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2015年3月19日木曜日

神奈川県内科医学会 学術Ⅰ部会議題 平成27年3月25日(水)

神奈川県内科医学会 学術Ⅰ部会

日時  平成27年3月25日(水)午後7時30分-
場所  神奈川県総合医療会館

1
開会
2
挨拶
3
議題
(1)平成26年度事業報告と平成27年度事業予定の確認(資料1、2)

(2)第78回集談会の反省と優秀演題2題の決定(資料3)
開催日時:平成27年2月14日(土)
開催場所:横須賀市医師会館 横須賀市新港町1-11 (最寄り駅:横須賀中央駅)
第3地区担当 横須賀内科医会、逗葉内科医会、鎌倉市医師会内科医会  
一般演題:午後3時から16題(発表5分、質疑応答2分)
特別講演:午後5時5分から
「生活習慣病とがんの共通分子病態~健康長寿社会を目指して~」
熊本大学大学院生命科学研究部分子遺伝学分野教授 尾池雄一先生
意見交換会:午後6時30分から 横須賀市医師会ホワイエ

※優秀演題2題を定時総会で表彰
 
※次回第79回集談会は第4地区小田原内科医会担当
     平成28年2月13日(土) 
     おだわら総合医療福祉会館 (〒250-0055 小田原市久野115-2)
     
(3)平成27年定時総会時学術講演会(平成27年5月16日)の進捗
酒井 シヅ先生(日本医史学会理事長、順天堂大学名誉教授)
テーマ「日本の医療史、医療の原点から現代まで、さらに今後の医療の展望」
共催メーカー なし
(4)第40回臨床医学研修講座の企画
   平成27年9月から10月に、東海大学と第4地区の担当で開催予定。
   原則的にアクセスのよい駅近の会場で土曜午後に開催希望。髙木副会長と梶原副会長にて企画中
(5)平成28年新春学術講演会の企画
日時 平成27年1月21日(木)  会場 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ
平成27年のアンケートより今後の講演会に希望するテーマ:
「受動喫煙問題(産業医大 大和浩教授)」
「糖尿病と歯周病・医家歯科連携推進(東京医科歯科大 和泉教授)」
「糖尿病の食事療法・食事指導(聖マリ糖尿内科 田中先生)」
「不眠症の治療」、「再生治療の進歩」、「新しい医療制度の変更点」、「ワクチン関連」
アンケート結果を次回企画の担当者にお伝えすること

平成28年新春学術講演会担当候補
     学2より認知症対策委員会
     社会公益より禁煙・分煙推進委員会
   ともに委員長に意向確認したところ受け入れOKとのお返事をいただいた

(6)その他

4
次回開催について
 日時:平成27年   月   日(  ) 午後7時30分~ 場所:県総合医療会館

     過去の開催日 平成26年4/2水、7/14月、10/1水、平成27年1/28水 19:30~

【参考】学術Ⅰ関連講演会一覧表 最近10年間


新春学術講演会
集談会開催地
総会時学術講演会
臨床研修講座
秋季
2016/H28
禁煙・分煙推進
または認知症対策
小田原(4)




なし
2015/H27
糖尿病対策
横須賀(3)
医学史・酒井シヅ
東海(4)
なし
2014/H26
高血圧・腎疾患
川崎(2)
遺伝子・和泉俊一郎
北里(5) 11/1
なし
2013/H25
肝炎対策
横浜(1)
iPS細胞・中畑龍俊
聖マリ(2) 9/21
なし
2012/H24
呼吸器疾患
厚木(5)
医事紛争・平沼高昭
横市(1) 10/20
川崎(2)
2011/H23
糖尿病
厚木(4)
腎不全・木村健二郎
東海(4) 9/10
横須賀(3)
2010/H22
糖尿病
湘南国際村(3)
糖尿病・山田祐一郎
北里(5) 9/18
藤沢(4)
2009/H21
糖尿・腎臓
川崎(2)
医療行政・行天良雄
聖マリ(2) 9/27
横浜(1)
2008/H20
亜鉛
横浜(1)
糖尿脂質・肝炎
横市(1) 9/28
横浜(1)
2007/H19
胃と大腸
大和(5)
医療行政・眼科・メタボ
東海(4) 9/30
横浜(1)
2006/H18


糖尿病・医学教育
北里(5) 10/1
横浜(1)


2015年3月16日月曜日

平成27年度神奈川県内科医学会 肝炎対策委員会事業計画

平成27年度神奈川県内科医学会各部会事業計画 肝炎対策委員会(委員長:岡 正直)

(1)肝炎対策特別講演会
 年に2回程度、時宜を得たテーマで企画する

(2)肝臓病を考える病診連携の会~肝がん撲滅を目指して~
 1.第22回 平成27年6月27日(土)中原区休日診療所
  担当 第2地区 小林内科医院 小林明文先生 田辺三菱製薬

 2.第23回 平成27年10月末から11月前半の(土)横須賀セントラルホテル
  担当 第3地区 横須賀共済病院 池田隆明先生 MSD

(3)ウイルス肝炎患者掘り起こし事業
 1.横浜内科学会 肝疾患管理病診連携ガイド
  非肝臓病専門医のもとで、気づかれないまま放置されている肝疾患患者の掘り起こし

 2.市民公開講座
  肝臓の会・神奈川などの市民団体と連携して企画する

(4)小冊子「これだけは知っておきたいC型肝炎・B型肝炎の知識」
 平成27年改訂版作成中、平成27年6月27日の「肝臓病を考える病診連携の会」での配布目指す

平成26年度神奈川県内科医学会 肝炎対策委員会事業報告

平成26年度神奈川県内科医学会各部会事業報告 肝炎対策委員会(委員長:岡 正直)

(1)肝炎対策特別講演会
 1.平成26年5月22日(木)ホテルプラムにて(共催:ヤンセンファーマ)
 「DAA時代における今後の治療戦略」 関西労災病院院長 林 紀夫 先生
 
 2.Medical Tribuneウイルス肝炎セミナー「進化しつづける慢性肝炎・肝硬変の治療」
  平成26年11月29日(土)ランドマークホール(共催:ブリストルマイヤーズ)
  講演1「C型肝炎治療の大革命~国内初の経口剤治療とは~」
     虎ノ門病院肝臓科 医長 鈴木義之 先生
  講演2「B型肝炎診療における最近の話題」
     川崎市立多摩病院副院長
     聖マリアンナ医科大学 内科学 消化器・肝臓内科教授 奥瀬千晃 先生

(2)肝臓病を考える病診連携の会~肝がん撲滅を目指して~
 1.第20回 平成26年6月7日(土)相模原市南メディカルセンター
  担当 第5地区 中野史郎 先生 (共催:味の素製薬)
  「新しい肝臓病の治療薬に関して~インターフェロンなしのC型肝炎治療を含めて~」
  北里大学医学部 消化器内科講師 日高 央 先生

 2.第21回 平成26年10月18日(土)新横浜プリンスホテル
  担当 第1地区 岡正直 先生 (共催:ブリストルマイヤーズ)
  「新しい時代を迎えたC型慢性肝炎治療」
  京都府立医科大学 消化器内科学教授 伊藤 義人 先生

(3)ウイルス肝炎患者掘り起こし事業
 1.横浜内科学会肝疾患管理病診連携ガイドの検討
  非肝臓病専門医のもとで、気づかれないまま放置されている肝疾患患者の掘り起こしをはかった。

 2.「肝炎ウイルス検査」啓発用ポスター・チラシ作成の協力
  「一生に一度は肝炎ウイルス検査を受けましょう!」
  共催:神奈川県内科医学会、神奈川県消化器病医学会
  後援:肝臓病を考える病診連携の会、制作協力:ブリストルマイヤーズ

(4)小冊子「これだけは知っておきたいC型肝炎・B型肝炎の知識」
 平成25年改訂版を「肝臓病を考える病診連携の会」など当委員会主催の研究会で配布した。

2015年3月2日月曜日

ITT解析とPPB解析

ITT解析とPPB解析
臨床試験のデータを統計解析するときに2つの考え方があります。ITT(Intention-to-Treat)とPPB(Per Protocol Based)の2つです。ITTとは治療しようとした全例を解析対象とするものです。そこでは多少のプロトコール逸脱例も解析対象に含めます。一方,PPBというのはプロトコール通りに実施された症例のみを解析する方針をいいます。本来なら,事前にプロトコールを作って行われた臨床試験ですから,そのプロトコール通りに行われた症例だけを解析すればよいと考えがちです。しかし,ほとんどの臨床試験ではPPBではなくITTの方針をメインに持ってくるようです。その理由はなにか。それは,まず安易に解析除外を後で行うことは危険です。無作為割付けにより比較性を保証したので,その通りに全例を解析するのはもっともです。除外してしまったら,せっかくの無作為割付けが無為になります。ところで,PPBは研究的試験で主に用いられ,確かに治療法の真の実力を比較した結果が得られるでしょう。一方,ITTではむしろ治療方針の比較をしています。途中でいろいろ治療が変わったとしても,初期の治療方針としてどちらが優れているかを問うているのです。もちろん,ITTではコンプライアンスの悪い症例まで含めるので,比較群の間の差が薄まってしまいがちです。
(折笠秀樹-富山医科薬科大学)

H.Pylori除菌療法の課題と展望 2015年3月3日

























2015年2月27日金曜日

神奈川県内科医学会 第6回肝炎対策委員会議事録 2015年02月26日

神奈川県内科医学会 第6回肝炎対策委員会議事録
  日時 平成27年2月26日(木)19:00~
  場所 中外製薬横浜支店(横浜イーストスクエアビル3階)
  出席 中、峯、永井、宮本、多羅尾、岡(敬称略)
(1)肝炎対策特別講演会
 平成27年3月18日(火)19:00~20:00
 ホテルモントレ横浜3F「ビクトリア」弁当あり
 開会挨拶 中会長
 座長 多羅尾先生
 演者 虎の門病院 熊田博光先生
 「C型肝炎の最新治療に関して」
 閉会挨拶 岡
  共催 ブリストル・マイヤーズ株式会社
 ※遠隔地からの参加者にとっては開始時間が早い。19時30分開始が望ましい。
(2)肝臓病を考える病診連携の会~肝がん撲滅を目指して~
 ■第22回 平成27年6月27日(土)川崎市中原区休日急患診療所
 担当 第2地区 小林内科医院 小林明文先生 田辺三菱製薬
 内容(案)
    16:30~ 幹事会
    17:00~ 製品説明
    17:15~ 開会挨拶 神奈川県内科医学会会長
    17:20~ 一般演題 2題(各30分) 座長 小林先生
    18:20~ 特別講演 1題(60分) 座長 小林先生
    19:20~ 閉会挨拶 多羅尾先生

 ■第23回 平成27年 10月24日 11月7日 11月14日(土)横須賀セントラルホテル
 担当 第3地区 横須賀共済病院 池田隆明先生 MSD
 ※10月24日欧州で学会、11月7日肝がん研究会、11月14日世界糖尿病デーあり
 ■第24回 平成28年 担当 第4地区 味の素
 中山名誉会長より、B型肝炎訴訟の弁護士の講演を企画してほしいとの要望あり
 ※医師サイドの認識を深める意味があり、興味ある企画として前向きに検討する
(3)ウイルス肝炎患者掘り起こし事業
 1.横浜内科学会 肝疾患管理病診連携ガイド(永井一毅先生)報告
  非肝臓病専門医のもとで、気づかれないまま放置されている肝疾患患者の掘り起こし
  ※簡明なスクリーニング法を記したカードを横浜内科学会会員および産科クリニックを
  中心に配布予定。ただし肝炎患者の囲い込みと誤解されないよう配慮が必要。
 2.市民公開講座
 ■日時:平成27年3月28日(土)午後2時~4時(入場・午後1時30分)
  会場:ウイリング横浜(上大岡駅・階上)
  定員:60 (当日先着順・無料)
  肝炎治療講演会~進歩する肝炎治療とB型肝炎ワクチン~
  司会:岡正直先生(岡内科クリニック院長)
  講演1:14:05~14:45
  「B型肝炎ワクチン定期接種化と肝炎ウイルスの基礎研究に関する話題」
    脇田隆字先生(国立感染症研究所ウイルス第2部・部長)
  講演2:14:45~15:25
  「ウイルス肝炎の最新治療」
   永井一毅先生(永井医院・副院長)
  ―休憩:15分(質問票回収)―
  質疑応答:15:40~16:00
  終了:16:00
  
  主催:肝臓の会・神奈川
  共催:神奈川県内科医学会、ブリストル・マイヤーズ社
  後援:横浜市港南区役所、横浜市港南区医師会
 ■日時:平成27年5月23日(土)午後2時~4時
  会場:藤沢商工会館ミナパーク
  定員:80
  肝炎治療講演会
  司会:宮本京先生
  講演1「完治を目指してC型肝炎の最新治療」
    岩瀬滋先生(藤沢市民病院 消化器内科部長)
  講演2「B型肝炎の感染の現状とB型ワクチン予防接種について」
    乾あやの先生(済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科部長)
  共催:肝臓の会・神奈川、藤沢市内科医会、藤沢市消化器病医会
  後援:神奈川県、藤沢市役所、藤沢市医師会、NPO小児肝臓研究所
(4)小冊子「これだけは知っておきたいC型肝炎・B型肝炎の知識」
 平成27年改訂版内容 6月27日の「肝臓病を考える病診連携の会」での配布目指す
 【C型肝炎】
  1.HCV抗体陽性時の対処の仕方     多羅尾
  2.HCV感染でALT正常ならば肝がんは発生しないか  多羅尾
  3.C型慢性肝炎とC型肝硬変の簡便な臨床鑑別診断法  多羅尾
  4.最近のC型慢性肝炎のインターフェロン療法   岡
  5.インターフェロン不適格とは    永井
  6.経口薬のみによるC型慢性肝炎治療    永井
 ※7.C型肝炎診療における保険請求上の注意【新規追加】 小林
 【B型肝炎】
  8.B型肝炎ウイルス感染におけるe抗原・e抗体測定の意義  高山
  9.B型慢性肝炎、肝硬変症の最新の治療法   峯
 ※10.HBs抗原精密測定の意義【新規追加】   峯
  11.B型肝炎ウイルス再活性化と免疫抑制・化学療法との関係  中野
  12.B型肝炎関連抗原抗体系測定における保険請求上の注意 小林
 【肝がん】
  13.臨床医の肝がん早期発見のために    多羅尾
  14.C型肝炎治療後の肝臓がん発症リスクをどう考えるか  多羅尾
  15.B型肝炎ウイルス感染による肝発癌とHBV-DNAとの関係  藤井
  16.B型・C型慢性肝炎、肝硬変症における肝がん発生率について 宮本
 【その他の話題】
  17.肝炎ウイルスを排除できない慢性肝炎・肝硬変症への対応 多羅尾
  18.神奈川県における肝炎治療の医療費助成制度   岡
(5)次回開催 平成27年 5月 27日(水)19:30~
(6)中会長所感

2015年2月23日月曜日

神奈川県内科医学会 平成26年度学術1部会事業報告

神奈川県内科医学会 平成26年度学術1部会事業報告

 神奈川県内科医学会学術1部会が企画担当している講演会は、定時総会時学術講演会、臨床医学研修講座、新春学術講演会そして集談会の4つです。

【平成26年度定時総会時学術講演会報告】
 平成26年度定時総会は、平成26年5月17日(土)神奈川県総合医療会館7階講堂にて開催され、引き続き学術講演会が行われました。宮川政昭副会長の開会の挨拶のあと、東海大学医学部専門診療学系産婦人科学教授であり東海大学医学部付属病院遺伝子診療科科長でもある和泉俊一郎先生をお招きし、中佳一会長が座長を務め特別講演「これからは遺伝子医療の時代:知っておきたいこと」をお話しいただきました。ご講演の内容を簡単に紹介します。
 実際に保険収載されている遺伝子検査は神経疾患に関するものが多い。遺伝子検査の目的は確定診断と発症前診断と保因者診断と出生前診断である。全国的には遺伝専門医の数はまだ少ない。近年、遺伝子診断についてはしっかりとしたガイドラインができており、個人情報に留意しながらきちんとしたカウンセリングを行うことが期待されている。陰性のときは問題ないが陽性のときは、保因者診断の場合はその人の子孫において、発症前診断の場合はその人の将来において発病への危惧を与えることになるため、検査結果への対応を事前に考えておかなければならない。よって一般臨床医でも最低限の遺伝カウンセリング能力を身に着ける必要があると思われる。
 「ゲノム」とはその人が持つすべての遺伝情報のことである。2003年にヒトの全ゲノムが解明されたが、遺伝子については未知のことが多く残されている。飢餓や塩分不足の環境を有利に生き抜くために祖先から引き継いだ遺伝子が、現代人にとっては糖尿病や高血圧を引き起こす原因になっていることは皮肉なことである。これらの病気は遺伝因子と環境因子の複合によって発症する多因子遺伝病である。純粋に遺伝因子による病気は単一遺伝病であり、一方純粋に環境因子によるのは事故や感染症などである。
 遺伝性の病気の因子を保有している人は意外に多い。遺伝子とその表現型について、優勢・劣勢の遺伝形式での因子の受け継がれ方と表現型の出現頻度についてわかりやすく説明した。まれな遺伝性の疾患であっても近親婚の場合は発症する確率が高くなるので要注意である。
 2003年のゲノムプロジェクトの時代に較べると、次世代シークエンサーの登場により今日ではゲノム解析はきわめて早く安く簡単に行えるようになった。ゲノム医療の時代は現実のものとなりつつある。近未来の日本を舞台にしたアニメーション「ゲノムカード」を供覧した。このアニメにおいて、近未来の医療では各人の遺伝子の個人差に基づいて診断治療が行われるようになること、健康は遺伝子だけでは決まらないこと、究極の個人情報であるゲノム情報を保護することの重要性などが示された。ヒトとチンパンジーのゲノムの違いは1.2%、ヒトとヒトの間のゲノムの違いは0.1%に過ぎない。このわずかな違いにより治療の有効性や副作用の現れ方が人によって異なるのである。将来オーダーメイド医療を実現するためには、遺伝子と治療とにかかわる非常に多くの知見をデーターベース化していかなければならない。
 遺伝子がまったく同じである一卵性双胎であっても、その後の表現型が異なってくるのはゲノムの修飾(メチル化)が起こるからである。これが環境の影響による遺伝子のエピジェノミック変化であり、がん化するかしないかにも大きくかかわる点である。家族性に乳がんや卵巣がんが多発する疾患にHBOC(Hereditary Breast and Ovarian Cancer:遺伝性乳がん卵巣がん症候群)がある。この疾患では乳腺の細胞のDNA損傷をを修復するBRCA遺伝子に変異がみられ、男性の乳がんや前立腺がんの発症にも強く関与している。しかし発がん遺伝子についてはまだ不明な点が多い。
 最近話題になっているNIPT(NonInvasive Prenatal genetic Testing:無侵襲的出生前遺伝学検査)は母親からの20mlの採血で胎児の遺伝子異常を知ることができ、感度・特異度も高い検査である。ダウン症は母親の年齢が上がるにつれ発症が多くなることが知られているが、20-29歳においても1000分の1の確率でダウン症が発生する。35歳以上で発症が急に増えるので、羊水穿刺により胎児の遺伝子異常を確認することが多くなるが。一方、羊水穿刺による流産リスクも200人に1人ある。NIPTにより羊水穿刺による流産リスクを回避することができるのは福音だが、NIPT陽性でも若い母親ほど遺伝子異常がない場合も多いため正常の胎児を堕してしまう恐れがある。そこでNIPTが陽性であっても羊水穿刺が必要となれば、羊水穿刺による流産のリスクの問題に再び突き当たることになる。また、そもそもダウン症児には人として生きる資格がないのかという根源的な問いかけに答えることができるのだろうか?[終]
 講演終了後、梶原光令副会長の閉会の挨拶のあと、総合医療会館1階にて演者を交えて情報交換会が持たれ、盛況のうちに終了いたしました。

【第39回臨床医学研修講座報告】
 第39回臨床医学研修講座は、平成26年11月1日(土)15時より北里大学病院本館3F臨床講義室No.1&2にて第5地区相模原市内科医会の協力、北里大学医学部の主管にて開催されました。
 北里大学医学部医学部長 東原正明先生、神奈川県内科医学会会長 中佳一先生の開会の挨拶に続いて、4つのご講演をいただきました。ご講演の内容を簡単に紹介いたします。
(1)「北里新病院の体制と医師会等の連携」
 演者 北里大学医学部 医療安全・管理学教授 渋谷明隆先生
 まずは新病院紹介のビデオ供覧。2005年に新病院のプロジェクトを立ち上げ、2014年5月7日新病院が完成した。北里大学病院の役割は、地域における高度先進医療に加えて市民病院的役割を担うこと、そして地域への医療人材供給である。その特徴は4つ。①救命救急・災害医療センター:神奈川県北西部の3次救急を担う唯一の医療機関、②集学的がん診療センター:後述、③トータルサポートセンター:患者中心の医療を実現する病診連携の窓口、④周産母子成育医療センター:一連の妊娠・分娩から成育医療まで総合的に提供し、周産期救急、新生児・未熟児搬送の地域基盤となる。また2015年5月には、北里大学東病院はポスト急性期医療と地域をつなぐ地域医療貢献を実現すべく新しく生まれ変わる予定である。
(2)「集学的がん診療センターの運用と連携」
 演者 北里大学医学部 新世紀医療開発センター 横断的医療領域開発部門 臨床腫瘍学教授 佐々木冶一郎先生
 2007年施行の「がん対策推進基本計画」により、地域がん診療連携拠点病院は腫瘍センター、院内がん登録、外来化学療法、相談支援センターなど種々の要件を満たす必要があり、これらの業務を担う集学的がん診療センターを設けた。揮発性の抗がん剤への職員の曝露を避けるため、特殊な排気システムを完備した。また投与後48時間以内の患者の尿には抗がん剤が排出されているので注意すること。地域におけるがん診療連携は重要であり、成功している熊本県の「私のカルテ」に倣い、神奈川県のがん診療連携パスを作成している。がん診療連携をさらに推進するため、日本癌治療学会認定がん医療ネットワークナビゲータの育成をすすめていきたい。
(3)「早期胃癌に対する内視鏡治療と地域連携」
 演者 北里大学医学部 新世紀医療開発センター 先端医療領域開発部門 低侵襲光学治療学教授 田邉聡先生
 内視鏡治療はESD(Endoscopic Submucosal Dissection;内視鏡的粘膜下層剥離術)が主流となり、北里大学は全国第9位の症例数を持つ。適応はリンパ節転移がなく、内視鏡治療で切除が可能なものだが、適応は拡大されつつあり、また適応外の症例も経験している。当院での治癒切除率は95.7%に達している。ESDの弱点は病巣の牽引手段がないことだが、2本の内視鏡を使う「ダブルスコープESD」により解決した。県内をはじめ近隣地域からの紹介が8割を占めている。ピロリ菌除菌後も発癌リスク低下は限定的であり、異時多発にも注意したい。内視鏡生検でgroup2,3,4の場合はぜひ紹介して欲しい。新病院の内視鏡センターは全国有数の広さと設備を誇り、内視鏡検診にも対応している。
(4)「健康科学センターでの人間ドックと地域連携」
 演者 北里大学医学部 新世紀医療開発センター 横断的医療領域開発部門 健康科学分野准教授 小林清典先生
 北里大学のドックの特徴は、①任意型健診主体で②中高齢者比率高く③全身合併症を有する受診者多く④リピータ率高く⑤日本総合健診医学会優良施設認定、である。要精検率が高いのは、受診者の年齢が他施設に比し高いことと、ピロリ菌除菌適応拡大に伴い、萎縮性胃炎を認めた場合要精査としているためである。大腸がん検診の陽性率は早期大腸がんでは50%に過ぎない。大腸がん検診結果が陽性であっても精検受診率は60%と低いことは問題であり、受診勧奨が重要である。2015年5月に北里大学東病院に健康科学センター(健診専用施設)がオープンし、さらに内容が充実する予定である。[終]
 講演終了後、3つのグループに分かれ院内見学を体験しました。どのフロアも清潔な広々とした空間のなかに、最先端の設備と豪華ホテルも顔負けの高級感があふれ、近未来の病院とはこういうものかと驚きの声があがりました。本館6階のレストラン「クルール」にて、北里大学医学部 消化器内科学教授 小泉和三郎先生と神奈川県内科医学会 第五地区副会長 山本晴章先生の挨拶に引き続き、情報交換会が行われ、盛会の内に終了いたしました。

【平成27年新春学術講演会報告】
 平成27年新春学術講演会が平成27年1月15日(木)19:30~21:15に、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ「日輪」にて開催されました。今回は糖尿病対策委員会の松葉育郎委員長の企画により、「新規糖尿病治療薬への期待と課題」のテーマのもと、2つの講演が行われました。
 中佳一会長の挨拶に続いて、高井内科クリニック院長高井昌彦先生が座長をされた基調講演「神奈川県内科医学会糖尿病対策委員会におけるSGLT2阻害剤の有効性と安全性の検討」を朝日内科クリニック院長 飯塚 孝先生にご講演いただきました。ご講演の内容を簡単に紹介いたします。
 神奈川県内科医学会糖尿病対策委員会では、日常診療において2型糖尿病に対する新規糖尿病薬であるSGLT2阻害剤イプラグリフロジン投与の有効性と安全性を検討するため、臨床研究を開始した。
 イプラグリフロジン25あるいは50mgを用いて、20歳以上で12週以上治療しても糖尿コントロール不良(HbA1c6.0以上)者を対象とし、イプラグリフロジンを一日50ないしは100㎎を52週間投与し、坐位血圧、CBC、生化学、血中インスリンまたはCPR、尿一般、体組成測定(T-SCAN PLUS使用)、空腹時ケトン体測定などを行った。有効性は治療開始時より52週間のHbA1c変化量で評価するものとし、4,12,24,36,52週における血糖、HbA1c、脂質、体組織、体重、ウエスト径などをチェックする。安全性についてはケトン体の変化や、有害事象・副作用にも留意する。また食事行動問診票の記入、生活習慣アンケートも毎回おこなっていく。
 第1報としての1ヶ月めの中間報告では、HbA1c8.1から7.7、血糖195から164、BMI29から28.8、体重77.8から76.7kg、体水分38.4から37.6kg、細胞外水分15.4から15.1kg、ウエスト101から99cmと改善がみられた。また食事行動問診票で「たくさん食べた後悔」が減っていた。副作用については検討中である。4週間の時点ですでにHbA1c改善、食後高血糖改善がみられた。さらに症例を集め、食事行動の変化や生活習慣への影響についても検討したい。
 朝日内科クリニックにおいて、3か月間、26例について同様の検討を行ったので紹介する。対象の平均は52.5歳、身長162.4㎝、3か月後には体重83.3から78.7㎏、BMI31.4から30.2、ウエスト103.5から101㎝、血圧125.8/79.2から122.7/75、血糖242から167、HbA1c9.25から8.4、他にALT、γGTの改善もみられた。体脂肪・内臓脂肪は低下傾向あるが筋肉量は減っていなかった。HbA1cの高い(8.4以上)症例ほどHbA1cの低下量は大きく、HbA1c低下-0.7以上の著効例では投与前HbA1cが有意に高値であった。[終]
 そして松葉医院院長 松葉育郎先生が座長をされた特別講演「糖尿病治療の近未来~新しい治療薬への期待~」を草津総合病院理事長 柏木厚典先生にご講演いただきました。ご講演の内容を簡単に紹介いたします。
 イプラグリフロジンの開発と臨床試験に最初からかかわってきたので、現状と問題点を中心に話したい。
 人口の高齢化と肥満者の増加のため肥満2型糖尿病が増加している。糖尿病患者の40-50%は肥満であり、平均年齢65歳となっている。糖尿病管理は最近10年間で改善傾向みられるが、一方肥満者は年齢が若くコントロール不良で、高血圧、脂質異常症、血管合併症、がんや認知症を合併する傾向もみられ、BMIが25以上の人は年間医療費も高額となる。
 SGLT2阻害剤は近位尿細管での糖の再吸収をブロックすることにより血糖降下作用を発揮する。イプラグリフロジンの国内第3相試験において、著明なHbA1c低下、空腹時血糖低下、体重・腹囲減少、単独使用では低血糖おこさないこと、他の経口薬との併用でも同程度のHbA1c低下効果みられ、一日一回投与ですみ血糖コントロール不良者で大きな効果みられる。また肝機能改善、中性脂肪低下、HDLコレステロール増加、尿酸減少、インスリン抵抗性改善、アディポネクチン増加、レプチン減少もみられた。
 浸透圧利尿に伴う脱水によりHtは2%増加する。ケトン体上昇は投与初期にみられる。腎機能低下(eGFR60未満)者ではあまり効果が期待できない。eGFRは投与初期少し低下するが、長期的には変化見られない。ただし腎機能低下例においては腎障害に注意すること。
 副作用・留意点について述べる。尿路・性器感染(女性に多い。既往のある例では注意)、頻尿・多尿(高齢、利尿薬、下痢・嘔吐、シックデイに注意)、脱水(口渇を訴えないまま脱水になっていることあり。Ht上昇は2%までに抑えること)、低血糖(インスリン、SU剤、グリニド併用に多い)、皮疹(湿疹・紅斑・掻痒などは投与2週間以内の早期に出現しやすい)、またケトアシドーシスは肝障害者、インスリン欠乏状態、低糖質食で起こりやすい。
 適応例としては肥満者(CPI(空腹時CPR÷血糖値(mg/dl)×100)1.2以上)、インスリ抵抗性症例(HOMA-IR2.5以上)、インスリンがよく分泌されている者(CPR1.0ng/ml以上)、メタボリックシンドローム合併例、腎機能が良い者(eGFR45から60以上)、若年から壮年者、NAFLDあるいはNASH合併例、心血管イベントのない者、体重減少を期待する者などがよい適応である。
 最後にいくつかの症例提示を行い講演を締めくくった。[終]
 最後に宮川政昭副会長の挨拶のあと、別室にて情報交換会が行われ、盛会のうちに終了いたしました。
 新春学術講演会は2つの講演が互いに関係する分野の話となるよう企画され、テーマの内容について深く掘り下げた理解が得られるまたとない絶好のチャンスです。

【第78回集談会報告】
 第78回神奈川県内科医学会集談会が平成27年2月14日(土)に横須賀市医師会館(最寄り駅 京急横須賀中央駅)にて横須賀内科医会の担当にて開催されました。横須賀内科医会顧問南信明先生の司会により午後3時から横須賀内科医会副会長野村良彦先生の開会の辞に続き、中佳一会長、横須賀市医師会会長遠藤千洋先生、横須賀内科医会会長沼田裕一先生の挨拶のあと、一般演題16題がすべて口演により行われました。午後5時過ぎより特別講演「生活習慣病とがんの共通分子病態~健康長寿社会を目指して~」を熊本大学院生命科学研究部分子遺伝学分野 尾池雄一教授にご講演いただきました。講演内容の概略を以下に記します。
 高齢化社会となってがんが増えている。また依然として動脈硬化性病変による死亡も多い。
(1)ゲノム医学の進歩が大きく変えた病態成因の考え方
 ゲノムとしてのDNAが転写されトランスクリプトームとしてのRNAとなり、さらにフェノタイプ(表現型)としてのプロテオーム(蛋白)やメタボローム(代謝物)が生成される。近年、転写の過程でのエピゲノムによる制御が遺伝子発現に係わっていることがわかってきた。DNAについているヒストンのメチル化により遺伝情報の転写が抑制されることである。また蛋白質に翻訳されないmicroRNAも遺伝子発現の制御に関与している。このような後天的な表現型の形成には生活習慣の影響が大きく、また腸内細菌の作り出す蛋白が我々の健康に及ぼす作用も注目されている。肥満になりやすい体質も腸内細菌の状態で左右されうるし、ある種の病気の治療法としての便移植(FMT)の臨床応用も大きな可能性を持っている。
(2)生活習慣病とがんの共通分子病態
 日本人の平均寿命の延びは著しいが健康寿命との差は10年ある。百寿者を対象とした研究により慢性炎症と各種疾患との関連性が明らかとなってきた。アンジオポエチン様因子2(ANGPTL2)は内蔵脂肪細胞に多く発現しており脂肪細胞由来の血中循環蛋白である。これが過剰になると脂肪組織の炎症をおこしインスリン抵抗性になったり、血管内皮機能障害をおこすことがわかってきた。またANGPTL2による慢性炎症がDNA障害によるゲノムの不安定化をおこし発癌の原因となる。ANGPTL2の発現の多いがんは運動性高く転移しやすく、腫瘍血管新生も盛んである。現代は不規則な生活により社会的なリズムが失われる傾向がある。リズムを失うことでANGPTL2の過剰作用がひきおこされる。老化に伴いANGPTL2は上昇傾向みられるが、百寿者においては上昇がみられないことは興味深い。[終]
 髙木敦司副会長の閉会の辞のあと、午後7時過ぎより同会館ホワイエにて意見交換会が行われ、次期開催地区の小田原内科医会代理平塚市医師会内科部会会長佐藤和義先生より挨拶をいただき盛況の内に閉会いたしました。

【おわりに】
  学術Ⅰ委員会は平成22年度まで部会長をされた伊藤正吾先生の後を引き継ぎ、平成23年度より新たな体制で活動を開始いたしました。平成27年度も今までの長い歴史のある講演会に新たな変更や発展を加えながら、4つの基本講演会を開催していきたいと思います。今後とも、神奈川県内科医学会本体事業である学術1部会の講演会開催にご協力とご参加をお願い申し上げます。