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2011年5月31日火曜日

神奈川県内科医学会の動き

神内医ニュース第66号(平成23年7月1日発行予定)「学会の動き」原稿
「神奈川県内科医学会の動き」 学術1部長 岡 正直

【第74回集談会報告】

 第74回集談会が第4地区秦野伊勢原医師会内科医会の主管により、平成23年2月12日(土)に厚木市のロワジールホテル厚木にて開催されました。一般演題は19演題を4つのセッションに分けて発表され、その後休憩をはさんで特別講演「糖尿病治療の新戦略」を聖マリアンナ医科大学教授、田中逸先生によりご講演いただきました。
 優秀演題として、永井医院松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」と、かしわぎクリニック柏木利幸先生による「低GI食品の血糖コントロールにおける有用性について」の2題が選定されました。

【平成23年度定時総会時学術講演会報告】

 平成23年度定時総会時学術講演会が平成23年5月14日(土)に横浜市の神奈川県総合医療会館7階講堂にて開催されました。当会の7つの事業委員会の委員長による活動内容についての発表に続いて、先に記しました第74回集談会の優秀演題より松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」の発表のあと、休憩をはさんで、特別講演「腎不全高齢者の管理と治療-高血圧と貧血の治療の実際を含めて-」を聖マリアンナ医大高血圧・腎臓内科教授木村健二郎先生によりご講演いただきました。以下に講演内容の簡単な要約を記します。

 体格が小さく筋肉量が少ない人の場合、計算上のGFR(糸球体濾過量)の値より腎機能が低下している。したがって、高齢者はもともと腎不全状態であることが多い。高齢者は軽微なクレアチニン上昇であっても、大きく腎機能が低下している。脱水傾向のときには、ACEI/ARB(アンギオテンシン変換酵素阻害薬/アンギオテンシン受容体拮抗薬)や利尿薬を中止することが必要である。
 CKD(Chronic Kidney Disease 慢性腎臓病)の診断は以下のように行われる。すなわち「(1)GFR の値にかかわらず,腎障害を示唆する所見(検尿異常,画像異常,血液異常,病理所見など)が3 カ月以上存在すること。(2)GFR 60未満が3 カ月以上持続すること。」この片方または両方を満たす場合にCKDと診断される。GFRの低下に伴って末期腎不全や心血管疾患や脳卒中のリスクが増大するため、CKDのステージはGFRの数値によって規定されているのである。
 高血圧はCKDや心血管疾患や脳卒中を増悪させる最大の因子であるため、降圧治療は重要な意味をもつ。尿蛋白の減少は腎障害の進行を抑制するため、これも重要である。高齢者のCKDではまず140/90まで降圧し、できれば130/80をめざすようにする。ACEI/ARBは降圧に加えて尿蛋白減少作用により腎保護作用があるため、第一選択とされているが、単独では降圧を達成することが難しいため、CCB(カルシウムチャネル拮抗薬)や利尿薬を併用する場合も多い。ただし利尿薬の併用は少量にとどめるべきである。ACEI/ARBとCCBの併用は降圧作用に優れるため心血管疾患の低減に効果がある。ACEI/ARBと利尿薬の併用は尿蛋白の低下により腎保護作用あるが、GFRの低下や低ナトリウム血症に注意する必要がある。ACEI/ARBとCCBと利尿薬の3者併用は、とくに高齢者において、脱水による急性腎障害に注意する必要があり、脱水をきたすような状況においては薬剤の中止をしなければならない。
 高齢者のCKDでは、腎硬化症や虚血性腎症のように、尿蛋白を伴わないがGFRの低下している病態がよくみられる。一般に尿蛋白が多いとCKDの進行は早く、少ないと遅いといわれている。ACEI/ARBの投与により、尿蛋白が多い病態ではCKD進行を抑制するが、少ない病態では進行の抑制効果は少ない。CKDの治療において尿蛋白の有無は重要な意味を持つ。尿蛋白の状態によって選択する薬剤や降圧の目標血圧も変えていくべきである。現在CKDのステージはGFRの値によって1次元的に分けられているが、これに尿蛋白のパラメータを加えた2次元的な「ヒートマップ」によりCKDの評価がされるべきであり、CKD診療ガイドラインもそのような方向で改訂が進んでいる。よって、尿蛋白陽性のCKDではACEI/ARBを第一選択薬剤とし、必要に応じてCCBや利尿薬を追加して130/80を降圧目標とする。一方、尿蛋白陰性のCKDでは必ずしもACEI/ARBは第一選択薬とする必要はなく、140/90を降圧目標とする。高齢者に対するACEI/ARBの投与には注意が必要で、利尿薬との併用��両豺隋���ぢ水分や食事が摂れないような状態では薬剤を中止すること。
 貧血は高齢者においては非典型的な症状を示すことが多く注意が必要である。CKDにおける貧血(腎性貧血)は治療を要する。近年登場したESA(Erythropoietin-Stimulating Agent)は長時間作用型であり、外来診療で使いやすい。ヘモグロビン11g以下になれば開始し、13g以上で減薬または休薬する。CKDの病態にあっては、「心・腎・貧血関連」が知られており、心機能低下、腎機能低下、貧血の進行それぞれが、相互に悪影響を及ぼし合いながら悪化していく。したがって、貧血の治療は心血管障害やCKDの進行を抑制し生命予後の改善をもたらす。

 豊富な臨床治験データをお示しになりながら、それらの科学的な意義を実際の臨床の場面でどのように生かすかを、具体的な例を示しながら、ひとつひとつ丁寧に解き明かしていただきました。寸分のすきもない極めて充実した講演で、高齢者のCKDについての理解がさらに深まり、明日からの診療に役立つ内容だったと思います。

【第36回臨床医学研修講座予告】

 第36回臨床医学研修講座が東海大学と第4地区の主管により、来る平成23年9月10日(土)午後2時より、平塚農協ビル(平塚駅南口より徒歩2分)にて開催される予定です。

【平成23年度秋季学術大会予告】

 平成23年度秋季学術大会が第3地区横須賀市内科医会の主管により、来る平成23年11月19日(土)に「動脈硬化進展阻止を目指した高血圧・糖尿病治療戦略」というタイトルで横須賀市の横須賀セントラルホテルにて開催される予定です。 糖尿病に関するご講演は順天堂大学 河盛隆造先生に、また高血圧に関するご講演は、愛媛大学 檜垣實男先生にお願いしています。

神奈川県内科医学会の動き

神内医ニュース第66号(平成23年7月1日発行予定)「学会の動き」原稿
「神奈川県内科医学会の動き」 学術1部長 岡 正直

【第74回集談会報告】

 第74回集談会が第4地区秦野伊勢原医師会内科医会の主管により、平成23年2月12日(土)に厚木市のロワジールホテル厚木にて開催されました。一般演題は19演題を4つのセッションに分けて発表され、その後休憩をはさんで特別講演「糖尿病治療の新戦略」を聖マリアンナ医科大学教授、田中逸先生によりご講演いただきました。
 優秀演題として、永井医院松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」と、かしわぎクリニック柏木利幸先生による「低GI食品の血糖コントロールにおける有用性について」の2題が選定されました。

【平成23年度定時総会時学術講演会報告】

 平成23年度定時総会時学術講演会が平成23年5月14日(土)に横浜市の神奈川県総合医療会館7階講堂にて開催されました。当会の7つの事業委員会の委員長による活動内容についての発表に続いて、先に記しました第74回集談会の優秀演題より松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」の発表のあと、休憩をはさんで、特別講演「腎不全高齢者の管理と治療-高血圧と貧血の治療の実際を含めて-」を聖マリアンナ医大高血圧・腎臓内科教授木村健二郎先生によりご講演いただきました。以下に講演内容の簡単な要約を記します。

 体格が小さく筋肉量が少ない人の場合、計算上のGFR(糸球体濾過量)の値より腎機能が低下している。したがって、高齢者はもともと腎不全状態であることが多い。高齢者は軽微なクレアチニン上昇であっても、大きく腎機能が低下している。脱水傾向のときには、ACEI/ARB(アンギオテンシン変換酵素阻害薬/アンギオテンシン受容体拮抗薬)や利尿薬を中止することが必要である。
 CKD(Chronic Kidney Disease 慢性腎臓病)の診断は以下のように行われる。すなわち「(1)GFR の値にかかわらず,腎障害を示唆する所見(検尿異常,画像異常,血液異常,病理所見など)が3 カ月以上存在すること。(2)GFR 60未満が3 カ月以上持続すること。」この片方または両方を満たす場合にCKDと診断される。GFRの低下に伴って末期腎不全や心血管疾患や脳卒中のリスクが増大するため、CKDのステージはGFRの数値によって規定されているのである。
 高血圧はCKDや心血管疾患や脳卒中を増悪させる最大の因子であるため、降圧治療は重要な意味をもつ。尿蛋白の減少は腎障害の進行を抑制するため、これも重要である。高齢者のCKDではまず140/90まで降圧し、できれば130/80をめざすようにする。ACEI/ARBは降圧に加えて尿蛋白減少作用により腎保護作用があるため、第一選択とされているが、単独では降圧を達成することが難しいため、CCB(カルシウムチャネル拮抗薬)や利尿薬を併用する場合も多い。ただし利尿薬の併用は少量にとどめるべきである。ACEI/ARBとCCBの併用は降圧作用に優れるため心血管疾患の低減に効果がある。ACEI/ARBと利尿薬の併用は尿蛋白の低下により腎保護作用あるが、GFRの低下や低ナトリウム血症に注意する必要がある。ACEI/ARBとCCBと利尿薬の3者併用は、とくに高齢者において、脱水による急性腎障害に注意する必要があり、脱水をきたすような状況においては薬剤の中止をしなければならない。
 高齢者のCKDでは、腎硬化症や虚血性腎症のように、尿蛋白を伴わないがGFRの低下している病態がよくみられる。一般に尿蛋白が多いとCKDの進行は早く、少ないと遅いといわれている。ACEI/ARBの投与により、尿蛋白が多い病態ではCKD進行を抑制するが、少ない病態では進行の抑制効果は少ない。CKDの治療において尿蛋白の有無は重要な意味を持つ。尿蛋白の状態によって選択する薬剤や降圧の目標血圧も変えていくべきである。現在CKDのステージはGFRの値によって1次元的に分けられているが、これに尿蛋白のパラメータを加えた2次元的な「ヒートマップ」によりCKDの評価がされるべきであり、CKD診療ガイドラインもそのような方向で改訂が進んでいる。よって、尿蛋白陽性のCKDではACEI/ARBを第一選択薬剤とし、必要に応じてCCBや利尿薬を追加して130/80を降圧目標とする。一方、尿蛋白陰性のCKDでは必ずしもACEI/ARBは第一選択薬とする必要はなく、140/90を降圧目標とする。高齢者に対するACEI/ARBの投与には注意が必要で、利尿薬との併用��両豺隋⊃緤�篆���櫃譴覆い茲Δ幣�屬任鰐�泙鮹羯澆垢襪海函���ぢ 貧血は高齢者においては非典型的な症状を示すことが多く注意が必要である。CKDにおける貧血(腎性貧血)は治療を要する。近年登場したESA(Erythropoietin-Stimulating Agent)は長時間作用型であり、外来診療で使いやすい。ヘモグロビン11g以下になれば開始し、13g以上で減薬または休薬する。CKDの病態にあっては、「心・腎・貧血関連」が知られており、心機能低下、腎機能低下、貧血の進行それぞれが、相互に悪影響を及ぼし合いながら悪化していく。したがって、貧血の治療は心血管障害やCKDの進行を抑制し生命予後の改善をもたらす。

 豊富な臨床治験データをお示しになりながら、それらの科学的な意義を実際の臨床の場面でどのように生かすかを、具体的な例を示しながら、ひとつひとつ丁寧に解き明かしていただきました。寸分のすきもない極めて充実した講演で、高齢者のCKDについての理解がさらに深まり、明日からの診療に役立つ内容だったと思います。

【第36回臨床医学研修講座予告】

 第36回臨床医学研修講座が東海大学と第4地区の主管により、来る平成23年9月10日(土)午後2時より、平塚農協ビル(平塚駅南口より徒歩2分)にて開催される予定です。

【平成23年度秋季学術大会予告】

 平成23年度秋季学術大会が第3地区横須賀市内科医会の主管により、来る平成23年11月19日(土)に「動脈硬化進展阻止を目指した高血圧・糖尿病治療戦略」というタイトルで横須賀市の横須賀セントラルホテルにて開催される予定です。 糖尿病に関するご講演は順天堂大学 河盛隆造先生に、また高血圧に関するご講演は、愛媛大学 檜垣實男先生にお願いしています。

2011年5月24日火曜日

神奈川県内科医学会の動き

神内医ニュース第66号(平成23年7月1日発行予定)「学会の動き」原稿下書き
神奈川県内科医学会の動き

【第74回集談会報告】(武田 浩先生)

 第74回集談会が第4地区秦野伊勢原医師会内科医会の主管により、平成23年2月12日(土)に厚木市のロワジールホテル厚木にて開催されました。一般演題は19演題を4つのセッションに分けて発表され、その後休憩をはさんで特別講演「糖尿病治療の新戦略」を聖マリアンナ医科大学教授、田中逸先生によりご講演いただきました。
 優秀演題として、永井医院松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」と、かしわぎクリニック柏木利幸先生による「低GI食品の血糖コントロールにおける有用性について」の2題が選定されました。

【平成23年度定時総会時学術講演会報告】(伊藤正吾先生)

 平成23年度定時総会時学術講演会が平成23年5月14日(土)に横浜市の神奈川県総合医療会館7階講堂にて開催されました。当会の7つの事業委員会の委員長による活動内容についての発表に続いて、先に記しました第74回集談会の優秀演題より松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」の発表のあと、休憩をはさんで、特別講演「腎不全高齢者の管理と治療-高血圧と貧血の治療の実際を含めて-」を聖マリアンナ医大高血圧・腎臓内科教授木村健二郎先生によりご講演いただきました。
冒頭の小柄な高齢女性の症例提示の中から、腎不全高齢者を診る上での重要なポイントが示されました。
体格が小さく筋肉量が少ない人の場合、計算上のeGFRの値より腎機能が低下している。したがって、高齢者はもともと腎不全状態であることが多い。高齢者は軽微なクレアチニン上昇であっても、大きな腎機能低下となっている。脱水傾向のときには、ACEI/ARBや利尿薬を中止すること。
CKD(Chronic Kidney Disease)の診断は以下のように行われる。すなわち「(1)GFR の値にかかわらず,腎障害を示唆する所見(検尿異常,画像異常,血液異常,病理所見など)が3 カ月以上存在すること。(2)GFR 60 mL/分/1.73平方メートル未満が3 カ月以上持続すること。」この片方または両方を満たす場合にCKDと診断される。

ACEI/ARBとCCBの併用は降圧作用に優れるため心血管疾患の低減に効果がある。ACEI/ARBと利尿薬の併用は尿蛋白の低下により腎保護作用あるが、GFRの低下や低ナトリウム血症に注意する必要がある。ACEI/ARBとCCBと利尿薬の3者併用は、とくに高齢者において、脱水による急性腎障害に注意する必要があり、脱水をきたすような状況においては薬剤の中止をしなければならない。

高齢者のCKDでは、腎硬化症や虚血性腎症のように、尿蛋白を伴わないがGFRの低下している病態がよくみられる。一般に尿蛋白が多いとCKDの進行は早く、少ないと遅いといわれている。ACEI/ARBの投与により、尿蛋白が多い病態ではCKD進行を抑制するが、少ない病態では進行の抑制効果は少ない。CKDの治療において尿蛋白の有無は重要な意味を持つ。尿蛋白の状態によって選択する薬剤や降圧の目標血圧も変えていくべきである。現在CKDのステージはGFRの値によって1次元的に分けられているが、これに尿蛋白のパラメータを加えた2次元的な「ヒートマップ」によりCKDの評価がされるべきであり、CKD診療ガイドもそのような方向で改訂が進んでいる。よって、尿蛋白陽性のCKDではACEI/ARBを第一選択薬剤とし、必要に応じてCCBや利尿薬を追加して130/80を降圧目標とする。一方、尿蛋白陰性のCKDでは必ずしもACEI/ARBは第一選択薬とする必要はなく、140/90を降圧目標とする。高齢者に対するACEI/ARBの投与には注意が必要で、利尿薬との併用の場合、��緤�篆���茲譴覆い茲Δ幣�屬任鰐�泙鮹羯澆垢襪海函���貧血は高齢者においては非典型的な症状を示すことが多く注意が必要である。CKDにおける貧血(腎性貧血)は治療を要する。近年登場したESA(Erythropoietin-Stimulating Agent)は長時間作用型であり、外来診療で使いやすい。ヘモグロビン11g以下になれば開始し、13g以上で減薬または休薬する。CKDの病態にあっては、「心・腎・貧血関連」が知られており、心機能低下、腎機能低下、貧血の進行それぞれが、相互に悪影響を及ぼし合いながら悪化していく。したがって、貧血の治療は心血管障害やCKDの進行を抑制し生命予後の改善をもたらす。

豊富な臨床治験データをお示しになりながら、それらの科学的な意義を実際の臨床の場面でどのように生かすかを具体的な例を示しながら、ひとつひとつ丁寧に解き明かしていただきました。寸分のすきもない極めて充実した講演で、CKDについての理解がさらに深まり、明日からの診療に役立つ内容だったと思います。

【第36回臨床医学研修講座予告】(梶原光令先生 チェック済)

 第36回臨床医学研修講座が東海大学と第4地区の主管により、来る平成23年9月10日(土)午後2時より、平塚農協ビル(平塚駅南口より徒歩2分)にて開催される予定です。

【平成23年度秋季学術大会予告】(沼田裕一先生 チェック済)

 平成23年度秋季学術大会が第3地区横須賀市内科医会の主管により、来る平成23年11月19日(土)に「動脈硬化進展阻止を目指した高血圧・糖尿病治療戦略」というタイトルで横須賀市の横須賀セントラルホテルにて開催される予定です。 糖尿病に関するご講演は順天堂大学 河盛隆造先生に、また高血圧に関するご講演は、愛媛大学 檜垣實男先生にお願いしています。

2011年5月23日月曜日

神奈川県内科医学会の動き

神内医ニュース第66号(平成23年7月1日発行予定)「学会の動き」原稿下書き
神奈川県内科医学会の動き

【第74回集談会報告】(武田 浩先生)

 第74回集談会が第4地区秦野伊勢原医師会内科医会の主管により、平成23年2月12日(土)に厚木市のロワジールホテル厚木にて開催されました。一般演題は19演題を4つのセッションに分けて発表され、その後休憩をはさんで特別講演「糖尿病治療の新戦略」を聖マリアンナ医科大学教授、田中逸先生によりご講演いただきました。
 優秀演題として、永井医院松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」と、かしわぎクリニック柏木利幸先生による「低GI食品の血糖コントロールにおける有用性について」の2題が選定されました。

【平成23年度定時総会時学術講演会報告】(伊藤正吾先生)

 平成23年度定時総会時学術講演会が平成23年5月14日(土)に横浜市の神奈川県総合医療会館7階講堂にて開催されました。当会の7つの事業委員会の委員長による活動内容についての発表に続いて、先に記しました第74回集談会の優秀演題より松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」の発表のあと、休憩をはさんで、特別講演「腎不全高齢者の管理と治療-高血圧と貧血の治療の実際を含めて-」を聖マリアンナ医大高血圧・腎臓内科教授木村健二郎先生によりご講演いただきました。

ACEI/ARBとCCBの併用は降圧作用に優れるため心血管疾患の低減に効果がある。ACEI/ARBと利尿薬の併用は尿蛋白の低下により腎保護作用あるが、GFRの低下や低ナトリウム血症に注意する必要がある。ACEI/ARBとCCBと利尿薬の3者併用は、とくに高齢者において、脱水による急性腎障害に注意する必要があり、脱水をきたすような状況においては薬剤の中止をしなければならない。

高齢者のCKDでは、腎硬化症や虚血性腎症のように、尿蛋白を伴わないがGFRの低下している病態がよくみられる。一般に尿蛋白が多いとCKDの進行は早く、少ないと遅いといわれている。ACEI/ARBの投与により、尿蛋白が多い病態ではCKD進行を抑制するが、少ない病態では進行の抑制効果は少ない。CKDの治療において尿蛋白の有無は重要な意味を持つ。尿蛋白の状態によって選択する薬剤や降圧の目標血圧も変えていくべきである。現在CKDのステージはGFRの値によって1次元的に分けられているが、これに尿蛋白のパラメータを加えた2次元的な「ヒートマップ」によりCKDの評価がされるべきであり、CKD診療ガイドもそのような方向で改訂が進んでいる。よって、尿蛋白陽性のCKDではACEI/ARBを第一選択薬剤とし、必要に応じてCCBや利尿薬を追加して130/80を降圧目標とする。一方、尿蛋白陰性のCKDでは必ずしもACEI/ARBは第一選択薬とする必要はなく、140/90を降圧目標とする。高齢者に対するACEI/ARBの投与には注意が必要で、利尿薬との併用の場合、����ぢ水分や食事が取れないような状態では薬剤を中止すること。

貧血は高齢者においては非典型的な症状を示すことが多く注意が必要である。CKDにおける貧血(腎性貧血)は治療を要する。近年登場したESA(Erythropoietin-Stimulating Agent)は長時間作用型であり、外来診療で使いやすい。ヘモグロビン11g以下になれば開始し、13g以上で減薬または休薬する。CKDの病態にあっては、「心・腎・貧血関連」が知られており、心機能低下、腎機能低下、貧血の進行それぞれが、相互に悪影響を及ぼし合いながら悪化していく。したがって、貧血の治療は心血管障害やCKDの進行を抑制し生命予後の改善をもたらす。

豊富な臨床治験データをお示しになりながら、それらの科学的な意義を実際の臨床の場面でどのように生かすかを具体的な例を示しながら、ひとつひとつ丁寧に解き明かしていただきました。寸分のすきもない極めて充実した講演で、CKDについての理解がさらに深まり、明日からの診療に役立つ内容だったと思います。

【第36回臨床医学研修講座予告】(梶原光令先生 チェック済)

 第36回臨床医学研修講座が東海大学と第4地区の主管により、来る平成23年9月10日(土)午後2時より、平塚農協ビル(平塚駅南口より徒歩2分)にて開催される予定です。

【平成23年度秋季学術大会予告】(沼田裕一先生 チェック済)

 平成23年度秋季学術大会が第3地区横須賀市内科医会の主管により、来る平成23年11月19日(土)に「動脈硬化進展阻止を目指した高血圧・糖尿病治療戦略」というタイトルで横須賀市の横須賀セントラルホテルにて開催される予定です。 糖尿病に関するご講演は順天堂大学 河盛隆造先生に、また高血圧に関するご講演は、愛媛大学 檜垣實男先生にお願いしています。

神奈川県内科医学会の動き

神内医ニュース第66号(平成23年7月1日発行予定)「学会の動き」原稿下書き
神奈川県内科医学会の動き

【第74回集談会報告】(武田 浩先生)

 第74回集談会が第4地区秦野伊勢原医師会内科医会の主管により、平成23年2月12日(土)に厚木市のロワジールホテル厚木にて開催されました。一般演題は19演題を4つのセッションに分けて発表され、その後休憩をはさんで特別講演「糖尿病治療の新戦略」を聖マリアンナ医科大学教授、田中逸先生によりご講演いただきました。
 優秀演題として、永井医院松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」と、かしわぎクリニック柏木利幸先生による「低GI食品の血糖コントロールにおける有用性について」の2題が選定されました。

【平成23年度定時総会時学術講演会報告】(伊藤正吾先生)

 平成23年度定時総会時学術講演会が平成23年5月14日(土)に横浜市の神奈川県総合医療会館7階講堂にて開催されました。当会の7つの事業委員会の委員長による活動内容についての発表に続いて、先に記しました第74回集談会の優秀演題より松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」の発表のあと、休憩をはさんで、特別講演「腎不全高齢者の管理と治療-高血圧と貧血の治療の実際を含めて-」を聖マリアンナ医大高血圧・腎臓内科教授木村健二郎先生によりご講演いただきました。

ACEI/ARBとCCBの併用は降圧作用に優れるため心血管疾患の低減に効果がある。ACEI/ARBと利尿薬の併用は尿蛋白の低下により腎保護作用あるが、GFRの低下や低ナトリウム血症に注意する必要がある。ACEI/ARBとCCBと利尿薬の3者併用は、とくに高齢者において、脱水による急性腎障害に注意する必要があり、脱水をきたすような状況においては薬剤の中止をしなければならない。

高齢者のCKDでは、腎硬化症や虚血性腎症のように、尿蛋白を伴わないがGFRの低下している病態がよくみられる。一般に尿蛋白が多いとCKDの進行は早く、少ないと遅いといわれている。ACEI/ARBの投与により、尿蛋白が多い病態ではCKD進行を抑制するが、少ない病態では進行の抑制効果は少ない。CKDの治療において尿蛋白の有無は重要な意味を持つ。尿蛋白の状態によって選択する薬剤や降圧の目標血圧も変えていくべきである。現在CKDのステージはGFRの値によって1次元的に分けられているが、これに尿蛋白のパラメータを加えた2次元的な「ヒートマップ」によりCKDの評価がされるべきであり、CKD診療ガイドもそのような方向で改訂が進んでいる。よって、尿蛋白陽性のCKDではACEI/ARBを第一選択薬剤とし、必要に応じてCCBや利尿薬を追加して130/80を降圧目標とする。一方、尿蛋白陰性のCKDでは必ずしもACEI/ARBは第一選択薬とする必要はなく、140/90を降圧目標とする。高齢者に対するACEI/ARBの投与には注意が必要で、利尿薬との併用の場合、��緤�篆���茲譴覆い茲Δ幣�屬任鰐�泙鮹羯澆垢襪海函���貧血は高齢者においては非典型的な症状を示すことが多く注意が必要である。CKDにおける貧血(腎性貧血)は治療を要する。近年登場したESA(Erythropoietin-Stimulating Agent)は長時間作用型であり、外来診療で使いやすい。ヘモグロビン11g以下になれば開始し、13g以上で減薬または休薬する。CKDの病態にあっては、「心・腎・貧血関連」が知られており、心機能低下、腎機能低下、貧血の進行それぞれが、相互に悪影響を及ぼし合いながら悪化していく。したがって、貧血の治療は心血管障害やCKDの進行を抑制し生命予後の改善をもたらす。

豊富な臨床治験データをお示しになりながら、それらの科学的な意義を実際の臨床の場面でどのように生かすかを具体的な例を示しながら、ひとつひとつ丁寧に解き明かしていただきました。寸分のすきもない極めて充実した講演で、CKDについての理解がさらに深まり、明日からの診療に役立つ内容だったと思います。

【第36回臨床医学研修講座予告】(梶原光令先生 チェック済)

 第36回臨床医学研修講座が東海大学と第4地区の主管により、来る平成23年9月10日(土)午後2時より、平塚農協ビル(平塚駅南口より徒歩2分)にて開催される予定です。

【平成23年度秋季学術大会予告】(沼田裕一先生 チェック済)

 平成23年度秋季学術大会が第3地区横須賀市内科医会の主管により、来る平成23年11月19日(土)に「動脈硬化進展阻止を目指した高血圧・糖尿病治療戦略」というタイトルで横須賀市の横須賀セントラルホテルにて開催される予定です。 糖尿病に関するご講演は順天堂大学 河盛隆造先生に、また高血圧に関するご講演は、愛媛大学 檜垣實男先生にお願いしています。

2011年5月21日土曜日

神奈川県内科医学会の動き

神内医ニュース第66号(平成23年7月1日発行予定)「学会の動き」原稿下書き
神奈川県内科医学会の動き

【第74回集談会報告】(武田 浩先生)

 第74回集談会が第4地区秦野伊勢原医師会内科医会の主管により、平成23年2月12日(土)に厚木市のロワジールホテル厚木にて開催されました。一般演題は19演題を4つのセッションに分けて発表され、その後休憩をはさんで特別講演「糖尿病治療の新戦略」を聖マリアンナ医科大学教授、田中逸先生によりご講演いただきました。
 優秀演題として、永井医院松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」と、かしわぎクリニック柏木利幸先生による「低GI食品の血糖コントロールにおける有用性について」の2題が選定されました。

【平成23年度定時総会時学術講演会報告】(伊藤正吾先生)

 平成23年度定時総会時学術講演会が平成23年5月14日(土)に横浜市の神奈川県総合医療会館7階講堂にて開催されました。当会の7つの事業委員会の委員長による活動内容についての発表に続いて、先に記しました第74回集談会の優秀演題より松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」の発表のあと、休憩をはさんで、特別講演「腎不全高齢者の管理と治療-高血圧と貧血の治療の実際を含めて-」を聖マリアンナ医大高血圧・腎臓内科教授木村健二郎先生によりご講演いただきました。

【第36回臨床医学研修講座予告】(梶原光令先生)

 第36回臨床医学研修講座が東海大学と第4地区の主管により、来る平成23年9月10日
(土)午後2時より、平塚農協ビル(平塚駅南口より徒歩2分)にて開催される予定です。

【平成23年度秋季学術大会予告】(沼田裕一先生 チェック済)

 平成23年度秋季学術大会が第3地区横須賀市内科医会の主管により、来る平成23年11月19日(土)に「動脈硬化進展阻止を目指した高血圧・糖尿病治療戦略」というタイトルで横須賀市の横須賀セントラルホテルにて開催される予定です。 糖尿病に関するご講演は順天堂大学 河盛隆造先生に、また高血圧に関するご講演は、愛媛大学 檜垣實男先生にお願いしています。

2011年5月17日火曜日

神奈川県内科医学会の動き

神内医ニュース第66号(平成23年7月1日発行予定)「学会の動き」原稿下書き
神奈川県内科医学会の動き

【第74回集談会報告】(武田 浩先生)

 第74回集談会が第4地区秦野伊勢原医師会内科医会の主管により、平成23年2月12日(土)に厚木市のロワジールホテル厚木にて開催されました。一般演題は19演題を4つのセッションに分けて発表され、その後休憩をはさんで特別講演「糖尿病治療の新戦略」を聖マリアンナ医科大学教授、田中逸先生によりご講演いただきました。
 優秀演題として、永井医院松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」と、かしわぎクリニック柏木利幸先生による「低GI食品の血糖コントロールにおける有用性について」の2題が選定されました。

【平成23年度定時総会時学術講演会報告】(伊藤正吾先生)

 平成23年度定時総会時学術講演会が平成23年5月14日(土)に横浜市の神奈川県総合医療会館7階講堂にて開催されました。当会の7つの事業委員会の委員長による活動内容についての発表に続いて、先に記しました第74回集談会の優秀演題より松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」の発表のあと、休憩をはさんで、特別講演「腎不全高齢者の管理と治療-高血圧と貧血の治療の実際を含めて-」を聖マリアンナ医大高血圧・腎臓内科教授木村健二郎先生によりご講演いただきました。

【第36回臨床医学研修講座予告】(梶原光令先生)

 第36回臨床医学研修講座が東海大学と第4地区の主管により、来る平成23年9月10日
(土)に開催される予定です。

【平成23年度秋季学術大会予告】(沼田裕一先生 チェック済)

 平成23年度秋季学術大会が第3地区横須賀市内科医会の主管により、来る平成23年11月19日(土)に「動脈硬化進展阻止を目指した高血圧・糖尿病治療戦略」というタイトルで横須賀市の横須賀セントラルホテルにて開催される予定です。 糖尿病に関するご講演は順天堂大学 河盛隆造先生に、また高血圧に関するご講演は、愛媛大学 檜垣實男先生にお願いしています。

2011年5月10日火曜日

神奈川県内科医学会の動き

神内医ニュース第66号(平成23年7月1日発行予定)「学会の動き」原稿下書き

神奈川県内科医学会の動き

【第74回集談会報告】(武田 浩先生)

 第74回集談会が第4地区秦野伊勢原医師会内科医会の主管により、平成23年2月12日(土)に厚木市のロワジールホテル厚木にて開催されました。一般演題は19演題を4つのセッションに分けて発表され、その後休憩をはさんで特別講演「糖尿病治療の新戦略」を聖マリアンナ医科大学教授、田中逸先生によりご講演いただきました。
 優秀演題として、永井医院松丸克彦先生による「非アルコール性脂肪性肝疾患におけるアディポネクチンと脂質代謝の検討」と、かしわぎクリニック柏木利幸先生による「低GI食品の血糖コントロールにおける有用性について」の2題が選定されました。

【平成23年度定時総会時学術講演会報告】(伊藤正吾先生)

 平成23年度定時総会時学術講演会が平成23年5月14日(土)に横浜市の神奈川県総合医療会館7階講堂にて開催されました。当会の7つの事業委員会の委員長による活動内容についての発表に続いて、先に記しました第74回集談会の優秀演題2題の発表のあと、休憩をはさんで、特別講演「腎不全高齢者の管理と治療-高血圧と貧血の治療の実際を含めて-」を聖マリアンナ医大高血圧・腎臓内科教授木村健二郎先生によりご講演いただきました。

【第36回臨床医学研修講座予告】(梶原光令先生)

 第36回臨床医学研修講座が東海大学と第4地区の主管により、来る平成23年9月10日
(土)に開催される予定です。

【平成23年度秋季学術大会予告】(沼田祐一先生)

 平成23年度秋季学術大会が第3地区横須賀市内科医会の主管により、平成23年11月19日(土)に横須賀市の横須賀セントラルホテルにて開催される予定です。