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2017年10月12日木曜日

笑いと医学

第31回日本臨床内科医学会 教育講演 12 2017.10.9
笑いと医学
福島県立医科大学医学部 疫学講座 主任教授 大平 哲也

笑いが心や身体によいことは経験的に知られていたが,その疾病・健康との関連についての科学的根拠は希薄だった。近年笑いに関するエビデンスが報告されるようになり,その医学的効果が注目されている。「笑い」とはユーモアに対する身体的な反応であり、身体動作と発声を伴うものとされる。男と女では女の方がややよく笑い、笑う人の平均寿命は少し長い。収入が多いと笑いが多い。若い人の方がよく笑い、年齢を重ねるにつれ笑いが少なくなる。笑うためには高度の認知機能が必要なため、笑いの低下は認知症発症の予測因子になりうる。笑いは痛みを軽減させ、免疫力の向上やアレルギー反応の抑制効果もある。さらに血糖降下作用に、冠動脈疾患を防ぐ働きなど笑いの効能は尽きることがない。笑いを増やすためには、夫婦円満で人と接する機会を多く持つことが有効だが、どうしても笑えない人はどうすればよいのだろうか?ここに「笑いのヨガ」を提案したい。笑いのヨガとは笑いを体操化したものである。おかしいから笑うのは確かだが、笑うからおかしくなるのも真実である。座学はここまでで、会場の聴衆も一緒になり、手を振り大声をあげ、笑いのヨガに興じた。(記 岡 正直)

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