小血管障害(神経障害、網膜症、腎症)、大血管障害(冠動脈疾患、脳卒中、閉塞性動脈硬化症など)、その他(歯周病、足病変、手病変、認知症など)が知られているが、骨折も新たに追加された。コントロール目標値はHbA1c(%)で、血糖正常化を目指す際は6.0未満、合併症予防では7.0未満、治療強化困難な際は8.0未満であるが、高齢者の場合低血糖を回避するため、インスリン・SU薬使用時のHbA1c65歳以上で6.5以上、75歳以上で7以上、認知症など合併例では7.5以上と下限が設けられた。食事療法では3大栄養素(糖質、脂質、蛋白質)の至適な比率は不明だが、糖質の摂りすぎは避けるべきである。野菜を先に食べ、米より先に肉や魚を食べると食後血糖が上昇しにくい。近年、糖尿病患者の血糖コントロールは改善傾向である一方体重は増加傾向にある。薬物療法にあたり、体重増加や低血糖を起こしにくい薬剤から使用すべきである。禁忌がなければメトホルミン、難しければDPP4阻害薬で開始し、必要ならば体重を増やしにくいGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬を追加することである。Sickdayの対応にも注意すること。

講演5「肝炎治療の最近の進歩」
座長 肝炎対策委員会 永井一毅幹事
演者 横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター准教授 中馬誠先生
 C型肝炎の治療成績は直接作用型抗ウイルス薬(DAA:Direct Acting Antivirals)の登場により95100%のウイルス学的著効を達成できるようになった。DAAの種類も増えており個々の薬剤の特性を見極めた上で適切な使用を心がけることである。DAA治療困難または難治となる点は、ウイルス側因子としてはDAAへの薬剤耐性、前治療無効例であり、ホスト側因子としては非代償性肝硬変(Child B,C)、高齢者、腎機能障害であり、薬剤側因子としては薬剤相互作用である。ウイルス駆除後の肝発癌の減少が期待されるが、DAA治療を受けた患者は高齢かつ肝線維化高度の症例が多く発癌のポテンシャルが高いため注意深いフォローアップが必要である。B型肝炎ではHBe抗原消失HBe抗体陽性化(SC:seroconversion)後の無症候性キャリアが本当に非活動かという問題がある。SCは決して臨床的治癒ではなく、SC後も肝炎の活動が続き線維化の進行や肝発癌をみる場合もある。日本肝臓学会のガイドラインによれば、1年以上の観察期間のうち3回以上の血液検査で(1)HBe抗原が持続陰性、(2)ALT持続正常(30以下)、(3)HBV-DNA4Log未満を満たす場合に非活動性キャリアとみなす。画像所見や血小板減少により線維化の進展が疑われるときは肝生検による精査を行う。

 前田愼先生の会の辞のあと同フロアのレストランに移動し、横浜内科学会会長小野容明先生の挨拶に続いて情報交換会が持たれ、美味しい料理を頂きながら終始なごやかな雰囲気のうちに会を終了しました。


(資料B



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