横浜市医師会電子カルテ勉強会
平成26年6月24日(火)午後7時30分から 横浜市健康福祉総合センター6Fにて
司会 横浜市医師会常任理事 小幡進一郎
■ラボテック
(1)株式会社ラボテック
神奈川県に350強のユーザーあり、5件に1件は当社のソフト。桜木町に営業所あり。最小構成で220から230万円、保守サポート年間38万円。オプションとしてiPadを利用して往診に対応できるシステムを開発中。クラーク入力でやりたい場合はクラーク入力養成講座をメディプラザの協力の下開講している。助成金対象のため実質0円で受講できる。
(2)つのだ医院 角田誠之先生
カルテやX線フィルムの置き場所がなく、手書きが汚いため導入を考えていた。友人が東日本大震災で濡れたカルテは読めなかったという話を聞き、決意した。感染症少なく暇な季節で、お盆休みに修正ができることから、8月の導入とした。導入に際して何社のデモを体験した。富士通の電子カルテはピンと来なかった。NTT future clinicはレセコンと電子カルテに二重に入力しなければならないので落ちた。ラボテックの良かった点は、内服薬の転記ミスが激減したこと、投薬グラフを表示して患者に説明できること、内服の細かい数合わせが可能な点である。不満な点は、検査結果の一覧性が良くない点である。
■ダイナミクス
(1)株式会社ダイナミクス
開発者の吉原先生より直接プレゼンをいただいた。
吉原先生は工学部を卒業後、広島の大手自動車メーカーに就職、その後医学部に入り大阪の茨木で開業された。その頃、阪神大震災が起こり、自分の医療データは自分で管理することが重要であると感じた。しかし、当時の医療関連ソフトウェアはデータをブラックボックス化していて融通性のないものばかりだった。では自分で作ってしまえということで、MicrosoftAccessを使用し、1997年に6ケ月かけて開発した。正規版プログラムはソースを公開している。初期費用は216,000円とメンテナンスサポート代金月額10,800円を12カ月分一括でいただいている。往診用携帯カルテMerodyは無料配布。電子お薬手帳Candy もある。疫学や地域医療に役立てるため診療データ活用リサーチシステムSTADYプロジェクトにより統計調査活動の支援を行っている。本日は、レセプト縦覧ツールをCDにて無料配布します。
(2)しばた医院 柴田利満先生
サクサク動くので重宝している。電子カルテ部分のみならずレセプト作成部分も良い。電子カルテのメリットは、カルテ置き場不要で場所とらず、医師だけで済んでしまうので事務員不要、紙カルテ以上に記入は早い。初期費用は345,600円(216,000+129,600)で二年目以降は端末の数は無関係に月額10,800円のみ。サポートはヘルプデスクあり、メーリングリストも充実している。また各地区で例会や研究会が開かれており、パソコンに強くなくても大丈夫。紙カルテ使用中の状態からの移行は大変だが、来院した患者のレセプトデータをダイナミクスにその都度移行するやり方で徐々に安直に移行した。
■RACCO(ORCA連携電子カルテ)
(1)システムロード株式会社
日医標準レセプトソフトORCAに連動する電子カルテである。レセコンとしてのORCAは普及第3位まできており、神奈川県で642施設導入されている。ORCAはソフトは無料なのでリプレースの際にはハード代金のみですむ。RACCO(Road Application Core Competence Originality)は紙カルテ感覚で書ける電子カルテである。サポートは東京本社からリモートサポートで行うこともできるので安心。電子カルテデータのクラウド保存もセコムとの協力で可能。外来3台構成で本体価格300万円、保守料月額4万円。バージョンアップがあればその都度行い、リプレースの概念はないのでコストは使い続けるほど安くなる。オプションとして、レントゲンとの連携、内視鏡との連携、往診との連携も可能。
(2)浅井皮膚科クリニック 浅井俊弥先生
皮膚科は画像を扱うことが多く、処方は外用が多い。当院ではORCA(Linux)2台とRACCO(Windows)5台で運用している。利点としては、処方や診断名の間違いが減ったこと、画像とのリンクが容易、写真での経過が患者にもよくわかり、インフォームドコンセントに役立つこと、データの蓄積がスムーズであることである。欠点としては、診療に時間がかかる、医者の仕事が増え受付の仕事が減ること、模式図の濃淡の表現が難しい、患者に対して横を向いた対応になってしまう
こと、肩や手が凝ることである。このソフトは画像を扱う科ではよく導入されている。
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